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第二章

第十一部分

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すでに、幼女ハンター野獣と化している憂果莉。そのままるとに口泡吹き出しながらハグシフト。
「ええい、うっとおしいわ。こうしてくれる。ワシの必殺技じゃ!」
幼女は怒った顔から、とろけたアイスクリームのような表情に変わり、人差し指を軽くくわえて、上目遣いになった。さらに小さな体をしならせている。
「おねえちゃ~ん。るとは、るとって言う名前なの。るとはぁ、なでなでされるのが大好きなのぉ。」
上目遣いの目をキラキラさせた上に瞬たせた。
「うひゃあ~!しゃぶしゃぶ~!」
憂果莉は、るとの頭をなでなで、いやおさわりバー状態で、ベタベタし、さらに大きく口を開けて舐めまわす構えである。
「うわ~い。おねえちゃん、るとのこと、好きなんだ?もっと、したいことしていいよ。ど、どうしてもって言うなら、あんなこともおっけー、なんだからね~。」
「ドキン、ドキン、ドキン。あんなことも?つまりそんなことも、こんなことも、いいってことです?ぶわあ~!」
完全にビースト化した憂果莉が両腕を鎌のようにして、るとに襲いかかった。るとのアタマを押さえて、舐めまわした憂果莉。
「ハアハアハア、プシュー。」
憂果莉は事切れて、突っ伏した。
「私は、し、幸せでした。もう思い残すことはありません。バタン。」
「ほれ、ゲームオーバーじゃ。ふふん。」
得意げに軽く鼻を鳴らしたると。
「暑苦しいのが、倒れたところで、冷静に話をするかのう。おぬしが来た理由はわかっておる。ずっと一緒だったんじゃからな。」
「やっぱり、お人形だったのね。しゃべり方がまったく一緒だったから。」
「さすが、わかっておったか。つまりナギナギはワシの手のひらで泳がされていたわけじゃ。」
「うん、ぐるぐる~。」
「何をする⁉あぶないじゃろ!」
「今はお人形がアタシの腕で踊らされてるよ。」
凪河は、るとをそばにあった丸椅子に乗せてぐるぐると回転させている。
「こら、やめい~!これは散々アタシで遊んだことのお礼よ。十分に味わってね。」
「うひゃああ~。」
百回以上は優に回転して、ようやく解放されたると。
「げ~。」
るとが何を食べたのか、形がしっかり残存しており、実証可能だった。
「さあ、いろいろ吐いてもらうわよ。今、それをやったばかりじゃ!ドSじゃったとは気づかなかったわ。」
「どうして警察モドキがヤクザの中にいるのよ?」
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