36 / 99
第五章 ヲタク、新しい人生への再出発です
07
しおりを挟む
「やっぱり……明氏は知ってたのかい?」
「え、あぁうん」
「じゃあ良かった」
「最初に言わなくてごめんな」
「いいんだよ。万が一明氏があやかしに惑わされていたらって心配しただけだから。けど余計な心配だったね」
言い終わるとくまたんオムライスを食べる速度が早くなる。気にしてくれていたんだな。
「なんでわらわがあやかしだってわかったの?」
「ヨッシーは少し霊感が強いんだ」
「そうだったの」
「けど、雪実ちゃんが可愛いっていうのは本当のことだよ」
「ん、あ、ありがと……」
雪実はまた照れたように俯き加減でパンケーキを食べた。元の肌が白いので少し赤くなるだけでそれがわかる。
可愛いって言われ慣れていないんだなって。まぁ俺はカッコイイなんて慣れるどころか言われたことも言われる予定もないんだがな。
「ヨッシーはイラストレーターなんだよ。そこに飾ってあるのもヨッシーが描いたものなんだよ」
指をさし、雪実に教えてあげた方には大きな額縁にメイドの絵が飾られていた。
「まだまだ売れない駆け出しだけどね。明氏の書いてる小説に挿絵を書くようになったのがきっかけだったんだよ」
「へぇ。凄いじゃん」
「明氏の小説、僕は面白いと思うんだけどね。こればっかりは運もあるだろうし、けどデビューなんかしたら遥かに上手なイラストレーターが表紙を書いてくれるから人気でるはずだよ」
ヨッシーは嫌味が無く褒めてくれるところがいい。お金を稼いでいる以上ヨッシーはプロなのだ。けど友達という枠でこんな趣味の延長で箸にも棒にも掛からない小説投稿者と上下なく話してくれる。
夢見るパンダさんパフェが来たところで雪実との経緯をヨッシーに話した。
ヨッシーは霊感が強いのもあって、俺が代々邪悪なあやかしを成敗している家系というのを話していた。
特に隠すことでもないが会社等の誰にでも言って良いものとは思っていない。中には気味悪く思うの者いるだろうからだ。
それに、社内はおろかヨッシー意外に心を許している知人等いないので気安く話すこともなかった。
「それでお兄ちゃんなんだね」
「まぁ成り行きでそうなってから定着しちゃってさ」
「じゃあ明氏は妹の雪実ちゃんに恋愛感情は持てないってことだね?」
「ハハハ。そんなの妹じゃなくても持つ筈無いって」
手を仰ぎながら否定のジェスチャーをした。
雪実はひたすらパフェとパンケーキを食べていた。
「近い距離にいる男女ってわからないものだって良く聞く話だよ。妹だからって見えない壁が邪魔になってうかうかしてたら僕が雪実ちゃんを奪って行っちゃうかもよ?」
「本当になんにもないんだって。それに言ったろ? 社内の女の子と仲良くなれるために雪実と協力しているだけなんだって」
「ふーん。後で泣きついても知らないよぉ」
ヨッシーは笑いながら言ってきたが、一体何が可笑しいのか皆目検討も付かない。
「だったらその眼鏡は止めた方がいいかもね。いっそのことコンタクトにしなよ。僕も変えてからヲタクには見られないようになったよ」
それはヨッシーの素材が元々良かったからだけだろうと思ったが、本人に自覚が無いので言っても仕方がないことだった。
それはそうとコンタクトかぁ。最早眼鏡は体の一部になってたから眼鏡を変えようとか、コンタクトにするなんて発想は出てこなかった。女性の裸を見る為に性転換しよう、ってくらい思いつかないことだ。
「え、あぁうん」
「じゃあ良かった」
「最初に言わなくてごめんな」
「いいんだよ。万が一明氏があやかしに惑わされていたらって心配しただけだから。けど余計な心配だったね」
言い終わるとくまたんオムライスを食べる速度が早くなる。気にしてくれていたんだな。
「なんでわらわがあやかしだってわかったの?」
「ヨッシーは少し霊感が強いんだ」
「そうだったの」
「けど、雪実ちゃんが可愛いっていうのは本当のことだよ」
「ん、あ、ありがと……」
雪実はまた照れたように俯き加減でパンケーキを食べた。元の肌が白いので少し赤くなるだけでそれがわかる。
可愛いって言われ慣れていないんだなって。まぁ俺はカッコイイなんて慣れるどころか言われたことも言われる予定もないんだがな。
「ヨッシーはイラストレーターなんだよ。そこに飾ってあるのもヨッシーが描いたものなんだよ」
指をさし、雪実に教えてあげた方には大きな額縁にメイドの絵が飾られていた。
「まだまだ売れない駆け出しだけどね。明氏の書いてる小説に挿絵を書くようになったのがきっかけだったんだよ」
「へぇ。凄いじゃん」
「明氏の小説、僕は面白いと思うんだけどね。こればっかりは運もあるだろうし、けどデビューなんかしたら遥かに上手なイラストレーターが表紙を書いてくれるから人気でるはずだよ」
ヨッシーは嫌味が無く褒めてくれるところがいい。お金を稼いでいる以上ヨッシーはプロなのだ。けど友達という枠でこんな趣味の延長で箸にも棒にも掛からない小説投稿者と上下なく話してくれる。
夢見るパンダさんパフェが来たところで雪実との経緯をヨッシーに話した。
ヨッシーは霊感が強いのもあって、俺が代々邪悪なあやかしを成敗している家系というのを話していた。
特に隠すことでもないが会社等の誰にでも言って良いものとは思っていない。中には気味悪く思うの者いるだろうからだ。
それに、社内はおろかヨッシー意外に心を許している知人等いないので気安く話すこともなかった。
「それでお兄ちゃんなんだね」
「まぁ成り行きでそうなってから定着しちゃってさ」
「じゃあ明氏は妹の雪実ちゃんに恋愛感情は持てないってことだね?」
「ハハハ。そんなの妹じゃなくても持つ筈無いって」
手を仰ぎながら否定のジェスチャーをした。
雪実はひたすらパフェとパンケーキを食べていた。
「近い距離にいる男女ってわからないものだって良く聞く話だよ。妹だからって見えない壁が邪魔になってうかうかしてたら僕が雪実ちゃんを奪って行っちゃうかもよ?」
「本当になんにもないんだって。それに言ったろ? 社内の女の子と仲良くなれるために雪実と協力しているだけなんだって」
「ふーん。後で泣きついても知らないよぉ」
ヨッシーは笑いながら言ってきたが、一体何が可笑しいのか皆目検討も付かない。
「だったらその眼鏡は止めた方がいいかもね。いっそのことコンタクトにしなよ。僕も変えてからヲタクには見られないようになったよ」
それはヨッシーの素材が元々良かったからだけだろうと思ったが、本人に自覚が無いので言っても仕方がないことだった。
それはそうとコンタクトかぁ。最早眼鏡は体の一部になってたから眼鏡を変えようとか、コンタクトにするなんて発想は出てこなかった。女性の裸を見る為に性転換しよう、ってくらい思いつかないことだ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
21
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる