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偽装した新愛人と筆頭愛人
ユーリ・ラン・ヤスミカのなかに家族に嘘をつくというコマンドは存在しなかった。
幼い頃、母リーサに「宿題はやったの?」と詰問されて咄嗟に「や、やりました母上!」と虚偽を述べたが秒でバレて鞭で尻を99回くらいしばかれた程度の軽い嘘はついている。
宿題をしていない息子に対して鞭で限界ダメージレベルにお仕置きする母親は恐怖だが、仮にユーリが宿題をしないで領立学校に登校すれば領主の息子であっても、廊下に立たされ先生に公開平手打ちフルコースなので限界ダメージとしてはほぼ同じだ。
ラン・ヤスミカ領は平和で穏やかに見えるが、故意に約束を破ったり、正当な理由なしで宿題を放棄するは厳罰に処すと領法(ラン・ヤスミカ領法)で決まっている。
ユルいようでかなり厳格な掟のなか平和に暮らしているのが現状であった。
前置きが長くなったがユーリは家族に嘘を吐いていて悩んでいる。
善良なユーリがどんな嘘を吐く羽目になったかというとミモザ王子の身分と待遇だ。
ミモザ王子は自分の身分をユーリの両親や兄夫婦&甥姪には内緒にしてほしいと頼んできた。
「当主夫妻と嫡男夫妻と甥御と姪御には申し訳ないが僕を王家の人間だと教えないでおくれ。モモの友達とだけ言ってくれたら十分だ」
ミモザ王子には十分でも領主の次男のユーリには嘘の片棒を担ぐのは負担でしかない。
「おそれながらミモザ王子……。いえ!イリス殿。せめて父と兄だけには真実を告げたいのですが?」
恐縮しながら懇願してもミモザ王子は頑としてユーリの願いを聞き入れなかった。
「ならぬ。領主殿たちが余計な気を遣う。僕のことは適当に説明せよ。約束しておくれ」
たしかに本物の王族……しかも王子様がラン・ヤスミカ領に滞在と知れば領主である父ラクロワや兄エセルは相当に気を遣うだろう。
家族に嘘を吐くのは心苦しいがユーリはミモザ王子の要求を承諾した。
リンと相談してユーリは本邸の両親や兄夫婦&甥っ子&姪っ子にこう説明して誤魔化した。
「あの御方は……。イリス殿はモモ殿のお友達です。宮廷で親しくなり休暇に遊びにいらして……」
同い年で仲良くなったそうですよ、とリンが口添えするとユーリの家族は全員が納得した。
「ユーリ。リン殿。慣れない嘘はダメだよ?」
兄のエセルに言われてユーリの心臓はドキンとしたが杞憂であった。
「隠さなくても平気だ。イリス殿はミシェル様の新しい愛人なのだろう?モモ殿とは違うタイプだが気品があり端正だ」
「え!?いえ……兄上!実は……!」
「そんなに困惑してくてもいいよ。ミシェル様の新らしい愛人殿ならば大歓迎さ!モモ殿とも仲良しならばなによりだよ!」
エセルの言葉でミモザ王子は不本意にもラン・ヤスミカ領にてミシェルの最新の愛人少年という認識で滞在することとなる。
「誤算であった。ミシェルやモモと関わるともれなくミシェルの愛人という認識を領民に与えてしまうのだな」
ミモザ王子は特に怒った様子もなく淡々とユーリの話に耳をかたむけていた。
「申し訳ございませぬ!ミシェル義兄上の最新の愛人少年というほうが家族も領民も納得します!」
平伏するユーリに対してミモザ王子は立腹した顔も見せないでニヤリとした。
「まあ……。怪しまれず滞在できるならなによりだ。ユーリ殿、気に病むな。幸い偽名でイリスとしたから実名でミシェルとの仲を疑われることもない」
本音ではすごく嫌だがミシェルの最新型愛人少年でモモの後輩という立ち位置でラン・ヤスミカ家にとけこむミモザ王子であった。
こうなるとモモだって表向きミモザ王子への対応を変えないといけない。
要はミシェルの愛人美少年トリオであるステフ、マックス、ヒナリザと喋る口調や態度でないと違和感が出る。
ミモザ王子だって表向きの態度はモモにへりくだらないと意味ない。
そんなことは王家のプライドが許さないとユーリやリンは心配したがミモザ王子はかなりの役者である。
「モモ様。ラン・ヤスミカ領のジェームスさんの牧場に行きたいのですが?モモ様!ジェームスさんの牧場に御一緒したいです!」
ミモザ王子はユーリやリン、そしてエドガーやシオンなど限られた人物以外がいる場面ではひたすらモモに低姿勢に振る舞う。
これ、モモとしてはすごく調子狂うが近習ならば主君の戯れに合わせないといけない。
「そうか。ミモ……いや!シオン!午後にジェームスさんの牧場にご案内しま……チッ!案内してやるよクソが!」
「ありがとうございます!モモ様!」
なんか……嘘を吐いているユーリよりも微妙な演技力を求められるモモが1番面倒な役目をおしつけられた。
ミモザ王子もといイリスはラン・ヤスミカ家ではあたたかく受け入れられる。
「イリス様とミシェル様との馴れ初めはどのような?宮廷でみそめられたとかでしょうか!?」
ユーリの兄嫁フィンナはミシェルの新愛人となっているイリス(ミモザ王子)に興味津々であった。
ユーリの母リーサも「フィンナ!はしたないわよ~!」と嗜めつつ興味津々である。
恋ばなは性別年齢問わず大好きということだ。
ミモザ王子はモモの隣で悪戯するように微笑むと朗らかな口調で告げた。
「ミシェル……様は宮廷で迷子になっていた僕を助けてくれました。そして、案内するふりをして寝室に連れ込んで……」
嘘100%なミモザ王子の虚偽にたまらずモモがぶちギレる。
「ふざけるな!!ミシェルはそんなことしねーよ!嘘吐くな!!殺すぞ!?」
モモ、主君にまさかの謀反発言!
ミモザ王子はからかうように舌を出すと愛嬌ある笑顔でモモの怒声に応える。
「すみません!モモ様はご自分で迫ったのでしたね。僕はミシェル様から誘われたので。つい嬉しくて」
ついつい自慢しましたと無邪気に詫びるミモザ王子に対してモモは主君とか関係なくぶん殴りたくなったがギリギリで耐えた。
リーサとフィンナは口々に「あらら!愛人同士でバチバチね~!」とかえって楽しんでいる。
ユーリはミモザ王子のしたたかさに驚愕したがリンはモモをなだめつつ見守っている。
「モモとミモザ王子は本当に仲良しですね!演技と本音の境界がわかりません」
「息はピッタリだがモモ殿がガチでミモザ王子の命を奪わないか心配だな」
やはり王家とは一筋縄ではいかないとユーリは戦慄した。
そして、楽屋裏……簡単にはモモとミモザ王子の客間でのやりとり。
「ふう!ミシェルの愛人のレッテルは不本意だが、ここまでバレないとは」
「ミモザ王子……。すみませんが1発殴っていいですか?」
「婚礼前に顔に傷はつけられぬ。婚礼したあとにしておくれ」
ミモザ王子が微笑むとモモはチッと舌打ちしてベッドに横になった。
「ミモザ王子ってマジでムカつく!」
「そうか……。あまり好かれたことがないゆえダメージはない」
予想外に静かな声だったのでモモはハッとして慌てた。
「嘘です!ムカつくけど嫌いじゃない!そんな本気な返しをしないで!」
「わかっておる。モモは策士なのか正直者なのかわからぬな。さすがは僕の近習だ」
疲れたように隣に横たわるミモザ王子を見ながらモモは言ってみた。
「ミモザ王子……。心配することないです。だから今は目的を果たしましょう」
「そうだね。あまり将来を悲観するのはよくない」
それだけ言うとミモザ王子は瞳を閉じた。
モモはその寝顔を見ていてミモザ王子は賢くて相当にしたたかだが嘘ではなく真にミシェルの愛人のひとりだったら喧嘩しつつも身分差もなく対等に仲良くできただろうと残念に感じて戸惑っていた。
end
幼い頃、母リーサに「宿題はやったの?」と詰問されて咄嗟に「や、やりました母上!」と虚偽を述べたが秒でバレて鞭で尻を99回くらいしばかれた程度の軽い嘘はついている。
宿題をしていない息子に対して鞭で限界ダメージレベルにお仕置きする母親は恐怖だが、仮にユーリが宿題をしないで領立学校に登校すれば領主の息子であっても、廊下に立たされ先生に公開平手打ちフルコースなので限界ダメージとしてはほぼ同じだ。
ラン・ヤスミカ領は平和で穏やかに見えるが、故意に約束を破ったり、正当な理由なしで宿題を放棄するは厳罰に処すと領法(ラン・ヤスミカ領法)で決まっている。
ユルいようでかなり厳格な掟のなか平和に暮らしているのが現状であった。
前置きが長くなったがユーリは家族に嘘を吐いていて悩んでいる。
善良なユーリがどんな嘘を吐く羽目になったかというとミモザ王子の身分と待遇だ。
ミモザ王子は自分の身分をユーリの両親や兄夫婦&甥姪には内緒にしてほしいと頼んできた。
「当主夫妻と嫡男夫妻と甥御と姪御には申し訳ないが僕を王家の人間だと教えないでおくれ。モモの友達とだけ言ってくれたら十分だ」
ミモザ王子には十分でも領主の次男のユーリには嘘の片棒を担ぐのは負担でしかない。
「おそれながらミモザ王子……。いえ!イリス殿。せめて父と兄だけには真実を告げたいのですが?」
恐縮しながら懇願してもミモザ王子は頑としてユーリの願いを聞き入れなかった。
「ならぬ。領主殿たちが余計な気を遣う。僕のことは適当に説明せよ。約束しておくれ」
たしかに本物の王族……しかも王子様がラン・ヤスミカ領に滞在と知れば領主である父ラクロワや兄エセルは相当に気を遣うだろう。
家族に嘘を吐くのは心苦しいがユーリはミモザ王子の要求を承諾した。
リンと相談してユーリは本邸の両親や兄夫婦&甥っ子&姪っ子にこう説明して誤魔化した。
「あの御方は……。イリス殿はモモ殿のお友達です。宮廷で親しくなり休暇に遊びにいらして……」
同い年で仲良くなったそうですよ、とリンが口添えするとユーリの家族は全員が納得した。
「ユーリ。リン殿。慣れない嘘はダメだよ?」
兄のエセルに言われてユーリの心臓はドキンとしたが杞憂であった。
「隠さなくても平気だ。イリス殿はミシェル様の新しい愛人なのだろう?モモ殿とは違うタイプだが気品があり端正だ」
「え!?いえ……兄上!実は……!」
「そんなに困惑してくてもいいよ。ミシェル様の新らしい愛人殿ならば大歓迎さ!モモ殿とも仲良しならばなによりだよ!」
エセルの言葉でミモザ王子は不本意にもラン・ヤスミカ領にてミシェルの最新の愛人少年という認識で滞在することとなる。
「誤算であった。ミシェルやモモと関わるともれなくミシェルの愛人という認識を領民に与えてしまうのだな」
ミモザ王子は特に怒った様子もなく淡々とユーリの話に耳をかたむけていた。
「申し訳ございませぬ!ミシェル義兄上の最新の愛人少年というほうが家族も領民も納得します!」
平伏するユーリに対してミモザ王子は立腹した顔も見せないでニヤリとした。
「まあ……。怪しまれず滞在できるならなによりだ。ユーリ殿、気に病むな。幸い偽名でイリスとしたから実名でミシェルとの仲を疑われることもない」
本音ではすごく嫌だがミシェルの最新型愛人少年でモモの後輩という立ち位置でラン・ヤスミカ家にとけこむミモザ王子であった。
こうなるとモモだって表向きミモザ王子への対応を変えないといけない。
要はミシェルの愛人美少年トリオであるステフ、マックス、ヒナリザと喋る口調や態度でないと違和感が出る。
ミモザ王子だって表向きの態度はモモにへりくだらないと意味ない。
そんなことは王家のプライドが許さないとユーリやリンは心配したがミモザ王子はかなりの役者である。
「モモ様。ラン・ヤスミカ領のジェームスさんの牧場に行きたいのですが?モモ様!ジェームスさんの牧場に御一緒したいです!」
ミモザ王子はユーリやリン、そしてエドガーやシオンなど限られた人物以外がいる場面ではひたすらモモに低姿勢に振る舞う。
これ、モモとしてはすごく調子狂うが近習ならば主君の戯れに合わせないといけない。
「そうか。ミモ……いや!シオン!午後にジェームスさんの牧場にご案内しま……チッ!案内してやるよクソが!」
「ありがとうございます!モモ様!」
なんか……嘘を吐いているユーリよりも微妙な演技力を求められるモモが1番面倒な役目をおしつけられた。
ミモザ王子もといイリスはラン・ヤスミカ家ではあたたかく受け入れられる。
「イリス様とミシェル様との馴れ初めはどのような?宮廷でみそめられたとかでしょうか!?」
ユーリの兄嫁フィンナはミシェルの新愛人となっているイリス(ミモザ王子)に興味津々であった。
ユーリの母リーサも「フィンナ!はしたないわよ~!」と嗜めつつ興味津々である。
恋ばなは性別年齢問わず大好きということだ。
ミモザ王子はモモの隣で悪戯するように微笑むと朗らかな口調で告げた。
「ミシェル……様は宮廷で迷子になっていた僕を助けてくれました。そして、案内するふりをして寝室に連れ込んで……」
嘘100%なミモザ王子の虚偽にたまらずモモがぶちギレる。
「ふざけるな!!ミシェルはそんなことしねーよ!嘘吐くな!!殺すぞ!?」
モモ、主君にまさかの謀反発言!
ミモザ王子はからかうように舌を出すと愛嬌ある笑顔でモモの怒声に応える。
「すみません!モモ様はご自分で迫ったのでしたね。僕はミシェル様から誘われたので。つい嬉しくて」
ついつい自慢しましたと無邪気に詫びるミモザ王子に対してモモは主君とか関係なくぶん殴りたくなったがギリギリで耐えた。
リーサとフィンナは口々に「あらら!愛人同士でバチバチね~!」とかえって楽しんでいる。
ユーリはミモザ王子のしたたかさに驚愕したがリンはモモをなだめつつ見守っている。
「モモとミモザ王子は本当に仲良しですね!演技と本音の境界がわかりません」
「息はピッタリだがモモ殿がガチでミモザ王子の命を奪わないか心配だな」
やはり王家とは一筋縄ではいかないとユーリは戦慄した。
そして、楽屋裏……簡単にはモモとミモザ王子の客間でのやりとり。
「ふう!ミシェルの愛人のレッテルは不本意だが、ここまでバレないとは」
「ミモザ王子……。すみませんが1発殴っていいですか?」
「婚礼前に顔に傷はつけられぬ。婚礼したあとにしておくれ」
ミモザ王子が微笑むとモモはチッと舌打ちしてベッドに横になった。
「ミモザ王子ってマジでムカつく!」
「そうか……。あまり好かれたことがないゆえダメージはない」
予想外に静かな声だったのでモモはハッとして慌てた。
「嘘です!ムカつくけど嫌いじゃない!そんな本気な返しをしないで!」
「わかっておる。モモは策士なのか正直者なのかわからぬな。さすがは僕の近習だ」
疲れたように隣に横たわるミモザ王子を見ながらモモは言ってみた。
「ミモザ王子……。心配することないです。だから今は目的を果たしましょう」
「そうだね。あまり将来を悲観するのはよくない」
それだけ言うとミモザ王子は瞳を閉じた。
モモはその寝顔を見ていてミモザ王子は賢くて相当にしたたかだが嘘ではなく真にミシェルの愛人のひとりだったら喧嘩しつつも身分差もなく対等に仲良くできただろうと残念に感じて戸惑っていた。
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