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しおりを挟むすべては俺のお腹の音から始まった。
ぐううぅぅ
そういえばお腹減ったな……洞窟に情けなく響いたお腹の音で、数週間、いや数か月間なにも口にしてなかったことを思いだした。あんまり食べなくても生活できるからついつい忘れがちだ。そもそも美味しさみたいなのにこだわりがないのも原因かもしれないけど。
結局、腹持ちが良ければなんでもいいのだ。うんうん。食べれるだけでありがたい……ってそんなスタンスだから毎回極限状態になる寸前までご飯を食べ忘れちゃうんだけどね。
よっこらしょ、なんて言いながら重い腰を上げる。我ながらじじくさいなんて思わなくはないけど、実際歳で言ったら立派なおじいさんだからしょうがないよね。
ぼーっと地べたに座っていたせいで身体じゅうカチコチだ。まずは大きく伸びをひとつ。ついでにぽきぽきと首も回す。うん、だいぶスッキリしたな。
ゆっくりと体を伸ばすように歩きながら、お気に入りの洞穴から抜けていつもの狩場へと向かった。
季節が動いてまた春に近づいてきたみたいで、外は割と暖かかった。雪も随分解けてきていて、向こうの方には芽みたいな物も見える。ちょうどいいタイミングだ、今日は山菜パーティーにしよっかな。
――そんなことを考えていた時だった。
ガサッ
どこからか茂みを揺らす音がする。動物たちが目覚めるにはまだ早いはずだけどなぁ。まさか、誰かいる? ……って、そんなわけないか!
なんてったって、俺以外の誰かを最後に見たのはいつだったか、思い出すのも難しいくらい前なんだからね。同じ食人鬼だったらまだしも、ニンゲンなんて見かけた日にはこの森を捨てなきゃいけなくなる。
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