天は百万分の二物しか与えなかった

木mori

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第一章

第五十二部分

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「さて、パンの袋に3人入っているんだけど、どれかがホンモノかを当てる勝負じゃん。でも当てられる方も人間で、一定の欲望を持っているんだよぉ。みんな着ている薄い素材の体操服は、ゆっくりと走らないとぬれて透けない、透けた状態の方が気をひけるよぉ。鰯司が好感度を持つと喋るシステムなんだよねぇ。」
パンとして食う前に、ゆっくりと近づいていくと、鰯司が透けた中身をよく見ることができて好感度が増す。代わりに選択権利がなくなる。逆に言うと選択権を確保するために、早くパンに到達すると、好感度は低くなり、喋らない。つまり、恥ずかしさと選択権は裏腹の関係となり、痛し痒し。ホンモノに当たったプレイヤーが勝ち。
「しかし喋りにも意味があるよぉ。ひとりは本当を言い、ひとりは嘘。もうひとりは、喋らない。理由は後でわかるんだよねぇ。」
「それでは、ゲーム、スタート。」
最後の一言だけは、明日萌が締めた。
「ワタクシの下着を鰯司さんに見せるなんて、あり得ませんわ!」
湖線は全力疾走でパンに向かっていき、すぐに到着した。
青の鰯司を前にした湖線。
青の鰯司は沈黙を決めている。
「どうして喋らないんですの?」
「透けてないから。人間だと言ったはず。サービスしないなら語らないのはオトコの性(さが)。」
「ハズレを引いてしまいましたわ!ガクッ。」
湖線は、端正な顔をしわくちゃにして、垂れ下がった。
次にパンについたのは、マカ。
「マカは教師として、透け節度を守ります。節度とは、ほどほど透けという意味になります。」
マカは、顔の赤さもほどほどである。
そこそこ透けていて、シャツの下の猫さんイラストがある程度見えている。赤の鰯司はガン見していた。
「見え(ない)。」
赤の鰯司は不満そうに一言発した。
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