特売フイギュアワゴンの中に手を入れたら、人生変わるので注意してください。

木mori

文字の大きさ
34 / 70
第三章

第五話

しおりを挟む
「委員長。肩が重たいんですけど。そろそろ業務停止していただけませんこと?」

「はっ!恥ずかしい!」
 委員長は熱い油のように飛び跳ねて、大悟の体から離脱した。そして、足を内股にして、モジモジしていた。
しかし、手のひらに『あれは悪魔だ、悪魔だ、あくまで悪魔だ!』と百回書いて一気に飲み込んだ。さらに、両眼帯を引っ張って、大きく伸ばして、顔にブチンと当てた。

「委員長。両目のフチが真っ赤に腫れましたわ。痛くないですの?」

「痛いよ!でも目が覚めたよ。いくら中の人が宇佐鬼大悟だとしても、その燦然と輝かないド貧乳を目の当たりにして、この前の約束を思い出したよ。」

(失礼ね。この胸のどこが輝きを持たないって言うのよ?)

「楡浬。そこで戦うのは解決困難で迷宮入りした事件をほじくり返すようなものですわ。もっと建設的な議論を行いましょう。」

(ひどくムカつくんだけど、後にとって置くわよ。アタシが本体復帰するまで忘れないでよね。)

「いいですわよ。それでは委員長。ド貧乳対決の続きをやりましょう。これでオレが勝ったら、ここの生徒として認めていただけますか。」

「いいだろう。代わりにあたいが勝ったら、お前はこの学校を去る、サルベージ船に乗って沈む孤独なサル。あたい、ウマい!プププ。」
 笑っていた委員長は表情を変えてフィギュア楡浬を見つめた。

「あたいの気持ちは変わらないよ。ド貧乳女が中大兄皇子だとしても。」 
 
(どこからそんな固有名詞を出してくるのよ?)

「中大兄皇子は普通名詞だよ。『大兄』とは、同母兄弟の中の長男に与えられた皇位継承資格を示す称号で、『中大兄』は二番目の大兄って意味だし。」

(そんなことはどうでもいいのよ。お兄ちゃんを皇子、もとい王子様扱いするというのは、いったいどういう了見なのよ?)

「別に意味は・・・あるけどないよ。」

(あるんじゃない!)

「でも意味を語ることはやらない。それよりも戦いの方式は、授業の中でやるよ。時間ももったいないし。」

(どの授業なのよ?)

「体育だよ。それにバトル相手は悪魔だよ。」

(ならばアタシがお相手するわ。)

「違うよ。ターゲットは中大兄皇子だよ!バトルは精神じゃなく肉体で行うんだから、そのボディであたいに立ち向かってきな!」

「お兄ちゃん、アンちゃん委員長の口車に乗っちゃダメだよ。」
 止める桃羅を両手で制した大悟。

「構いませんわ。この体がどこまで天使に通用するのか試したいですわ。ズダ袋のようになっても耐えてみせますわ。」

(アタシの体に無茶するな~!)
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~

菱沼あゆ
キャラ文芸
 突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。  洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。  天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。  洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。  中華後宮ラブコメディ。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

処理中です...