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第3話
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「あれから一週間かぁ」
居間のソファーに寝転びながら、そんな言葉が口に出た。
帰宅し、食事を終えた後、僕は無気力状態になっていた。
ところで、僕は何で女性と電車で会う事に必死になってしまったんだっけ?
恩人とは言え、他人である事に違いはない。
僕にしたら印象深い人でも、女性にしたら僕は単なる高校生なのかもしれない。
もしかしたら、女性は僕の姿を見つけていても声を掛けていないだけかもしれない。
そうだ、僕と女性はもう何の関係もないんだ。
幸いハンカチはちゃんと返せたし、改めてお礼を言う事もできた。
女性の話も聞き残した事はない。
あの時、女性がわざわざN駅に降りて話をしてくれたのは、あの日で僕と関わるのを最後にしようと思ったからかもしれない。
だからあの日以来、僕は女性と会わないんだ。
根拠はないが、そう思うとつじつまが合う。
そうか、そうだったんだ。
確信はないが、僕は妙に納得してしまった。
ピンポーン。
玄関の呼び鈴が鳴った。
ちょうど僕の思考の終了を告げるかのように。
「今手離せないから、あんた出てちょうだい」
洗い物を片付けながら、母親が言う。
僕は横になった体を起こし、玄関に向かった。
居間のソファーに寝転びながら、そんな言葉が口に出た。
帰宅し、食事を終えた後、僕は無気力状態になっていた。
ところで、僕は何で女性と電車で会う事に必死になってしまったんだっけ?
恩人とは言え、他人である事に違いはない。
僕にしたら印象深い人でも、女性にしたら僕は単なる高校生なのかもしれない。
もしかしたら、女性は僕の姿を見つけていても声を掛けていないだけかもしれない。
そうだ、僕と女性はもう何の関係もないんだ。
幸いハンカチはちゃんと返せたし、改めてお礼を言う事もできた。
女性の話も聞き残した事はない。
あの時、女性がわざわざN駅に降りて話をしてくれたのは、あの日で僕と関わるのを最後にしようと思ったからかもしれない。
だからあの日以来、僕は女性と会わないんだ。
根拠はないが、そう思うとつじつまが合う。
そうか、そうだったんだ。
確信はないが、僕は妙に納得してしまった。
ピンポーン。
玄関の呼び鈴が鳴った。
ちょうど僕の思考の終了を告げるかのように。
「今手離せないから、あんた出てちょうだい」
洗い物を片付けながら、母親が言う。
僕は横になった体を起こし、玄関に向かった。
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