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第一章
第二十二話
しおりを挟む『パチパチパチ』。
人形の小さな手が拍手をする。
なかなかかわいいとも見えるが表情はない。
儀礼的なモノであるのは明白だ。
((なかなかやりはりますなあ。合格どす。))
「何だ、合格とは。」
((うちと同じどす。うちは本体は喋りまへん。))
「それって、見たらわかるけど。もしかして・・・。」
((そう。自閉症どす。それが治らないまま現世を去ったんどす。))
さらりと重たいことをおっしゃる絵里華さん。
「これはいったい何なんだ?」
((見た通りどす。過去と現在が交錯してるんどす。意味はあるんどす。それだけで、あまり深く考えてはいけないんどす。))
「そうなのか。まあ、あまり悩まないタチなので。後天的にそうなったのだが。」
((それはいいこと。では今晩8時にここに来てくれなはれ。))
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