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第1話
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降りるとすぐに電車は行ってしまい、女性は目の前のベンチに腰を下ろして、僕にも座るよう手招きした。
「ありがとうございます。荷物持ってもらって…」
改めて御礼を言うと、女性はにっこり微笑んだ。
しかし、笑顔というより苦笑に近い表情をしている。
「重いですね」
「あ、すみません」
クラブ鞄は中に練習着やら何やらいろいろ入っていて、何となく重い。
通学鞄は革製で、鞄自体重い。
女性自身もバッグや荷物を持っていて、女性がずっと全部一人で持っていると、そのうち肩こりを発症してしまうかもしれない。
見た目がきゃしゃな女性にとっては、車内からここまで全部持ってきただけでも重労働のはずだ。
そのためか、女性は少し息が切れていた。
でも少し休憩するとすぐに立ち上がり、ベンチの真横にある自動販売機で飲料水を買って、僕に手渡した。
「あ、ありがとうございます」
「さっき汗をかいていたから、水分補給しないと頭痛治らないですよ」
女性はベンチに座りながら言った。
初対面の相手に、そこまで気を遣ってくれる人も珍しい。
僕はその気遣いを無駄にしないように、気持ちが悪い事をグッと我慢して飲んだ。
女性は自分の分は買っておらず、座って前方を見つめている。
そういえば…僕は女性を見て、ある事に気がついた。
「ありがとうございます。荷物持ってもらって…」
改めて御礼を言うと、女性はにっこり微笑んだ。
しかし、笑顔というより苦笑に近い表情をしている。
「重いですね」
「あ、すみません」
クラブ鞄は中に練習着やら何やらいろいろ入っていて、何となく重い。
通学鞄は革製で、鞄自体重い。
女性自身もバッグや荷物を持っていて、女性がずっと全部一人で持っていると、そのうち肩こりを発症してしまうかもしれない。
見た目がきゃしゃな女性にとっては、車内からここまで全部持ってきただけでも重労働のはずだ。
そのためか、女性は少し息が切れていた。
でも少し休憩するとすぐに立ち上がり、ベンチの真横にある自動販売機で飲料水を買って、僕に手渡した。
「あ、ありがとうございます」
「さっき汗をかいていたから、水分補給しないと頭痛治らないですよ」
女性はベンチに座りながら言った。
初対面の相手に、そこまで気を遣ってくれる人も珍しい。
僕はその気遣いを無駄にしないように、気持ちが悪い事をグッと我慢して飲んだ。
女性は自分の分は買っておらず、座って前方を見つめている。
そういえば…僕は女性を見て、ある事に気がついた。
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