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第一章
第二十七話
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ふたりとも、顔を両手で覆っており、中の人物を見ていない。ただの空気コメントであった。やはり乙女である。
「こそーっと目を開けるよ。」「こそーっと目を開けますわ。」
ふたりが同時に指の間隔を広げる
と、そこには百合の花が咲いていた。
絵梨奈たちの眼前に広がる天蓋付のベッドと、その上に一糸纏わぬ姿で絡み合っている女子ふたり。
「痛くなんかないよ。気持ちいいよ。もっと吸ってくれていいよ。」
「もっと吸ってもいいって言う、じゃん?うれしいじゃん!ちゅー、ちゅー、ちゅー。あああ~、やっぱり本生(ほんなま)だよ~。かいか~ん!」
悶えているのは、血を吸ってる方であった。
「きゅうりちゃんじゃありませんこと?」
「ありゃ?絵梨奈?」
「そちらの女子はどなたか存じませんが、不純異性交遊禁止ですわ!」
「うるさいじゃん。校則なんか関係ないじゃん。」
「ワタクシが校則ブックですわ!」
「そのワード、おかしいじゃん?」
「些細なことはどうでもいいですわ。そ、そのバレンチノな行為をお止めなさい!」
「ずいぶん高級な破廉恥じゃん。Qのお楽しみを奪った罪、許さねーじゃん!」
「そちらの不埒を封じ込めてあげますわ!」
ふたりは取っ組み合いのケンカを始めた。歯医者としての勉学から、最も遠い存在に堕した。
ケンカするふたりを見ていたもうひとりの女子が、立ち上がった。わずかに吊り上がった涼しく青い瞳。シャープな鼻筋に、小さいがしっかりと存在感を示す唇が、肩にかからないぐらいの青い髪によく似合っている。
「おい、お前たち、やめろ。ここはボクの部屋だ。ケンカなら外でやってくれ。」
立ち上がった青い髪の女子を見て、ハナゴンに緊張感が走った。
「その青い髪、目。もしかしたら、青い歯を持つ女の子なの?」
青い髪の女子は花子を見つめた。
「す、素敵な青い瞳。あんなきれいな目は見たことがないよ。ぽっ。」
花子の頬が乙女色に染まった。
「誰だ?」
青い髪の女子の澄んだ声。一瞬開けたその口の中を見た花子は、ガックリと首を垂れた。
「歯はきれいな純白だったね。髪と目が青いから、てっきり歯も青いのかと思ったけど、違った。でもなぜか、胸のドキドキが収まらないよ。」
「こそーっと目を開けるよ。」「こそーっと目を開けますわ。」
ふたりが同時に指の間隔を広げる
と、そこには百合の花が咲いていた。
絵梨奈たちの眼前に広がる天蓋付のベッドと、その上に一糸纏わぬ姿で絡み合っている女子ふたり。
「痛くなんかないよ。気持ちいいよ。もっと吸ってくれていいよ。」
「もっと吸ってもいいって言う、じゃん?うれしいじゃん!ちゅー、ちゅー、ちゅー。あああ~、やっぱり本生(ほんなま)だよ~。かいか~ん!」
悶えているのは、血を吸ってる方であった。
「きゅうりちゃんじゃありませんこと?」
「ありゃ?絵梨奈?」
「そちらの女子はどなたか存じませんが、不純異性交遊禁止ですわ!」
「うるさいじゃん。校則なんか関係ないじゃん。」
「ワタクシが校則ブックですわ!」
「そのワード、おかしいじゃん?」
「些細なことはどうでもいいですわ。そ、そのバレンチノな行為をお止めなさい!」
「ずいぶん高級な破廉恥じゃん。Qのお楽しみを奪った罪、許さねーじゃん!」
「そちらの不埒を封じ込めてあげますわ!」
ふたりは取っ組み合いのケンカを始めた。歯医者としての勉学から、最も遠い存在に堕した。
ケンカするふたりを見ていたもうひとりの女子が、立ち上がった。わずかに吊り上がった涼しく青い瞳。シャープな鼻筋に、小さいがしっかりと存在感を示す唇が、肩にかからないぐらいの青い髪によく似合っている。
「おい、お前たち、やめろ。ここはボクの部屋だ。ケンカなら外でやってくれ。」
立ち上がった青い髪の女子を見て、ハナゴンに緊張感が走った。
「その青い髪、目。もしかしたら、青い歯を持つ女の子なの?」
青い髪の女子は花子を見つめた。
「す、素敵な青い瞳。あんなきれいな目は見たことがないよ。ぽっ。」
花子の頬が乙女色に染まった。
「誰だ?」
青い髪の女子の澄んだ声。一瞬開けたその口の中を見た花子は、ガックリと首を垂れた。
「歯はきれいな純白だったね。髪と目が青いから、てっきり歯も青いのかと思ったけど、違った。でもなぜか、胸のドキドキが収まらないよ。」
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