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東の宮殿への入宮
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王太子の居室がある『東の宮殿』にて王太子コクトー・アガートはナナが引きこもり先の『西の離宮』から出たことを知らされた。
「では、ナナは僕とこの東宮で暮らすの?」
初夜でナナの心が傷ついても無力なコクトーはろくに慰めることもできなくて心配しながら見ているだけだったがコクトーの護衛であり、武術指南役を務めているマックスの尽力でナナはコクトーと暮らす決意をかためたという。
「勘違いするなよ? ナナはマックスのことが気に入ったから東宮に来るんだ。マックスはコクトーの護衛兼武術指南だからな!」
要するに本来ならば王太子が住まう東の宮殿が勤務先であるマックスを度々引きこもり専用である西の離宮に呼びつけるのは申し訳ないとナナが判断して自ら東宮で暮らすと決意した。優秀な軍人であり、厳しさと周囲を思いやる優しさを兼ね備えているマックスのことをナナが認めたというだけでコクトーと新婚生活したい訳ではないらしい。
「コクトー! マックスはお前やナナの子守り役じゃねぇんだよ。近衛隊長でもあるマックスは忙しいんだ。お前が不甲斐ないからマックスの仕事が増える。俺の弟分に負担かけるな! 殺すぞ!?」
このように東の宮殿ではモモが王太子コクトーを罵っているのが日常茶飯事であり、過度な言葉の暴力や物理的アタックをモモがコクトーにしていても誰も気に留めたり心配もしてくれない。王太子付きの従者や侍従や下働きに至るまで清々しいほどスルーしており、モモに対して「ちょっと言い過ぎでは?」と止める者は皆無だ。
唯一の例外がマックスでモモがコクトーに過度な折檻や精神の虐待を行うと、「モモ様、王太子殿下がメンヘラになると俺の仕事が更に増えるので止めてくださいね?」と毒のあるフォローをしてくれていた。
「ナナはマックスになついて東宮に来るんだね。いっそ、僕ではなくてマックスと結婚してほしいよ」
「寝言はくたばってから言え! コクトー、そもそもお前がヘタレだから事態は更に拗れたんだよ! 俺だってお前がマックスみたいに利発な感じならここまで怒鳴らない」
とにかく、東宮にナナが来たら情けない態度をとるなとモモに厳命されていると侍従が緊張した面持ちで「申し上げます。ナナ妃殿下が東の宮殿にご到着でございます」と報告に来た。
「東の宮殿……東宮は王太子の許しがなければ王太子妃であっても入宮はできない。コクトー、ちゃんと凛々しく、威厳をもって、ナナの入宮を許可しろ。できなきゃ殺すからな?」
「わ、わかったよ! ナナをちゃんと迎えるから殺さないで!」
教育係であるモモに脅されながらコクトーは東の宮殿の門で待機しているナナを出迎えに急いだ。
東の宮殿の外ではマックスに付き添われたナナが入宮の許可を得るため待っていたが相変わらず気性の激しい表情で宮殿を睨んでいる。
「チッ! 遅っせーよ! 花嫁が外で待ってんだからスッと出てこいや! マックス、あと1分待ってコクトーが来なかったら東宮の玄関、蹴り飛ばしていいか?」
「コクトー王太子はどんくさいので1分では来ません。扉は頑丈なので蹴り飛ばしても問題ないかと?」
ナナが実のところ緊張していると察しているマックスは強がるナナをリラックスさせようと自由に玄関蹴り飛ばす許可を与えていた。王太子の護衛筆頭が東の宮殿の玄関破壊するの容認している時点で王太子コクトーのヘタレっプリは明らかである。
「おそらく、モモ様に殺すと何度も脅されながらコクトー王太子は参りますので雨に濡れたチワワみたく王太子は震えていてたいへん情けないお姿かと存じますがご了承ください。ナナ妃殿下」
「マックスのコクトーをディスる語彙力はセンスがあるな。初夜の時に俺がコクトーに暴言放って太刀を向けてきたクセにその実、マックスの方が酷いこと言ってるぞ?」
「ドヘタレに何年も仕えていたらディスりたくもなります。ナナ妃殿下、コクトー王太子が情けなく震えていても、それは、ナナ妃殿下に、逢いたくて、逢いたくて、震えてると思ってくださいね」
マックスの台詞がどこかで聴いた歌詞のような状態になってきたとき、東の宮殿の扉が解錠され、コクトーを従えたモモが姿を見せた。普通は逆だろと云うツッコミはあると思うが、誰がどう見ていても、モモの方が主君であり、コクトーは下僕に見えてしまうのだから仕方がない。それくらい王太子なのに壊滅的に威厳がないのがコクトーという少年なのだ。
「王太子コクトー殿下。お出迎えくださり感謝申し上げます。輿入れからの数々の無礼をお許しください」
ナナがマックスに教えられた通りに跪いて、感謝と謝罪の意を伝えるとコクトーはモモの視線と表面的には礼儀正しくしているナナに怯えながらも声を出した。
「東の宮殿にようこそ。ナナ、来てくれて嬉しいよ。ここが君のおうちになるからよろしくね」
このコクトーの言葉でナナは無事に王太子夫妻の住まいとなる東の宮殿に入宮を果たしたのである。コクトーは若干震えていたが見苦しいほど臆病にも気弱にも見えず、モモの存在に怯えながらも花嫁ナナを気遣ってくれているのがわかる。
「威厳はないが優しい声だな」
ナナがポツリと呟くと少し後ろに控えていたマックスが笑みを浮かべた。
「何度も言いましたよ。コクトー王太子殿下は非常に心優しいお人柄であると」
たしかにコクトーは初夜の時もマックスに腕を折られそうだったナナを全力で庇ってくれたり、さんざん悪態をついた挙げ句、西の離宮に引きこもっていたナナをこうして出迎えてくれた。情けないだけのヤツだと侮っていたが存外心根は善良なのだろう。むしろ教育係のモモや護衛筆頭のマックスにボロクソ言われても怒らないことからして非常に寛容で人格的には優れているのかもしれない。
そんなことをナナが考えているとコクトーを見張っていたモモが口を開いた。
「ほら! コクトー! ボサッとしてないで王太子妃殿下をご案内しろ。夫婦で使う居室とかあるだろうが! その後でお茶にするから早くしろよ?」
「わ、わかってるよ! ナナ、一緒においで? 東の宮殿を案内して仕えてくれている皆を紹介するから!」
コクトーが手を差しのべて来たのでナナは迷わず手を握って東の宮殿に入っていった。
こうして無事に王太子妃殿下が東宮に入り、本格的な新婚生活が幕をあける。
「モモ様、お疲れ様でした。これで少しは安心ですね?」
コクトーとナナの仲を取り持つ仲介役として疲れているであろうマックスに笑顔で言われ、モモは素を出して深い溜息を吐いた。
「まだまだ序の口だ。マックス、悪いが、これからもコクトーとナナの面倒を頼む。俺だけじゃコクトーとナナのためにならねぇからな」
「モモ様は大切な人にほど辛辣になりますからね。俺も力を尽くします。王太子ご夫妻が幸せになれるよう」
屈託なく微笑むマックスの顔を見るとモモはニヤリと笑って背筋を伸ばした。
「面白いことになりそうだな。ナナが東宮に来て!」
気は優しいがドヘタレな王太子コクトーと気は強いが根は素直な妃殿下ナナ。
正反対の少年夫婦の新婚生活は東の宮殿でも波乱続きだろうがモモはなんだかワクワクしていた。
【続く】
「では、ナナは僕とこの東宮で暮らすの?」
初夜でナナの心が傷ついても無力なコクトーはろくに慰めることもできなくて心配しながら見ているだけだったがコクトーの護衛であり、武術指南役を務めているマックスの尽力でナナはコクトーと暮らす決意をかためたという。
「勘違いするなよ? ナナはマックスのことが気に入ったから東宮に来るんだ。マックスはコクトーの護衛兼武術指南だからな!」
要するに本来ならば王太子が住まう東の宮殿が勤務先であるマックスを度々引きこもり専用である西の離宮に呼びつけるのは申し訳ないとナナが判断して自ら東宮で暮らすと決意した。優秀な軍人であり、厳しさと周囲を思いやる優しさを兼ね備えているマックスのことをナナが認めたというだけでコクトーと新婚生活したい訳ではないらしい。
「コクトー! マックスはお前やナナの子守り役じゃねぇんだよ。近衛隊長でもあるマックスは忙しいんだ。お前が不甲斐ないからマックスの仕事が増える。俺の弟分に負担かけるな! 殺すぞ!?」
このように東の宮殿ではモモが王太子コクトーを罵っているのが日常茶飯事であり、過度な言葉の暴力や物理的アタックをモモがコクトーにしていても誰も気に留めたり心配もしてくれない。王太子付きの従者や侍従や下働きに至るまで清々しいほどスルーしており、モモに対して「ちょっと言い過ぎでは?」と止める者は皆無だ。
唯一の例外がマックスでモモがコクトーに過度な折檻や精神の虐待を行うと、「モモ様、王太子殿下がメンヘラになると俺の仕事が更に増えるので止めてくださいね?」と毒のあるフォローをしてくれていた。
「ナナはマックスになついて東宮に来るんだね。いっそ、僕ではなくてマックスと結婚してほしいよ」
「寝言はくたばってから言え! コクトー、そもそもお前がヘタレだから事態は更に拗れたんだよ! 俺だってお前がマックスみたいに利発な感じならここまで怒鳴らない」
とにかく、東宮にナナが来たら情けない態度をとるなとモモに厳命されていると侍従が緊張した面持ちで「申し上げます。ナナ妃殿下が東の宮殿にご到着でございます」と報告に来た。
「東の宮殿……東宮は王太子の許しがなければ王太子妃であっても入宮はできない。コクトー、ちゃんと凛々しく、威厳をもって、ナナの入宮を許可しろ。できなきゃ殺すからな?」
「わ、わかったよ! ナナをちゃんと迎えるから殺さないで!」
教育係であるモモに脅されながらコクトーは東の宮殿の門で待機しているナナを出迎えに急いだ。
東の宮殿の外ではマックスに付き添われたナナが入宮の許可を得るため待っていたが相変わらず気性の激しい表情で宮殿を睨んでいる。
「チッ! 遅っせーよ! 花嫁が外で待ってんだからスッと出てこいや! マックス、あと1分待ってコクトーが来なかったら東宮の玄関、蹴り飛ばしていいか?」
「コクトー王太子はどんくさいので1分では来ません。扉は頑丈なので蹴り飛ばしても問題ないかと?」
ナナが実のところ緊張していると察しているマックスは強がるナナをリラックスさせようと自由に玄関蹴り飛ばす許可を与えていた。王太子の護衛筆頭が東の宮殿の玄関破壊するの容認している時点で王太子コクトーのヘタレっプリは明らかである。
「おそらく、モモ様に殺すと何度も脅されながらコクトー王太子は参りますので雨に濡れたチワワみたく王太子は震えていてたいへん情けないお姿かと存じますがご了承ください。ナナ妃殿下」
「マックスのコクトーをディスる語彙力はセンスがあるな。初夜の時に俺がコクトーに暴言放って太刀を向けてきたクセにその実、マックスの方が酷いこと言ってるぞ?」
「ドヘタレに何年も仕えていたらディスりたくもなります。ナナ妃殿下、コクトー王太子が情けなく震えていても、それは、ナナ妃殿下に、逢いたくて、逢いたくて、震えてると思ってくださいね」
マックスの台詞がどこかで聴いた歌詞のような状態になってきたとき、東の宮殿の扉が解錠され、コクトーを従えたモモが姿を見せた。普通は逆だろと云うツッコミはあると思うが、誰がどう見ていても、モモの方が主君であり、コクトーは下僕に見えてしまうのだから仕方がない。それくらい王太子なのに壊滅的に威厳がないのがコクトーという少年なのだ。
「王太子コクトー殿下。お出迎えくださり感謝申し上げます。輿入れからの数々の無礼をお許しください」
ナナがマックスに教えられた通りに跪いて、感謝と謝罪の意を伝えるとコクトーはモモの視線と表面的には礼儀正しくしているナナに怯えながらも声を出した。
「東の宮殿にようこそ。ナナ、来てくれて嬉しいよ。ここが君のおうちになるからよろしくね」
このコクトーの言葉でナナは無事に王太子夫妻の住まいとなる東の宮殿に入宮を果たしたのである。コクトーは若干震えていたが見苦しいほど臆病にも気弱にも見えず、モモの存在に怯えながらも花嫁ナナを気遣ってくれているのがわかる。
「威厳はないが優しい声だな」
ナナがポツリと呟くと少し後ろに控えていたマックスが笑みを浮かべた。
「何度も言いましたよ。コクトー王太子殿下は非常に心優しいお人柄であると」
たしかにコクトーは初夜の時もマックスに腕を折られそうだったナナを全力で庇ってくれたり、さんざん悪態をついた挙げ句、西の離宮に引きこもっていたナナをこうして出迎えてくれた。情けないだけのヤツだと侮っていたが存外心根は善良なのだろう。むしろ教育係のモモや護衛筆頭のマックスにボロクソ言われても怒らないことからして非常に寛容で人格的には優れているのかもしれない。
そんなことをナナが考えているとコクトーを見張っていたモモが口を開いた。
「ほら! コクトー! ボサッとしてないで王太子妃殿下をご案内しろ。夫婦で使う居室とかあるだろうが! その後でお茶にするから早くしろよ?」
「わ、わかってるよ! ナナ、一緒においで? 東の宮殿を案内して仕えてくれている皆を紹介するから!」
コクトーが手を差しのべて来たのでナナは迷わず手を握って東の宮殿に入っていった。
こうして無事に王太子妃殿下が東宮に入り、本格的な新婚生活が幕をあける。
「モモ様、お疲れ様でした。これで少しは安心ですね?」
コクトーとナナの仲を取り持つ仲介役として疲れているであろうマックスに笑顔で言われ、モモは素を出して深い溜息を吐いた。
「まだまだ序の口だ。マックス、悪いが、これからもコクトーとナナの面倒を頼む。俺だけじゃコクトーとナナのためにならねぇからな」
「モモ様は大切な人にほど辛辣になりますからね。俺も力を尽くします。王太子ご夫妻が幸せになれるよう」
屈託なく微笑むマックスの顔を見るとモモはニヤリと笑って背筋を伸ばした。
「面白いことになりそうだな。ナナが東宮に来て!」
気は優しいがドヘタレな王太子コクトーと気は強いが根は素直な妃殿下ナナ。
正反対の少年夫婦の新婚生活は東の宮殿でも波乱続きだろうがモモはなんだかワクワクしていた。
【続く】
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