失楽園パンツの魔王様?

木mori

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第二章

第二十二部分

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「調理実習で、大悟の解体ショーやってるのね。アタシも混ぜて❤」
「❤マークじゃねえ。今オレはショボ攻撃を受けてて、それなりの大ピンチなんだけど。」
「なにそれ。ということは、ふたりでじゃれ合ってるということね。べ、別にアタシには何の関係もないんだけど、なんだかムカつくわ。」
ユリの体温が急激に上昇する。当然調理実習室内温度も上がっていく。
「なぜか、急に暑くなってきたです。不快の字。」
衣好花はシャツを脱ぎ、スカートも下ろしてしまった。意外に着痩せしていて、胸のボリュームはユリを大きく凌駕している。現在はキャミソールのみに覆われた状態。
「おいおい、ここには純情な男子がいるんだぞ。その前でいきなり、下着姿になるというのはマズいんじゃないか。正視できないぞ。」
大悟は右手を顔に当てているが、手を開いたままなので、遮蔽効果は零点である。
「ちょ、ちょっと、大悟。その手の形から推測するに、不純異性交遊的な匂いが強烈に感じられるのは気の迷いかしら。」
「そ、それはだな。純情ベクトルが三次元で交差したため、湾曲して・・・」
「ふざけないでよ!」
ユリのからだが真っ赤になり、調理実習室の気温もさらにアップした。すると、衣好花の持っている巨大ナイフに付着したチョコが溶けて、剥き出しになっていた衣好花の胸に落ちた。
「あちち!火傷の字!」
衣好花は巨大ナイフを足元に落とした。ナイフは鏡でもある。そこには、衣好花の白と銀のツートンシマシマパンツが映っていた。パンツは同時に大悟の角膜にも投影された。
「うわわわわ~!恥ずかしすぎるだです。失神の字。」
あえなく衣好花は調理実習室の床と一体化した。
衣好花から解放された大悟とユリは調理実習室を後にした。
ユリは教室までの廊下でひたすら苦虫を噛み潰したような顔をキープしていた。大悟もさすがに言い訳できず、下を向くしかなかった。


地獄の温度はさらに上がっていた。カリナとポプラが生徒会室で灼熱の外を見ている。外の溶岩は大きな坊主頭を作っては破裂して飛び散っている。
「このままでは地獄が太陽のような恒星になってしまいますわ。早く手を打たないと。ポプラ、これはパンツ魔王の仕業と見ていいのかしら。」
「はっきりとはわかりませんが、パンツ魔王が出現した頃から地獄の表面温度が上がり始めており、何らかの関係があるものと推察されます。ここはユリさんへの課題解決を急がせるべきではないかと思われます。」
「そうですわね。こうなったら、あの手を使いましょう。」

 
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