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花嫁と貧乏貴族~終幕~
リンが姫君と偽装されて田舎の没落貴族であるラン・ヤスミカ家の次男ユーリに嫁いで2年が経過した。
ユーリは20歳でリンは17歳になったがラン・ヤスミカ領は変わらず平和である。
変化があったとすればユーリの兄エセルと兄嫁フィンナの間に子供が誕生して家族が増えた。
誕生したのは男児でユーリとエセルの父で現ラン・ヤスミカ家当主のラクロワによって『ぺピノ』と命名される。
こうしてラン・ヤスミカ家には跡継ぎのエセルに三男一女(※養子のキトリ含む)が出来たので領地は安泰であった。
27歳になったエセルは来年には父ラクロワに代わって、ラン・ヤスミカ領の領主となる。穏やかで、芯の強いエセルならば領主として申し分ないと領民や周辺の小領主も納得している。
そして、ユーリとリンが住まう別邸でも変化というより騒動が起きた。
執事としてユーリとリンに仕えてくれているシオンの名誉が回復して罪人から貴族に戻れたのである。
これは隣国王太子のクリス・バティストの判断であった。爵位は戻っても、領地は既に没収されているシオンは執事のままラン・ヤスミカ家別邸に留まったが、ユーリは隣国でそれなりに高位の貴族の子弟であったシオンを執事として働かせるというカオスな事態に直面した。
だが、シオンは復権しても態度を変えずに粛々とユーリとリンに仕えてくれる。
エドガーとも相変わらず、バイオレンスだが仲睦まじく過ごしているので、ユーリはシオンの好きにさせた。
リンの異母兄エドガーは王都に帰る気配もなく優雅なニートライフを満喫しつつ、シオンとイチャイチャしている。
領地は平穏で皆が幸せでユーリとリンは満たされていたが、突然の訃報が襲った。
シルバー家当主のクロードが急に倒れて危篤となり、そのまま天にまたは限りなく地獄に召されてしまった。
嫡男ミシェルが跡を継いでシルバー家は新たな当主を中心に船出することになる。
ミシェルにはモモがいるので心配ないが、リンは茫然自失な日々を送った。
父クロードのことは大嫌いであったが、こんなに早く死んでしまうなんて想定外であった。葬儀にもリンは参加できず、墓参りもしていない。
クロードの遺言書には家督はミシェルに譲り、ミシェルが死んだ場合はモモに家督が相続される。
名門大貴族シルバー家の栄華の立役者となったクロードは最後の最後に血縁でなくて、シルバー家を支えられる人物と見込んだモモにバトンを渡した。
「父上は私を最後は自由にしてくださった」
血縁より実力主義な父クロードらしいとリンは泣いていた。
あんな狡猾クソ親父に流す涙なんて1滴も無いと考えていたが、クロードは間違いなくリンの父上でリンをユーリのもとに嫁がせてくれた恩がある。
「私は結局、父上を恨むだけで恩返しも満足に果たせなかった」
沈み込んでいるリンに対してユーリはどう接して良いか悩んだが、意を決して言ったのだ。
「クロード様……義父上はミシェル義兄上が家督を継いで、エドガー義兄上がお元気で、シンシア義姉上とジャンヌ義姉上がご結婚されて満足している。そして、リンが泣いてくれて」
「ありがとうございます。ユーリ、あんなに殺そうとしていた父上が呆気なく亡くなって心に空洞ができました。全然嬉しくないのです」
「リン、クロード様を失った空洞は埋まらない。でも、俺はずっとリンと一緒にいる。夫婦だからな」
ユーリが精一杯に言い切るとリンは泣きながら微笑んだ。庶子として父クロードに酷い扱いを受けてもリンは父を最後まで憎めなかった。それは、逆にクロードもまたリンを徹底的に憎んではいなかったことに思えたが、ユーリは口にしなかった。
おそらくリンだってその辺の事情は充分に理解している。だから、こんなに泣くのだろう。
こんな具合にラン・ヤスミカ家は子孫繁栄していて家督の心配は無用だが、シルバー家はミシェルは女性に興味がなくて結婚はしない。モモだってミシェルを一途に想っているので仮に家督を相続しても結婚はしないだろう。
後継者問題が浮上する危機だが、それを解決させたのがシルバー家からミモザ王子の従者シルフィに嫁いだジャンヌであった。
シルフィと結婚してジャンヌは双子の男児を出産して、更に妊娠している。
クロードの遺言書にシルバー家のシンシアかジャンヌが産んだ男児をミシェルまたはモモの後継者に据えろとあったので、ジャンヌの子供が無事に育てば後継者問題は解決する。
「盛者必衰。有能な跡継ぎが不在ならばシルバー家は絶える。それも受け入れます」
リンはシルバー家の跡継ぎだと名乗る気はなくて、あくまでもユーリの嫁としてラン・ヤスミカ領で生涯を終える覚悟であった。
それはシルバー家とは何の血縁関係がないモモを縛らせることになるが、リンはモモの才覚を認めて、自分は身を引いた。
リンの幸せはシルバー家で実権を握ることでなく、ユーリの傍で嫁として生きることだ。
「リン、義父上クロード様のお墓参りをしよう。エドガー義兄上と一緒に」
「そうですね……。もう少し心が落ち着いたら王都のシルバー家の墓に弔いに行きます」
それからリンの落ち込みがおさまった時期にユーリはリンとエドガーとシオンを伴って王都のシルバー家の霊廟に向かった。
歴代のシルバー家の当主と妻が埋葬されている霊廟でリンはフッと足を止めた。
父クロードの霊廟の近くに少し古くなった霊廟がある。
そこに埋葬されているのはリンの実母であった。
実母の名前はリディア・ケリー・カノン……リンの生母でリンを産んで死んでしまった不運な娘だ。
「母上!母上!ここにいたのですか!」
リンが嗚咽をもらすのを聞いていたユーリはたまらずリンを抱き締めた。
「リンの実のお母上はここでリンをずっと見守ってくださる」
ユーリの言葉でますます号泣するリンを見ながらシオンはエドガーに告げた。
「エドガー、俺の妻子と家族の墓参り。一緒に行ってくれるか?」
「もちろんだ。シオンの大切な家族の墓参りならば」
エドガーのそのひと言でシオンもリンにつられて泣き出してしまった。
どんなに憎しみを抱えても、リンとシオンは家族を忘れなかった。それは呪縛なのか崇高なのかエドガーには分からない。
リンが泣くのを見ていたシルバー家の寡婦となったローズ夫人は言ったのだ。
「クロードは親として最低最悪ですけれど、リンは泣いてくれるのね。それだけでお母様は幸せよ」
ローズ夫人もまた最悪な天然狡猾クソ旦那のクロードを最後まで憎めなかった。
墓参りを済ますとリンはユーリやエドガー、シオンと共にラン・ヤスミカ領へと戻って行った。
その後はラン・ヤスミカ家にてユーリや家族と幸せな時間を過ごすことになる。
シルバー家を黄金時代に導いたクロード・ルカ・シルバーが亡くなって、約10年後……シルバー家当主はミシェルではなくて、リリィ・ケリー・シルバーというシルバー家元当主クロードの庶子が家督を継いだ。
ミモザ王子の側近にしてシルバー家の名目上の庶子とされていたモモが実権を握ったのである。
モモの手腕でシルバー家は更なる繁栄を迎えるが、それはモモの幸せだったかは定かではない。
ミシェルの遺言書に自分が死んでもモモは死ぬなと明記されていた。
モモはその遺言を守ってミシェルに代わりシルバー家の覇権を確固たるものにして、見事、貴族として生き抜いたのである。
シルバー家という大貴族の庶子からユーリという貧乏没落貴族ラン・ヤスミカ家次男に嫁いだリンと貧民窟から成り上がって、ミモザ王子の側近となり、シルバー家当主になるという下克上を果たしたモモ。
正反対の少年の運命は同等に過酷であり、同等に幸福であったと記して、ラン・ヤスミカ家年代記をキトリは記すのを終えた。
隣国からミモザ王子に救われて、ラン・ヤスミカ家の養子となり、養父エセルの嫡男であるジャンと男の子同士で結婚したキトリはラン・ヤスミカ領主一族の歴史を年代記に記すことが役割となった。
ジャンとキトリの代になってもラン・ヤスミカ家とシルバー家には密接な繋がりがある。
キトリの義姉クレールの子供がシルバー家に嫁いだ。
それは純白の花嫁衣装を身にまとった美しき美少年であったという。
【完】
ユーリは20歳でリンは17歳になったがラン・ヤスミカ領は変わらず平和である。
変化があったとすればユーリの兄エセルと兄嫁フィンナの間に子供が誕生して家族が増えた。
誕生したのは男児でユーリとエセルの父で現ラン・ヤスミカ家当主のラクロワによって『ぺピノ』と命名される。
こうしてラン・ヤスミカ家には跡継ぎのエセルに三男一女(※養子のキトリ含む)が出来たので領地は安泰であった。
27歳になったエセルは来年には父ラクロワに代わって、ラン・ヤスミカ領の領主となる。穏やかで、芯の強いエセルならば領主として申し分ないと領民や周辺の小領主も納得している。
そして、ユーリとリンが住まう別邸でも変化というより騒動が起きた。
執事としてユーリとリンに仕えてくれているシオンの名誉が回復して罪人から貴族に戻れたのである。
これは隣国王太子のクリス・バティストの判断であった。爵位は戻っても、領地は既に没収されているシオンは執事のままラン・ヤスミカ家別邸に留まったが、ユーリは隣国でそれなりに高位の貴族の子弟であったシオンを執事として働かせるというカオスな事態に直面した。
だが、シオンは復権しても態度を変えずに粛々とユーリとリンに仕えてくれる。
エドガーとも相変わらず、バイオレンスだが仲睦まじく過ごしているので、ユーリはシオンの好きにさせた。
リンの異母兄エドガーは王都に帰る気配もなく優雅なニートライフを満喫しつつ、シオンとイチャイチャしている。
領地は平穏で皆が幸せでユーリとリンは満たされていたが、突然の訃報が襲った。
シルバー家当主のクロードが急に倒れて危篤となり、そのまま天にまたは限りなく地獄に召されてしまった。
嫡男ミシェルが跡を継いでシルバー家は新たな当主を中心に船出することになる。
ミシェルにはモモがいるので心配ないが、リンは茫然自失な日々を送った。
父クロードのことは大嫌いであったが、こんなに早く死んでしまうなんて想定外であった。葬儀にもリンは参加できず、墓参りもしていない。
クロードの遺言書には家督はミシェルに譲り、ミシェルが死んだ場合はモモに家督が相続される。
名門大貴族シルバー家の栄華の立役者となったクロードは最後の最後に血縁でなくて、シルバー家を支えられる人物と見込んだモモにバトンを渡した。
「父上は私を最後は自由にしてくださった」
血縁より実力主義な父クロードらしいとリンは泣いていた。
あんな狡猾クソ親父に流す涙なんて1滴も無いと考えていたが、クロードは間違いなくリンの父上でリンをユーリのもとに嫁がせてくれた恩がある。
「私は結局、父上を恨むだけで恩返しも満足に果たせなかった」
沈み込んでいるリンに対してユーリはどう接して良いか悩んだが、意を決して言ったのだ。
「クロード様……義父上はミシェル義兄上が家督を継いで、エドガー義兄上がお元気で、シンシア義姉上とジャンヌ義姉上がご結婚されて満足している。そして、リンが泣いてくれて」
「ありがとうございます。ユーリ、あんなに殺そうとしていた父上が呆気なく亡くなって心に空洞ができました。全然嬉しくないのです」
「リン、クロード様を失った空洞は埋まらない。でも、俺はずっとリンと一緒にいる。夫婦だからな」
ユーリが精一杯に言い切るとリンは泣きながら微笑んだ。庶子として父クロードに酷い扱いを受けてもリンは父を最後まで憎めなかった。それは、逆にクロードもまたリンを徹底的に憎んではいなかったことに思えたが、ユーリは口にしなかった。
おそらくリンだってその辺の事情は充分に理解している。だから、こんなに泣くのだろう。
こんな具合にラン・ヤスミカ家は子孫繁栄していて家督の心配は無用だが、シルバー家はミシェルは女性に興味がなくて結婚はしない。モモだってミシェルを一途に想っているので仮に家督を相続しても結婚はしないだろう。
後継者問題が浮上する危機だが、それを解決させたのがシルバー家からミモザ王子の従者シルフィに嫁いだジャンヌであった。
シルフィと結婚してジャンヌは双子の男児を出産して、更に妊娠している。
クロードの遺言書にシルバー家のシンシアかジャンヌが産んだ男児をミシェルまたはモモの後継者に据えろとあったので、ジャンヌの子供が無事に育てば後継者問題は解決する。
「盛者必衰。有能な跡継ぎが不在ならばシルバー家は絶える。それも受け入れます」
リンはシルバー家の跡継ぎだと名乗る気はなくて、あくまでもユーリの嫁としてラン・ヤスミカ領で生涯を終える覚悟であった。
それはシルバー家とは何の血縁関係がないモモを縛らせることになるが、リンはモモの才覚を認めて、自分は身を引いた。
リンの幸せはシルバー家で実権を握ることでなく、ユーリの傍で嫁として生きることだ。
「リン、義父上クロード様のお墓参りをしよう。エドガー義兄上と一緒に」
「そうですね……。もう少し心が落ち着いたら王都のシルバー家の墓に弔いに行きます」
それからリンの落ち込みがおさまった時期にユーリはリンとエドガーとシオンを伴って王都のシルバー家の霊廟に向かった。
歴代のシルバー家の当主と妻が埋葬されている霊廟でリンはフッと足を止めた。
父クロードの霊廟の近くに少し古くなった霊廟がある。
そこに埋葬されているのはリンの実母であった。
実母の名前はリディア・ケリー・カノン……リンの生母でリンを産んで死んでしまった不運な娘だ。
「母上!母上!ここにいたのですか!」
リンが嗚咽をもらすのを聞いていたユーリはたまらずリンを抱き締めた。
「リンの実のお母上はここでリンをずっと見守ってくださる」
ユーリの言葉でますます号泣するリンを見ながらシオンはエドガーに告げた。
「エドガー、俺の妻子と家族の墓参り。一緒に行ってくれるか?」
「もちろんだ。シオンの大切な家族の墓参りならば」
エドガーのそのひと言でシオンもリンにつられて泣き出してしまった。
どんなに憎しみを抱えても、リンとシオンは家族を忘れなかった。それは呪縛なのか崇高なのかエドガーには分からない。
リンが泣くのを見ていたシルバー家の寡婦となったローズ夫人は言ったのだ。
「クロードは親として最低最悪ですけれど、リンは泣いてくれるのね。それだけでお母様は幸せよ」
ローズ夫人もまた最悪な天然狡猾クソ旦那のクロードを最後まで憎めなかった。
墓参りを済ますとリンはユーリやエドガー、シオンと共にラン・ヤスミカ領へと戻って行った。
その後はラン・ヤスミカ家にてユーリや家族と幸せな時間を過ごすことになる。
シルバー家を黄金時代に導いたクロード・ルカ・シルバーが亡くなって、約10年後……シルバー家当主はミシェルではなくて、リリィ・ケリー・シルバーというシルバー家元当主クロードの庶子が家督を継いだ。
ミモザ王子の側近にしてシルバー家の名目上の庶子とされていたモモが実権を握ったのである。
モモの手腕でシルバー家は更なる繁栄を迎えるが、それはモモの幸せだったかは定かではない。
ミシェルの遺言書に自分が死んでもモモは死ぬなと明記されていた。
モモはその遺言を守ってミシェルに代わりシルバー家の覇権を確固たるものにして、見事、貴族として生き抜いたのである。
シルバー家という大貴族の庶子からユーリという貧乏没落貴族ラン・ヤスミカ家次男に嫁いだリンと貧民窟から成り上がって、ミモザ王子の側近となり、シルバー家当主になるという下克上を果たしたモモ。
正反対の少年の運命は同等に過酷であり、同等に幸福であったと記して、ラン・ヤスミカ家年代記をキトリは記すのを終えた。
隣国からミモザ王子に救われて、ラン・ヤスミカ家の養子となり、養父エセルの嫡男であるジャンと男の子同士で結婚したキトリはラン・ヤスミカ領主一族の歴史を年代記に記すことが役割となった。
ジャンとキトリの代になってもラン・ヤスミカ家とシルバー家には密接な繋がりがある。
キトリの義姉クレールの子供がシルバー家に嫁いだ。
それは純白の花嫁衣装を身にまとった美しき美少年であったという。
【完】
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