不老不死ロリの国

木mori

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第二章

第四十八話

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「これは痛いよん!まさに魔力のパワーだよん。どうしてこんな力が出せたよん?」

「セクハラパワーだ。吝奈たちが喜んで、じゃなく嫌な行為に耐えてくれたおかげだ。」

吝奈、木憂華は真っ赤になって、クビをタテ、ヨコに振った。同意・不同意を同時に示す仕草に見える。

「セクハラパワーだと?すごくイヤで法律違反な響きの力だよん。もえもしてほしかった、もとい受けなくてよかったよん。魔力が使えるなら、こちらも遠慮はいらないよん。全力で戦うよん。でもそちらのふたりはこの箱子の体を痛めつけるなんて、友達裏切りなことができるはずがないよん?グワッ!」

牙の剣が箱子の腹を襲った。

「約束が違うよん。箱子の体を平気で傷つける友達がどこにいるよん。」

「そんなひどい友達なんているわけありませんわ。パキッと。」

「そんな非道な女子高生がいるわけないじゃん。輩を傷つけるなんて、Qたちの辞書にはぜったいに載ってないじゃん。プチュ。」

(吝奈ちゃん、キューリー夫人博士、言動を一致させてよ。あきらかにアタックフェイズが継続中だよ。あたし、泣いちゃうよ!)

「こんな友達甲斐のない連中だったとは知らなかったよん。ならばこっちも本気で応じるしかないよん。その前に魔力供給っと。」

萌絵は昆太をハグして、ナタをデカくして両手で構えた。

「これで対等ですわね。」

「久しぶりに命をかけてみるじゃん。キエエエ!」

三人の大きな掛け声で、バトルが開始された。

大ナタと牙剣が噛みつき合うようにぶつかって火花を散らしている。その脇から木憂華が毒々しい液体を萌絵にぶっかけするが、その攻撃は萌絵の視界に収まっており、ギリギリのところで避けている。しかし、二対一のバトルは萌絵に不利。徐々に萌絵は押され始めた。萌絵の足元がややふらついていることを吝奈は見逃さなかった。

「キューリー夫人博士さん、いいですわね。」

「わかったじゃん。」

キューリー夫人博士は赤紫の液体を萌絵の足にかけた。

「そんなのを避けるのはカンタンだよん。」

木憂華は同じ攻撃を執拗に繰り返し、萌絵が体を前後左右に移動させてかわすというのがしばらく続いた。

「そろそろいい頃合いですわね。」
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