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3.いつでも一緒
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「ないない」
やっぱり楽天家には何を言っても無駄か。
「お前、作者がそんな意地悪に見えるか?超平和主義の作者だぞ?」
ダメだ。
兄キはNキャラで感覚が麻痺してしまっている。
そんな兄キに天罰が下ったのか、学校に到着すると黒板には『本日持ち物検査』の文字が。
不要品を持っていた兄キは、言うまでもなく生徒指導室へと連れ去られていった。
「一真-!!」
数十分後、兄キは教室へ慌てて戻ってきた。
手に持っている通学鞄はペシャンコになっている。
「どうした?兄キ」
「Nキャラ、荷物検査に引っかかって没収された」
「ほら見ろ。作者をバカにするからだぞ」
って、ツッコミどころがそこではない気がするが。
「だいたい学校に不要品を持ってくるのが悪いんだよ」
「Nキャラのどこが不要品だって言うんだ」
「じゃあ何に使うんだよ」
「授業の黒板写すのに疲れたら、Nキャラの手を握るとリラックスできるだろ?」
「知らねーよ」
確かにNキャラは触り心地の良い素材だったけど!
「とにかくNキャラは取られた。オレはこの先どうしたらいいんだ」
兄キは没収されたNキャラのことを思うと胸が痛むようで、泣きべそをかいている。
その純粋な気持ちがぬいぐるみじゃなく人間に向いたらいい青春を送れそうなんだけどな。
「先生に謝って返してもらえば?」
「一応二度と持ってこないことを条件に、放課後返してくれることになってる」
「じゃあいいじゃん」
返してくれることを約束されているのに、何の不満があるというんだ。
というか、返してもらえるだけありがたいと思えよ。
うちの学校は『没収されたら返ってこない』が一般的だからな。
しかしそれでも兄キは不満らしい。
「ダメだ!オレはNキャラ命なんだからな!」
「持ち物検査でうまく隠せなかったやつが威張って言うな」
そういうのはNキャラに対して何の落ち度もないやつが言えるものだ。
没収されている兄キにそんな権利はない。
「兄キ、没収されたことクスミには言うなよ?」
「何で?」
「言ったらイメージダウンだろ。大切にしてない証拠だ」
「いや、大切にしてるからこそ没収されたんだよ」
いや、やっぱりわかってないな。
でも兄キの言う意味もわからなくはない。
「言いたいことはわかるけど、兄キの気持ちが理解できるほど心広い人ばかりじゃないから」
「そうか」
「とりあえずクスミに会ってもさっきのことは言うなよ?」
「わかったよ」
話もひとまず一段落ついたので、オレたちはトイレに行こうと教室を出ようとした。
すると下を向いていたオレの視線の先に女の足が映った。
やっぱり楽天家には何を言っても無駄か。
「お前、作者がそんな意地悪に見えるか?超平和主義の作者だぞ?」
ダメだ。
兄キはNキャラで感覚が麻痺してしまっている。
そんな兄キに天罰が下ったのか、学校に到着すると黒板には『本日持ち物検査』の文字が。
不要品を持っていた兄キは、言うまでもなく生徒指導室へと連れ去られていった。
「一真-!!」
数十分後、兄キは教室へ慌てて戻ってきた。
手に持っている通学鞄はペシャンコになっている。
「どうした?兄キ」
「Nキャラ、荷物検査に引っかかって没収された」
「ほら見ろ。作者をバカにするからだぞ」
って、ツッコミどころがそこではない気がするが。
「だいたい学校に不要品を持ってくるのが悪いんだよ」
「Nキャラのどこが不要品だって言うんだ」
「じゃあ何に使うんだよ」
「授業の黒板写すのに疲れたら、Nキャラの手を握るとリラックスできるだろ?」
「知らねーよ」
確かにNキャラは触り心地の良い素材だったけど!
「とにかくNキャラは取られた。オレはこの先どうしたらいいんだ」
兄キは没収されたNキャラのことを思うと胸が痛むようで、泣きべそをかいている。
その純粋な気持ちがぬいぐるみじゃなく人間に向いたらいい青春を送れそうなんだけどな。
「先生に謝って返してもらえば?」
「一応二度と持ってこないことを条件に、放課後返してくれることになってる」
「じゃあいいじゃん」
返してくれることを約束されているのに、何の不満があるというんだ。
というか、返してもらえるだけありがたいと思えよ。
うちの学校は『没収されたら返ってこない』が一般的だからな。
しかしそれでも兄キは不満らしい。
「ダメだ!オレはNキャラ命なんだからな!」
「持ち物検査でうまく隠せなかったやつが威張って言うな」
そういうのはNキャラに対して何の落ち度もないやつが言えるものだ。
没収されている兄キにそんな権利はない。
「兄キ、没収されたことクスミには言うなよ?」
「何で?」
「言ったらイメージダウンだろ。大切にしてない証拠だ」
「いや、大切にしてるからこそ没収されたんだよ」
いや、やっぱりわかってないな。
でも兄キの言う意味もわからなくはない。
「言いたいことはわかるけど、兄キの気持ちが理解できるほど心広い人ばかりじゃないから」
「そうか」
「とりあえずクスミに会ってもさっきのことは言うなよ?」
「わかったよ」
話もひとまず一段落ついたので、オレたちはトイレに行こうと教室を出ようとした。
すると下を向いていたオレの視線の先に女の足が映った。
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