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第一章
第二十七部分
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タミフルは千紗季の口の動きを読んだのか、巨大スクリーンの中で、字幕付きで回答した。
「枕の売上はあくまで個人のもの。1対1に変わりないよ~。」
「汚いわ!」
「悔しかったら部下を集めてみるんだよ~。そんなにカンタンなことじゃないんだから~。」
「こういう先のない新人を見ると、タミフルのダメダメだったころを思い出すなあ~。全然売れない頃に山田マネージャーに教えられたんだよね~。将を射んとするならば先ず馬を射よ!ってね。」
タミフルの回想はこんなことであった。
枕を買ってもらうのに、大変な苦労だった、というより全然売れなかった。
マネージャーの言葉を信じて、複数の地下イベントプロデューサーの住所を聞きつけたんだ。そして、その人たちの奥さんに、花の種を送った、百円ショップで買ったもの。これでもつっかえしてくる人はちゃんといて、そういう人はターゲットから捨てた。
花が咲いた頃に、少ない給料からなけなしのお金を使って植木鉢を送った。これで受け取ってくれた奥さんは三人になった。
今度は、自宅を訪問して、顔を見せて、警戒心を解いた。さらに奥さんの誕生日に花束を贈った。ここで残ったのはふたり。
次は金銭的にハードルが高くなって、ちょっと言えないバイトして、指輪を二個買ってプレゼントした。一個は受取してくれなかったので、生まれて初めて質屋に持って行った。半値になって、泣きそうになった。
そしてついにプロデューサーの旦那へアプローチ。地下ドルから奥さんが金品を受け取っていたよね、と脅し、じゃなくて、説得して、タミフルはこれまで投資した以上の枕を買ってもらった。
無論、利息的な枕営業サービスはしたけどね。やがて、センターポジションも手にすることができたのは、実力だけどね。
「さあ、枕の売上高を発表しようかと思ったけど、かわいそうだから、やめとくね~。バトルはタミフルの完勝!文句ないね~?」
「あるわけないでしょ!」
「じゃあ、アイドルをやめちゃうということだね~。でも安心していいよ~。新人ですぐにやめちゃう子は、たくさんいるから~。」
「そ、そうだったかしら。忘れてたから、この賭けは無しでいいわよね。てへっ。」
「そ~だね~。忘れちゃってなら仕方ないね~。・・・。なんてことあるか!約束はちゃんと守ってもらうからね~。」
急にシビアな顔になったタミフル。アイドルからは最も遠い表情になっている。
「ほ、本当にやめなくちゃいけないの?アイドルじゃなくなったら、アタシの願いはどうなるの、朋樹のことをあきらめなきゃいけないの?」
必死に泣き顔にならないようにする千紗季は、ピカソの泣く女よりも歪んでいる。
一方ふんぞり返っていたタミフルのところに、付き人が声をかけてきた。
さらにタミフルの行列で、前から二番目にいるフードをかぶった人が千紗季の方を一瞥した。
付き人からの伝言を聞くと、タミフルは千紗季に一言発した。
「バトルは引き分けだよ~。」
そのまま、タミフルは自分の持ち場である長い机に戻った。
「あ、あ、あ。」
二の句が継げない千紗季であった。
「枕の売上はあくまで個人のもの。1対1に変わりないよ~。」
「汚いわ!」
「悔しかったら部下を集めてみるんだよ~。そんなにカンタンなことじゃないんだから~。」
「こういう先のない新人を見ると、タミフルのダメダメだったころを思い出すなあ~。全然売れない頃に山田マネージャーに教えられたんだよね~。将を射んとするならば先ず馬を射よ!ってね。」
タミフルの回想はこんなことであった。
枕を買ってもらうのに、大変な苦労だった、というより全然売れなかった。
マネージャーの言葉を信じて、複数の地下イベントプロデューサーの住所を聞きつけたんだ。そして、その人たちの奥さんに、花の種を送った、百円ショップで買ったもの。これでもつっかえしてくる人はちゃんといて、そういう人はターゲットから捨てた。
花が咲いた頃に、少ない給料からなけなしのお金を使って植木鉢を送った。これで受け取ってくれた奥さんは三人になった。
今度は、自宅を訪問して、顔を見せて、警戒心を解いた。さらに奥さんの誕生日に花束を贈った。ここで残ったのはふたり。
次は金銭的にハードルが高くなって、ちょっと言えないバイトして、指輪を二個買ってプレゼントした。一個は受取してくれなかったので、生まれて初めて質屋に持って行った。半値になって、泣きそうになった。
そしてついにプロデューサーの旦那へアプローチ。地下ドルから奥さんが金品を受け取っていたよね、と脅し、じゃなくて、説得して、タミフルはこれまで投資した以上の枕を買ってもらった。
無論、利息的な枕営業サービスはしたけどね。やがて、センターポジションも手にすることができたのは、実力だけどね。
「さあ、枕の売上高を発表しようかと思ったけど、かわいそうだから、やめとくね~。バトルはタミフルの完勝!文句ないね~?」
「あるわけないでしょ!」
「じゃあ、アイドルをやめちゃうということだね~。でも安心していいよ~。新人ですぐにやめちゃう子は、たくさんいるから~。」
「そ、そうだったかしら。忘れてたから、この賭けは無しでいいわよね。てへっ。」
「そ~だね~。忘れちゃってなら仕方ないね~。・・・。なんてことあるか!約束はちゃんと守ってもらうからね~。」
急にシビアな顔になったタミフル。アイドルからは最も遠い表情になっている。
「ほ、本当にやめなくちゃいけないの?アイドルじゃなくなったら、アタシの願いはどうなるの、朋樹のことをあきらめなきゃいけないの?」
必死に泣き顔にならないようにする千紗季は、ピカソの泣く女よりも歪んでいる。
一方ふんぞり返っていたタミフルのところに、付き人が声をかけてきた。
さらにタミフルの行列で、前から二番目にいるフードをかぶった人が千紗季の方を一瞥した。
付き人からの伝言を聞くと、タミフルは千紗季に一言発した。
「バトルは引き分けだよ~。」
そのまま、タミフルは自分の持ち場である長い机に戻った。
「あ、あ、あ。」
二の句が継げない千紗季であった。
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