3秒限界の魔法でホントに大丈夫ですか?

木mori

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第二章

第九部分

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「雲の下に山があっていうのは不思議な光景だね。」
 お姫様抱っこしたまま、猛烈な風を受けて、入場券販売員のおかっぱ髪は、米国星条旗のような模様になっている。
 目の前に大きな山が見えてきた。
「そろそろ目的の山が近づいてきたですよ。でもこの辺りは高い山がたくさんあるです。隆起でできた山岳地帯ですから、どれが腐士山なのか、販売員も知らないですよ。」
「それじゃ、魔界の番人さんを見つける前に山を探さないと。」
「魔法で飛びながら探すのは、魔力と体力を著しく消耗するですよ。このまま、重力に引っ張られると、スゴく不思議な現象が体験できるですよ。」
「そんな体験要らないよ!ボクをゼッタイ落とさないでよね。」
「ならば、よ~く捕まってくださいですよ。」
「言われなくてもそうするしかないよ。」
「あは~ん。そんなことしちゃダメですよ!」
 和人が入場券販売員のおっぱいに顔を埋めこんでしまった。
「でもしがみついてないと、落ちそうだよ!」
 さらに強風の影響で顔を左右に揺さぶって、おっぱいを過度に刺激してしまった。
「気持ちよすぎて、もうガマンできないですよ。本当に重力のお世話になりますですよ~!」
「うわああああ。」
 入場券販売員の魔力が失われて、ふたりは転落してしまった。
「ヤマナシケン!」「お兄ちゃん!」
 落ちていく和人に手を伸ばそうとした咲良だったが、まったく届くはずもない距離だった。

 時間はすでに夜になっていた。山の夜は星の光が近くて意外に明るい。
「いたたた。腰をひどく打ったようだよ。あれ?ボク、生きてる?あんな高いところから落ちたのに。」
「やっと気づいたですかですよ。生きててよかったですよ。」
「入場券販売員さん。あんな高いところから落ちて助かったんだ。てか、落ちる前に気絶していたので、何も覚えてないけど。」
「あの高さからでは、販売員の風魔法のガードでは、とても防御しきれなかったですよ。でもこうして助かったのは、このお婆ちゃんのおかげですよ。」
「お婆ちゃん?どこにも人はいないよ。」
今は月に雲がかかってしまい、少々暗い。
額に手を当ててキョロキョロする和人。やはり和人の視界にはヒトらしき姿は映らない。「どこを見ておるんじゃ。こっちじゃ。」
少女のような甲高い声。耳にキンキン来る。
「声は聞こえるよ。でもどこにいるんだよ。」
「妾の背が高過ぎてそなたのサバ目に写ってないだけじゃ。よく上を見るんじゃ。」
「ここでもサバ目認定!?」
雲が月から離れて視界が開けてきた。同時に和人は声のする方へ顔を上げた。
「女の子が宙に浮いてる!」
「タダの人間。その方は浮いてるのではないですよ。二本の足が見えるですよ。」
「ん?これって足というよりは棒のような?節もあるし。竹っぽいよ。」
「当たり前じゃ。それは竹馬の足なんじゃからな。妾は竹馬に乗る、大いなる邪悪魔女・腐門麗美(ふかど れいみ)じゃ。略しておジャ魔腐女どれみじゃ。」
「略しても長いよ!それに魔腐女ってスゴく怪しいんだけど。」
「ここは腐士山じゃ。それを付けただけじゃ。」
「じゃあ、この竹馬に貼られた直球BL画像は何?」
切れ長目のイケメン同士ががキス、あるいはそれ以上・異常なポーズ(主として抱き合い)をしている写真が竹馬の下から上まで貼られている。
「これは、百パー腐ってるよ!」
「魔腐女のどこが悪いんじゃ!とおーっ!」
ついに竹馬から降りてきたおジャ魔腐女どれみ。
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