異世界の魔法歯医者はとにかく痛い!

木mori

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第一章

第十四話

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「歯は痛いけど、すごく気持ちいい~!もっと、もっと、ゴシゴシしたい~!」

「や、山場さん、いったいどうしたんですの?」

「もっと、もっと!痛くして~!」

「山場さん、まさか、あなた、そういうシュミですの?」

 絵梨奈の口元が上を向いてきた。

「シュミ?よくわからないけど、もっとイタイのが欲しい!」

「こ、これ以上は危ないですわ。歯ブラシをよこしなさないですわ!ちょっと、もったいないですけど。」

「ハアハアハア。止まってしまった。残念。」

 絵梨奈は花子から取り上げた歯ブラシを空中に放り投げた。

『ギュウウウウン!』

歯ブラシは機械音を立てて、2メートル近くまで大きくなった。

「これって、まさか、魔法の」

「それですわ。」

「魔法の歯ブラシ?」

『ずでん。』

絵梨奈はコメディアンずっこけを無事遂行。

「魔法のホウキに決まってるますわ。でも正確には『魔法の宝器』のひとつである帚ですけど。」

「カッコ悪いよ。帚と歯ブラシって、異次元じゃない。」

「何をおっしゃってるの。魔法の宝器という神聖なものなのですから、敬いなさい。」

「そう?カッコ悪いのに。まあいいや。これ、いや魔法の帚って、乗れるの?」

「当然ですわ。でも山場さんに使いこなせるかしら?」

「できるよ!あたしの里では、自然が友達だったんだから。」

「機械文明と最も縁遠いと自白して自爆しましたわ。」

「ほら、できたよ。」

「なんですの、それは?」

『シーン。』
花子は歯ブラシ帚を横にして、跨がっただけ。

「魔法の帚、うんともすんとも言わないよ?」

「魔力を込めなければ動きませんし、空を飛んだりできませんわ。」

「魔力って、どうやって出すの?」
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