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第一章

第三十九部分

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「それが外せないから問題なのデス。」
「でもあたしのは、簡単に外せるわよ。第一、外せないと食事とか歯磨きとか顔洗いとか日常生活に支障があるじゃない。」
「オブシディアンさんは初心者だからそれでよいのデス。」
「でも1号たちは、これを外すと、こうなるのデス。」
マスクを外しても同じ顔がそこにあった。
「ちょっとフェイスペインティングって、イタズラ好きなの?」
「イレズミデス。これが罪の証しデス。魔法少女狩りに遭えばこのイレズミを彫られてしまいますデス。キレーデス。ううう。」
ヴァーティが高原の顔に捕らわれているうちに、魔法少女ハンターたちが襲ってきた。ボコボコにしたわけではないが、激しくガスをぶちまけて、ゴールドマスクガールたちもほとんど膝を屈している。違う種類のガスが撒かれたようである。
「こんな危機的状況で井戸端会議とか、ずいぶんと余裕だな。」
幼児服のしおんは、絵描きノートで自分に風を送り、余裕を見せつけている。
『ドドドド!』
複数のバイクがけたたましい音を轟かせながら、魔法少女ハンターたちを蹴散らしていく。バイクに乗っているのはモヒカン集団である。
「反政府組織の反抗なのか?こんなの、みたことないぞ。」
魔法少女ハンターは、魔法少女専用に組まれた部隊であるため、ガチンコの肉体的バトルには向いてないのである。結局、魔法少女ハンターたちはタジダジとなり、一目散な撤退を余儀なくされた。
テロリストのリーダーらしき人物がくたびれている高原と何事か喋った。その直後、リーダーらしき人物は呆けていたヴァーティのところにゆっくりと歩み寄った。

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