44 / 53
第一章
第四十三部分
しおりを挟む
警備隊の運転している白と黒で塗装されたパトカーには、天井に赤い警報器が付いている。ボディーには、警視庁と横に書かれている。これはテロリスト対策で人間界からの払い下げられたものだが、警備隊はヴァーティのように、人間界の自動車教習所に通ったわけではなく、運転は初心者マークで苦手なのである。
「ひどい動きだな。これなら小学生の運動会に、オリンピック代表が出場するようなものだな。」
アーマダラフィアン、通称アーミーは、余裕の表情で、タバコをくゆらせるようにバイクを走らせた。
他のバイクも追随して、パトカーの回りで弧を描きながら、ムチ打っている。魔力で強化されたムチでボディーにはキズをつけているが、大したダメージにはなっていない。
パトカーはひっくり返された亀の子のようにジタバタしていたが、少しずつ慣れてきて、バイクからのムチ攻撃を回避できるようになっていた。
「実戦は始めてだったので、少々手こずったが、逮捕ショーの幕開けはこれからだ。」
警備隊リーダーはパトカーの後方でニヤリとした。
パトカーは窓から腕を伸ばして拳銃を使う余裕が出てきた。
『ズドン、ズドン!』
ただの銃声ではないことは誰の目にもわかる。凶弾という表現は正義の警備隊には似つかわしくないが、撃たれる側にはそのようにしか取れない。
「ぐああ!」
凶弾はテロリストのツナギに穴を開けて噴き出す血液の通り道を作った。ムチを手から放し、バイクから落ちて芋虫のような動きをしているテロリスト。
『ズドン、ズドン!』
「ぐあああ!」
警備隊の攻撃は容赦なくテロリストを弱者認定していく。凶弾は魔力を帯びており、ターゲットへの追尾性能と破壊力はただのピストルとは異次元の存在である。
テロリストのツナギも魔法で防御力が強化されたものであるが、それを打ち破って、テロリストにダメージを与えていた。
ここまで優勢だったテロリストは土俵際に追い込まれていた。
バイクに乗っているのはリーダーのアーミーだけだった。
全パトカーがアーミーの前に並んだ。もちろん全員が拳銃をアーミーに向けてトリガーを引きたくて涎を垂らしている。
「ひどい動きだな。これなら小学生の運動会に、オリンピック代表が出場するようなものだな。」
アーマダラフィアン、通称アーミーは、余裕の表情で、タバコをくゆらせるようにバイクを走らせた。
他のバイクも追随して、パトカーの回りで弧を描きながら、ムチ打っている。魔力で強化されたムチでボディーにはキズをつけているが、大したダメージにはなっていない。
パトカーはひっくり返された亀の子のようにジタバタしていたが、少しずつ慣れてきて、バイクからのムチ攻撃を回避できるようになっていた。
「実戦は始めてだったので、少々手こずったが、逮捕ショーの幕開けはこれからだ。」
警備隊リーダーはパトカーの後方でニヤリとした。
パトカーは窓から腕を伸ばして拳銃を使う余裕が出てきた。
『ズドン、ズドン!』
ただの銃声ではないことは誰の目にもわかる。凶弾という表現は正義の警備隊には似つかわしくないが、撃たれる側にはそのようにしか取れない。
「ぐああ!」
凶弾はテロリストのツナギに穴を開けて噴き出す血液の通り道を作った。ムチを手から放し、バイクから落ちて芋虫のような動きをしているテロリスト。
『ズドン、ズドン!』
「ぐあああ!」
警備隊の攻撃は容赦なくテロリストを弱者認定していく。凶弾は魔力を帯びており、ターゲットへの追尾性能と破壊力はただのピストルとは異次元の存在である。
テロリストのツナギも魔法で防御力が強化されたものであるが、それを打ち破って、テロリストにダメージを与えていた。
ここまで優勢だったテロリストは土俵際に追い込まれていた。
バイクに乗っているのはリーダーのアーミーだけだった。
全パトカーがアーミーの前に並んだ。もちろん全員が拳銃をアーミーに向けてトリガーを引きたくて涎を垂らしている。
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。
ご都合主義のハッピーエンドのSSです。
でも周りは全くハッピーじゃないです。
小説家になろう様でも投稿しています。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる