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第一章
第十六話
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翌日、部屋で漫然とベッドに横たわっている楡浬。何もしない生活にも慣れていた。
(おい、楡浬。あまりにもダラダラし過ぎじゃないのか。牛になるのを通り越して、ステーキ肉になってるぞ。)
「別にいいわよ。何もしなくても贅沢三昧できるなんて、悪魔的にニートだわ。ニートがこんなに幸せだったなんて、もっと早く気づくべきだったわ。ニート専門学校に通う積極的な意思に欠けていた自分を恥ずかしく思うわ。」
(そんな学校あるか!それにニートは学校に通わないからこそ、ニートを全うできるんだろうが。)
「あああ。ニート全イベントをコンプリートしたいわ。」
(何もしないニートに、コンプリートもクソもあるか!)
「そろそろ、メインディッシユを食べに行くかの?」
「この部屋は、涎掛け幼児の迷子センターに変わったのか?それにドアは閉めていたはずだが、どうやって入った?」
「ヘンタイ人形のクセに口の減らんヤツじゃ。その口に涎とやらを口移しして塞いでやろうか?」
(幼女キスはノーカウントだからな。)
「M1なら一回戦で敗退の漫才だわ。見たくないからスイッチ切るわよ。」
「そうそう邪険にするな。これから天国に近いところに連れてってやるから。」
「そこ、おいしいの?」
(楡浬。三輪車幼女の口車にハマるんじゃない。脱輪必至だぞ。)
「あたちの三輪車はハイスペックで自動走行可能じゃ。操作ミスもあり得ん。」
(そういうことを言ってるんじゃねえ。)
「大悟。いいよ。何もしない前提で、体を動かさないまま、どこかに行けるんなら、それでもいいわ。」
「よし。変態人形の本体の許可が出たんじゃから、すぐに行くぞ。ここから飛ぶぞ!」
「面白いじゃん。」
『ガシャ~ン!』
(いてえ!危ない!)
三輪車は部屋の窓ガラスを割って外に飛び出した。
「絶景だわ!ちびりそう、悪魔の血を!」
(際どいことを口走るな!)
三輪車はホテルの上を旋回した後、遠くへ飛び出した。三輪車支配人は下を見て何かを探しているようだった。
「あれがよいな。下拵えも終わり、調理する段階じゃな。それっ。」
三輪車は13階建ての古いビルの上空に飛び、そのまま滞空した。
「屋上の端に誰か立ってるわね。サラリーマン?涼んでいるのかしら。」
(違うぞ。顔色は真っ青だし、ネクタイも緩んでいる。目つきも虚ろだ。それにうわごとで、『俺の先に道はない。愛する空間に抱きしめてもらうよ。』って言ってるぞ。)
「よくあんな遠いところの声が聞こえるわね。」
(これでも天使だ。悪魔とは聴力レベルが違うんだ。)
「それ。降りるぞ。ちゃんとつかまってるんじゃぞ。」
「それなら、お約束を果たさないとね。こちょこちょ、胡蝶蘭。」
「ゴロゴロ、ゴロゴロ~。」
「あわわわ。落ちるって、何回目だ!」
『ガシャーン!』
「いてえ!」
今度は回転しながら、ビルの屋上に激突した。
「いい加減にせんか。命がバナナの叩き売りになっておるわ。ゴロゴロ~。」
(顎を突き出して、おねだりしながらクレームをつけるな!オレはひたすら、とばっちりを享受するだけの傀儡なんだからな。)
大悟たちが騒いでいるうちに、サラリーマンはビルの端のストッパー壁の上に立った。
「もはやこれまでだ。」
(おい、楡浬。あまりにもダラダラし過ぎじゃないのか。牛になるのを通り越して、ステーキ肉になってるぞ。)
「別にいいわよ。何もしなくても贅沢三昧できるなんて、悪魔的にニートだわ。ニートがこんなに幸せだったなんて、もっと早く気づくべきだったわ。ニート専門学校に通う積極的な意思に欠けていた自分を恥ずかしく思うわ。」
(そんな学校あるか!それにニートは学校に通わないからこそ、ニートを全うできるんだろうが。)
「あああ。ニート全イベントをコンプリートしたいわ。」
(何もしないニートに、コンプリートもクソもあるか!)
「そろそろ、メインディッシユを食べに行くかの?」
「この部屋は、涎掛け幼児の迷子センターに変わったのか?それにドアは閉めていたはずだが、どうやって入った?」
「ヘンタイ人形のクセに口の減らんヤツじゃ。その口に涎とやらを口移しして塞いでやろうか?」
(幼女キスはノーカウントだからな。)
「M1なら一回戦で敗退の漫才だわ。見たくないからスイッチ切るわよ。」
「そうそう邪険にするな。これから天国に近いところに連れてってやるから。」
「そこ、おいしいの?」
(楡浬。三輪車幼女の口車にハマるんじゃない。脱輪必至だぞ。)
「あたちの三輪車はハイスペックで自動走行可能じゃ。操作ミスもあり得ん。」
(そういうことを言ってるんじゃねえ。)
「大悟。いいよ。何もしない前提で、体を動かさないまま、どこかに行けるんなら、それでもいいわ。」
「よし。変態人形の本体の許可が出たんじゃから、すぐに行くぞ。ここから飛ぶぞ!」
「面白いじゃん。」
『ガシャ~ン!』
(いてえ!危ない!)
三輪車は部屋の窓ガラスを割って外に飛び出した。
「絶景だわ!ちびりそう、悪魔の血を!」
(際どいことを口走るな!)
三輪車はホテルの上を旋回した後、遠くへ飛び出した。三輪車支配人は下を見て何かを探しているようだった。
「あれがよいな。下拵えも終わり、調理する段階じゃな。それっ。」
三輪車は13階建ての古いビルの上空に飛び、そのまま滞空した。
「屋上の端に誰か立ってるわね。サラリーマン?涼んでいるのかしら。」
(違うぞ。顔色は真っ青だし、ネクタイも緩んでいる。目つきも虚ろだ。それにうわごとで、『俺の先に道はない。愛する空間に抱きしめてもらうよ。』って言ってるぞ。)
「よくあんな遠いところの声が聞こえるわね。」
(これでも天使だ。悪魔とは聴力レベルが違うんだ。)
「それ。降りるぞ。ちゃんとつかまってるんじゃぞ。」
「それなら、お約束を果たさないとね。こちょこちょ、胡蝶蘭。」
「ゴロゴロ、ゴロゴロ~。」
「あわわわ。落ちるって、何回目だ!」
『ガシャーン!』
「いてえ!」
今度は回転しながら、ビルの屋上に激突した。
「いい加減にせんか。命がバナナの叩き売りになっておるわ。ゴロゴロ~。」
(顎を突き出して、おねだりしながらクレームをつけるな!オレはひたすら、とばっちりを享受するだけの傀儡なんだからな。)
大悟たちが騒いでいるうちに、サラリーマンはビルの端のストッパー壁の上に立った。
「もはやこれまでだ。」
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