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第二章
第三十九部分
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数時間が経過して、悲痛な顔をした美散とエロザは工房から出てきた。魔法使いの老婆は、満面の笑みでふたりの後ろをついて来た。
「おい、そこの患者よ。早く出てきな。魔法という名の精神手術で、お主の心の奥底に沈められていた何かを引き出してやったぞ!」
野球帽を目深にかぶり、表情は見えない巨人がのっそりと姿を見せた。
「初めて男子でデカいのを作ったぞ!」
玲駆は帽子を上にあげて、精悍な顔を美散に見せた。
「大きくなって良かったなあ。それじゃあ、スポーツマンらしく、約束を果たそう。俺はお前が好きだ。付き合ってくれ!」
「ううう。レイちゃん、その言葉を待ってたよ。それにあたしと同じサイズになってくれて、これでもう何の障害もないよ。わあああ~。」
玲駆の元に走り出した美散。いや美散だけでなく、巨人軍、半巨人も玲駆のところに駆け寄った。それも我先にと、猛ダッシュである。
「巨人の男子があたいたちに告白してくれたよ!」
ランボウの声を皮切りに、巨人軍、半巨人たちは、玲駆が自分たちに告白したと理解した。玲駆の言葉を聞くと、そう受け取ってもおかしくはない。『お前』という言葉は恋して盲目になった女子には、自分に対するものと信じてしまう呪文である。
玲駆は巨人軍、半巨人、美散も含めて、もみくちゃ、かつ玲駆取り合いになった。
「こうなったら、誰が巨人男子をゲットするか、試合で決めよう!」
ランボウの宣言により、試合が開始された。
巨人軍と半巨人の選手たちも快やの声を上げて集まってきた。
「よし、これならナッキーでも交配なるぞ。巨大玲駆という城を奪るなり。敵は本能痴にあり~。ですっ!」
ナッキーはカブキモードになっていた。
「ナッキーさん、試合の時よりも、本気モードになってるよ!」
始まったのはベースボールではなく、『玲駆狩猟ゲーム』であった。
選手全員の目が、野球ならぬ野獣のように血走っていた。
「おい、そこの患者よ。早く出てきな。魔法という名の精神手術で、お主の心の奥底に沈められていた何かを引き出してやったぞ!」
野球帽を目深にかぶり、表情は見えない巨人がのっそりと姿を見せた。
「初めて男子でデカいのを作ったぞ!」
玲駆は帽子を上にあげて、精悍な顔を美散に見せた。
「大きくなって良かったなあ。それじゃあ、スポーツマンらしく、約束を果たそう。俺はお前が好きだ。付き合ってくれ!」
「ううう。レイちゃん、その言葉を待ってたよ。それにあたしと同じサイズになってくれて、これでもう何の障害もないよ。わあああ~。」
玲駆の元に走り出した美散。いや美散だけでなく、巨人軍、半巨人も玲駆のところに駆け寄った。それも我先にと、猛ダッシュである。
「巨人の男子があたいたちに告白してくれたよ!」
ランボウの声を皮切りに、巨人軍、半巨人たちは、玲駆が自分たちに告白したと理解した。玲駆の言葉を聞くと、そう受け取ってもおかしくはない。『お前』という言葉は恋して盲目になった女子には、自分に対するものと信じてしまう呪文である。
玲駆は巨人軍、半巨人、美散も含めて、もみくちゃ、かつ玲駆取り合いになった。
「こうなったら、誰が巨人男子をゲットするか、試合で決めよう!」
ランボウの宣言により、試合が開始された。
巨人軍と半巨人の選手たちも快やの声を上げて集まってきた。
「よし、これならナッキーでも交配なるぞ。巨大玲駆という城を奪るなり。敵は本能痴にあり~。ですっ!」
ナッキーはカブキモードになっていた。
「ナッキーさん、試合の時よりも、本気モードになってるよ!」
始まったのはベースボールではなく、『玲駆狩猟ゲーム』であった。
選手全員の目が、野球ならぬ野獣のように血走っていた。
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