妄想日記2<<BEGINS>>

YAMATO

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Chapter3(臥籠編)

Chapter3-⑩【Answer】

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「ジョージか?」
中から覗いたのは見覚えのある顔だった。
「スバル!どうしてここに?」
素っ頓狂な声をあげる。
「イオリこそ!
俺は毎年、マスターズ前はここで合宿してるんだ。
まあ、中に入れよ。」
汗を滴らせたスバルが中に招き入れてくれた。
見違える程絞った後ろ姿を見入る。
上半身は裸体で、大量の雄汁が染み込んだビルパンを穿いていた。
真っ黒に焼けた筋肉は大会間近を感じさせる。
「で、イオリはジョージに用か?
今はジムで勤務中だぜ。」
タオルで汗を拭いながら、スバルはペニスのポジションを直す。
身体が熱くなるのが分かる。
「別に用と言う訳でもないんだ。」
イオリの視線は自然とケージへ向く。
「ヨウは元気か?」
スバルが話題を変えた。
「うん、元気だよ。
身体も一回りデカくなった。」
イオリは混沌とした気持ちで答える。
ジョージがいないと知って、気が抜けた。
しかし身体はケージを渇望している。
頭と身体が完全に分離していた。
「ジョージならもうすぐ戻ると思うけど。」
気持ちを察したスバルが言う。
「別にジョージでなくてもいいんだ。」
イオリは強がる。
「なら何でここに来たんだ?」
スバルは跪き、股間に顔を埋めてきた。
その疑問を自分自身に問い掛ける。
求めているのはジョージ?ゴウ?それとも?
イオリの視線がゲージを捕らえた。
それがイオリの出したひとつのAnswerだった。
 
スバルがビルパンを脱ぐ。
焼け跡ひとつない黒光りした尻が鏡に映る。
「あの中でやらやないか?」
イオリがケージを指差す。
「マジかよ?俺、閉所恐怖症なんだ。」
気乗りしないスバルを無理矢理連れて行く。
ところがゲージは施錠されていた。
「鍵を知らない?」
イオリは人格が変わった様に詰問する。
「し、知らねぇよ!」
スバルが狼狽した。
鏡に映った自身の目付きがおかしい。
早く入らないと、凶暴な獣に襲われそうな強迫概念に駆られた。
「鍵はどこなんだよ!
イオリは入りたいんだ!」
スバルの肩を掴むと、大きく揺らす。
「おい、どうしたんだ?
お前、おかしいぞ!」
怯えるスバルに胸を突かれた。
バランスを崩しケージを掴もうと手を伸ばすが、指先は空を切る。
イオリは転倒し、後頭部を激しく打った。
踞りながら頭を摩るが、視点が定まらない。
視界がぐるぐる回り、次第に意識が遠退いていった。
 
身体の揺れで目が覚める。
誰かに背負われている様だ。
生暖かい風が駆け抜ける。
汗っぽい雄の匂いが心地好い。
「気が付いたか?」
ジョージだった。
「うん。」
イオリは顔を思い切り背中に押し付け、ジョージの匂いを胸いっぱい吸い込む。
「来週は来れるか?」
振り向いたジョージと視線が合う。
「俺、あの狭い空間で三日間、イオリと暮らしたいんだ。
頼むよ。来てくれ!」
ジョージが哀願する。
イオリの答えは決まった。
今、風が教えてくれた。
「必ず行くよ。
イオリも待ちきれないんだ。」
首を伸ばし、キスをする。
「マジか!」
ジョージはイオリを背負ったままクルクル回り、喜びを表現した。
「目が回るよ。」
イオリは訴えるが、ジョージは止めない。
「おい、背中に丸太が当たっているぜ。」
息切れしたジョージの動きが止まった。
「来週まで我慢出来るか?」
ジョージは一度イオリを宙に浮かし、背負い直す。
「Jの命令ならね。」
イオリはウインクする。
「よし、これからは俺がイオリの射精管理する。
俺が許可するまで射精禁止だ!いいな?」
尻を支えているジョージの手が、スパッツの隙間から侵入してくる。
アナルに到達した指は躊躇なく進入し、掻き回す。
ジョージは固さを増した丸太を背中に感じ、満足した様子だ。
陽気なメロディを口笛で奏でた。
「了解!イオリはJの許可が下りない限り、射精しない事を誓います!」
イオリの宣言が商店街に響いた。
 
 
(完)
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