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4話
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昨日は本当に色々あり、体もどっと疲れた。そして寮に入ろうと思ったら。
「俺……ここ……」
「僕も……ここ……」
(うっっっっわまじかよ)
この時だけレイズと僕の心が通じ合った。
そして、今日の朝。
なんだか今日はよく眠れた気がする。
むくりとベットから体を起こしてベットカーテンを少し開いた。
その時にたまたまレイズと目が合った。
(そう言えばいるんだった)
すぐさまベットカーテンを閉じて一度1人になって考える。
ここの寮の部屋は4人制……。ここの4人が一つの班になって学校生活を共にする……。そしてレイズとは同じ部屋でベットは僕と真横……。
そういうことかぁ……。
「なんで閉めんだよ」
「うわぁぁぁぁぁぁ!?!?!!!!」
僕が驚いて叫んだ声でレイズも肩がビクッと上がっていた。
「ちょ……、いきなり叫ぶなし!!」
「ご、ごめ……。ほ、ほんとにびっくりして……」
レイズはベットカーテンを開けて、自分のベットに戻り用意を始めた。
「そういや今日から授業だってさ。入学からまだ1日しか立ってないのに授業とか……。だるぅ……」
「今日からなんだ」
レイズがこちらに振り返って反応した。
「いや昨日学長先生が言ってただろ」
「いやちょっと寝てた……」
「いや寝んなよ」
僕もレイズが準備するのを見て、もそもそと準備とする。
学院での朝食は某魔法学校のように学院の全員が集まって食べるわけではなく、好きな人と自由に、授業以外ならいつでも食べていいらしい。すごいオープン。
用意が終わって教室に向かう。教室の放送は、それぞれの部屋に小さい魔法陣が出てきてそこから先生の声がする。今日の朝見た時はなんだこれと思ってちょっと怖かった。
僕たちの初めての授業は魔法の基礎の基礎について。
僕たちはまだ魔法を使ったことがない。だから魔法ができたきっかけ、それに関わった有名な魔法使い、などなど魔法に関することを学ぶ。
実演はまだまだ先かな。
授業を受けている時僕はすごい楽しかったけど、レイズはそれほどでもなかった。ちょっと、ダルそうだった。
授業が終わり、次の教室へと移る。次の授業の教室は中庭にある壁際の道を通っていく。支柱の隙間から見える中庭はすごい綺麗だった。
「今平気?」
誰かが僕に声をかけた。振り向くと全く知らない生徒。自分たちよりも少し背が高いから先輩かもしれない。
「ちょっと君に話があって」
「話……?」
レイズが聞く。
「知り合い?」
「いや……」
と、レイズが居たからなのか、その先輩は「友達と行ってるならまた今度でいいよ」と言ってから僕たちが来た道の真反対の方に行ってしまった。
授業が終わって昼休みになった。学院の昼休みは長く、3時間程度。だからかなりゆっくりできる。
レイズは帰っている時に教室に忘れ物をしたことに気づいて「先に行ってて」と行ってしまった。
僕はレイズが追いつけるよう少し遅めに歩いていたが後ろから肩を叩かれた。
振り向くと、昨日出会った先輩だった。昨日より2人増えてるけど。
「あ、昨日の……」
僕が話そうとしたら遮られた。
「君1年生だっけ?」
昨日の先輩が聞く。
「え、あ、はい」
すると先輩達が見せびらかすように魔法陣を出してから言った。
「じゃあまだ魔法使えないのか」
嫌な予感がして僕は2、3歩後ろに下がった。
「君って無試験で入れた子でしょ?1年はどうか知らないけど俺らのところは結構有名だよ?」
「そ、そうなんですか……」
じりじりと近づいてくる奴らから1歩1歩後退りする。
僕は耐えられなくなってそのまま逃げ出した。
「あ“、逃げた」「何してんだよ!早く捕まえろ!」「魔法なしで逃げれるとか思ってないよな?」
こうやって逃げるのは久しぶりかも。僕は走りながら思った。
どの世界にもああいう奴らっているのかな。それとも僕が引き寄せる体質なの?
自然と小学生と中学生の頃を思い出す。
僕はあんまり人とは関われない子だったから入学式から誰にも声をかけられずに、気づいたらもう5年生になってた。
特に友達もいなくて、いつも隅っこでいたからあいつらにとってはいい対象だったのかな。
放課後にされる分はいいけどまだみんながいる時は一番やめて欲しかった。そんなこと怖くていうことできないけど。
本当に嫌だったのは中2の休み時間。廊下で、あいつらが自分たちの靴を持って追いかけてくるから僕も必死で逃げた。
逃げたら逃げた分またやられるけど。その中に中学の入学式の時に声をかけて仲良くしてくれた子がいて。
その時は本当にびっくりした。そこから、友達ってなんだろうって思い始めて。中3の思い出は全然ないな。
あ、不登校になったんだっけ。高校はあいつらがいない遠いところにしたからかなり楽しく過ごせたし、そこではちゃんと友達って呼べる子
が居たから人と話すことに抵抗がなくなって会社でもなんとかやっていけてたし、ああやってレイズと話せてたり。
呼吸が荒くなる。相手は魔法が使えるから捕まるのはわかってる。だけど逃げないと自分が安心できないから。
「お前意外と足速いな」
「ぁ……」
「ほら、逃げれないって言っただろ」
「ぅ……ぁ……」
完全に挟み込まれた。どうしよう、どうしようどうしようどうしよう。
僕の目に中庭が止まった。もうわけがわからない。だけどとにかく、逃げないと。
でも中庭の向こう側はこっちと同じ廊下で、僕はもう走れそうにない。
もしかして、ここで魔法に打たれて死ぬのかな。二度目の人生はもっと楽しく生きれると思ったんだけどな。なんだか嫌な気持ちで死んでいく。これ前世となんも変わってないじゃん。やっぱり僕って何しても変わんないのかな。
(落ち着いて)
「ぇ……?」
(大丈夫。もうあなたにそんな思いはさせない。深呼吸して)
「し、深呼吸……」
僕はゆっくりと深呼吸する。
(手に集中して)
「手……」
目をつぶって自分の手に集中する。
(次は目の前に大きな円盤があるのを意識して)
円盤……。こんな感じ……?
(そう。そうすると手に何か感じるでしょ?)
……ほんとだ……。なんか冷たい……。
「あいつ逃げなくなったな」
「もう無理ってわかったんだろ」
一番最初にシェイアに声をかけた生徒が小声で言った。
「なんだよ無試験って……。ここに入るのがどれだけ苦労するのかわかってんのかよ」
その生徒はさっきのテンションで2人に言う。
「一回燃やしてみるか」
「いいじゃん!やれよ!」
「よし、いけ!アインエッシェル!!」
その青年はシェイアめがけて真っ赤に燃えている炎を飛ばした。
(そのまま目の前に手を!!)
「こ、こう……?!」
(そう!!グラキエス・セプテントリオ!!)
すると目の前に自分たちがだした魔法陣よりも遥かに大きく、紋章が複雑なものが現れた。
「え……な、なんだあれ……」
戸惑っていると、その魔法陣から、ありえないほどの雪が流れ込んできた。青年達は逃げようとしたが、いつの間にか足が凍っていて動けない。魔法で溶かそうとするも、相手の魔法の威力が強すぎて魔法が消されてしまう。
「う、嘘だろ、嘘だろ!!??ま、まて、落ち着け!!やめろ!!やめろぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」
僕はなんだかうるさくて目を開いた。すると目の前には大量の雪。そしてさっきまでいたあの先輩達がいない。
「ぇ……?え!?ちょ……え‘‘?!」
手にはまだ冷たい感覚が残っている。
「え……。こ、これ僕が……」
すると誰かが先生を呼んだらしい。「大丈夫かぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」という声が響き、その後に聞き覚えのある声で「何事だ!!??」と言う声が聞こえた。
前を見ると、知らない先生と学長先生。学長先生は頭を抱えていた。
「シェ、シェイア!?」
振り向くと奥にレイズがいる。
僕は確実に何かやらかした。
学長室にて……。
「あの魔法は一体どうやって打ったんだ??」
学長先生からしつこく聞かれる。僕はあの時声が聞こえたことと、それ通りにやったらこうなったことを伝えた。
「君は自分が何をしたかはわかっているだろうな……?」
学長先生は事情がよくわかっていなさそうな僕に荒っぽく説明してくれた。
「いいか?あの魔法は特級魔法も超える聖術魔法だ!!……聖術魔法の意味もわかっていなさそうだな!」
先生は荒っぽく椅子に座って話した。
「聖術魔法というのは特級魔術師ですら打つことが難しい魔法なんだ!!聖術魔法はその紋章の神と通じ合っていないと打てないはず……。そして聖術魔法を打っても普通にしていられるのは……。一体君はどこまで私を驚かせてくれるんだ……」
先生は頭を抱えているものの、少し興奮しているようにも見えた。
「すみません!!!!!」
バンッと勢いよくドアが開き、学長室に威勢の良い美声が響いた。
振り返ると制服を来た少年。髪は真っ白の長髪で、自分より少し身長が高めだ。
「先ほどボクはあなたの魔法を見ていたのですが、やはり、無試験入学者!!格が違います!!」
その少年は僕に一気に近づいて問いただした。
「あの魔法は聖術魔法ですよね?!一体そんな高難度の魔法どうやって習得したのでしょうか?!ぜひ!!ぜひ教えていただきたいです!!」
「ああのぉ……な、なんで打てたか自分でもよくわかってなくて……」
少年は僕の手を掴んで大きく縦に振った。
「そうなのですか?!!?!さすがは師匠!!!!ご自身で習得していないと思われていたものを使ってしまうなんて!!!!」
「し、ししょ……」
横目で先生を見たが、そろそろ危なそうだ。
「あ、あの……、早く……早くここから出ないと……」
「ボク師匠に一生ついていきますね!!!」
「出ていけ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
先生はとうとう痺れを切らしたのか、僕たちに怒鳴ってから部屋から追い出した。
「師匠、ボクのことは好き勝手使っていただいて構いませんから!!ボクは師匠が言うのなら荒れ狂う嵐の中、極寒の世界!!燃え盛る炎の中にも飛び込んでいきますよ!!!」
「じゃ、じゃあとりあえず名前を……」
「なんですか??毒蛇に飛び込む??「言ってな……」もちろん飛び込みま……ん……?名前?」
やっと落ち着いたようで、少年は一度、胸のネクタイを直してから改めるように言った。
「申し遅れました。ボクはレイザレル領を統治しているマリザード・レイザレル・ハヴェーニジアの息子である、ステラ・レイザレル・ハヴェーニジアと申します。今後ともよろしくお願いいたします!!師匠!!」
うわぁ。なんてこった。領主の息子じゃないか。こりゃぁ大変だぁ。
僕の学院生活は、いろんな意味で、順調だ。
「俺……ここ……」
「僕も……ここ……」
(うっっっっわまじかよ)
この時だけレイズと僕の心が通じ合った。
そして、今日の朝。
なんだか今日はよく眠れた気がする。
むくりとベットから体を起こしてベットカーテンを少し開いた。
その時にたまたまレイズと目が合った。
(そう言えばいるんだった)
すぐさまベットカーテンを閉じて一度1人になって考える。
ここの寮の部屋は4人制……。ここの4人が一つの班になって学校生活を共にする……。そしてレイズとは同じ部屋でベットは僕と真横……。
そういうことかぁ……。
「なんで閉めんだよ」
「うわぁぁぁぁぁぁ!?!?!!!!」
僕が驚いて叫んだ声でレイズも肩がビクッと上がっていた。
「ちょ……、いきなり叫ぶなし!!」
「ご、ごめ……。ほ、ほんとにびっくりして……」
レイズはベットカーテンを開けて、自分のベットに戻り用意を始めた。
「そういや今日から授業だってさ。入学からまだ1日しか立ってないのに授業とか……。だるぅ……」
「今日からなんだ」
レイズがこちらに振り返って反応した。
「いや昨日学長先生が言ってただろ」
「いやちょっと寝てた……」
「いや寝んなよ」
僕もレイズが準備するのを見て、もそもそと準備とする。
学院での朝食は某魔法学校のように学院の全員が集まって食べるわけではなく、好きな人と自由に、授業以外ならいつでも食べていいらしい。すごいオープン。
用意が終わって教室に向かう。教室の放送は、それぞれの部屋に小さい魔法陣が出てきてそこから先生の声がする。今日の朝見た時はなんだこれと思ってちょっと怖かった。
僕たちの初めての授業は魔法の基礎の基礎について。
僕たちはまだ魔法を使ったことがない。だから魔法ができたきっかけ、それに関わった有名な魔法使い、などなど魔法に関することを学ぶ。
実演はまだまだ先かな。
授業を受けている時僕はすごい楽しかったけど、レイズはそれほどでもなかった。ちょっと、ダルそうだった。
授業が終わり、次の教室へと移る。次の授業の教室は中庭にある壁際の道を通っていく。支柱の隙間から見える中庭はすごい綺麗だった。
「今平気?」
誰かが僕に声をかけた。振り向くと全く知らない生徒。自分たちよりも少し背が高いから先輩かもしれない。
「ちょっと君に話があって」
「話……?」
レイズが聞く。
「知り合い?」
「いや……」
と、レイズが居たからなのか、その先輩は「友達と行ってるならまた今度でいいよ」と言ってから僕たちが来た道の真反対の方に行ってしまった。
授業が終わって昼休みになった。学院の昼休みは長く、3時間程度。だからかなりゆっくりできる。
レイズは帰っている時に教室に忘れ物をしたことに気づいて「先に行ってて」と行ってしまった。
僕はレイズが追いつけるよう少し遅めに歩いていたが後ろから肩を叩かれた。
振り向くと、昨日出会った先輩だった。昨日より2人増えてるけど。
「あ、昨日の……」
僕が話そうとしたら遮られた。
「君1年生だっけ?」
昨日の先輩が聞く。
「え、あ、はい」
すると先輩達が見せびらかすように魔法陣を出してから言った。
「じゃあまだ魔法使えないのか」
嫌な予感がして僕は2、3歩後ろに下がった。
「君って無試験で入れた子でしょ?1年はどうか知らないけど俺らのところは結構有名だよ?」
「そ、そうなんですか……」
じりじりと近づいてくる奴らから1歩1歩後退りする。
僕は耐えられなくなってそのまま逃げ出した。
「あ“、逃げた」「何してんだよ!早く捕まえろ!」「魔法なしで逃げれるとか思ってないよな?」
こうやって逃げるのは久しぶりかも。僕は走りながら思った。
どの世界にもああいう奴らっているのかな。それとも僕が引き寄せる体質なの?
自然と小学生と中学生の頃を思い出す。
僕はあんまり人とは関われない子だったから入学式から誰にも声をかけられずに、気づいたらもう5年生になってた。
特に友達もいなくて、いつも隅っこでいたからあいつらにとってはいい対象だったのかな。
放課後にされる分はいいけどまだみんながいる時は一番やめて欲しかった。そんなこと怖くていうことできないけど。
本当に嫌だったのは中2の休み時間。廊下で、あいつらが自分たちの靴を持って追いかけてくるから僕も必死で逃げた。
逃げたら逃げた分またやられるけど。その中に中学の入学式の時に声をかけて仲良くしてくれた子がいて。
その時は本当にびっくりした。そこから、友達ってなんだろうって思い始めて。中3の思い出は全然ないな。
あ、不登校になったんだっけ。高校はあいつらがいない遠いところにしたからかなり楽しく過ごせたし、そこではちゃんと友達って呼べる子
が居たから人と話すことに抵抗がなくなって会社でもなんとかやっていけてたし、ああやってレイズと話せてたり。
呼吸が荒くなる。相手は魔法が使えるから捕まるのはわかってる。だけど逃げないと自分が安心できないから。
「お前意外と足速いな」
「ぁ……」
「ほら、逃げれないって言っただろ」
「ぅ……ぁ……」
完全に挟み込まれた。どうしよう、どうしようどうしようどうしよう。
僕の目に中庭が止まった。もうわけがわからない。だけどとにかく、逃げないと。
でも中庭の向こう側はこっちと同じ廊下で、僕はもう走れそうにない。
もしかして、ここで魔法に打たれて死ぬのかな。二度目の人生はもっと楽しく生きれると思ったんだけどな。なんだか嫌な気持ちで死んでいく。これ前世となんも変わってないじゃん。やっぱり僕って何しても変わんないのかな。
(落ち着いて)
「ぇ……?」
(大丈夫。もうあなたにそんな思いはさせない。深呼吸して)
「し、深呼吸……」
僕はゆっくりと深呼吸する。
(手に集中して)
「手……」
目をつぶって自分の手に集中する。
(次は目の前に大きな円盤があるのを意識して)
円盤……。こんな感じ……?
(そう。そうすると手に何か感じるでしょ?)
……ほんとだ……。なんか冷たい……。
「あいつ逃げなくなったな」
「もう無理ってわかったんだろ」
一番最初にシェイアに声をかけた生徒が小声で言った。
「なんだよ無試験って……。ここに入るのがどれだけ苦労するのかわかってんのかよ」
その生徒はさっきのテンションで2人に言う。
「一回燃やしてみるか」
「いいじゃん!やれよ!」
「よし、いけ!アインエッシェル!!」
その青年はシェイアめがけて真っ赤に燃えている炎を飛ばした。
(そのまま目の前に手を!!)
「こ、こう……?!」
(そう!!グラキエス・セプテントリオ!!)
すると目の前に自分たちがだした魔法陣よりも遥かに大きく、紋章が複雑なものが現れた。
「え……な、なんだあれ……」
戸惑っていると、その魔法陣から、ありえないほどの雪が流れ込んできた。青年達は逃げようとしたが、いつの間にか足が凍っていて動けない。魔法で溶かそうとするも、相手の魔法の威力が強すぎて魔法が消されてしまう。
「う、嘘だろ、嘘だろ!!??ま、まて、落ち着け!!やめろ!!やめろぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」
僕はなんだかうるさくて目を開いた。すると目の前には大量の雪。そしてさっきまでいたあの先輩達がいない。
「ぇ……?え!?ちょ……え‘‘?!」
手にはまだ冷たい感覚が残っている。
「え……。こ、これ僕が……」
すると誰かが先生を呼んだらしい。「大丈夫かぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」という声が響き、その後に聞き覚えのある声で「何事だ!!??」と言う声が聞こえた。
前を見ると、知らない先生と学長先生。学長先生は頭を抱えていた。
「シェ、シェイア!?」
振り向くと奥にレイズがいる。
僕は確実に何かやらかした。
学長室にて……。
「あの魔法は一体どうやって打ったんだ??」
学長先生からしつこく聞かれる。僕はあの時声が聞こえたことと、それ通りにやったらこうなったことを伝えた。
「君は自分が何をしたかはわかっているだろうな……?」
学長先生は事情がよくわかっていなさそうな僕に荒っぽく説明してくれた。
「いいか?あの魔法は特級魔法も超える聖術魔法だ!!……聖術魔法の意味もわかっていなさそうだな!」
先生は荒っぽく椅子に座って話した。
「聖術魔法というのは特級魔術師ですら打つことが難しい魔法なんだ!!聖術魔法はその紋章の神と通じ合っていないと打てないはず……。そして聖術魔法を打っても普通にしていられるのは……。一体君はどこまで私を驚かせてくれるんだ……」
先生は頭を抱えているものの、少し興奮しているようにも見えた。
「すみません!!!!!」
バンッと勢いよくドアが開き、学長室に威勢の良い美声が響いた。
振り返ると制服を来た少年。髪は真っ白の長髪で、自分より少し身長が高めだ。
「先ほどボクはあなたの魔法を見ていたのですが、やはり、無試験入学者!!格が違います!!」
その少年は僕に一気に近づいて問いただした。
「あの魔法は聖術魔法ですよね?!一体そんな高難度の魔法どうやって習得したのでしょうか?!ぜひ!!ぜひ教えていただきたいです!!」
「ああのぉ……な、なんで打てたか自分でもよくわかってなくて……」
少年は僕の手を掴んで大きく縦に振った。
「そうなのですか?!!?!さすがは師匠!!!!ご自身で習得していないと思われていたものを使ってしまうなんて!!!!」
「し、ししょ……」
横目で先生を見たが、そろそろ危なそうだ。
「あ、あの……、早く……早くここから出ないと……」
「ボク師匠に一生ついていきますね!!!」
「出ていけ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
先生はとうとう痺れを切らしたのか、僕たちに怒鳴ってから部屋から追い出した。
「師匠、ボクのことは好き勝手使っていただいて構いませんから!!ボクは師匠が言うのなら荒れ狂う嵐の中、極寒の世界!!燃え盛る炎の中にも飛び込んでいきますよ!!!」
「じゃ、じゃあとりあえず名前を……」
「なんですか??毒蛇に飛び込む??「言ってな……」もちろん飛び込みま……ん……?名前?」
やっと落ち着いたようで、少年は一度、胸のネクタイを直してから改めるように言った。
「申し遅れました。ボクはレイザレル領を統治しているマリザード・レイザレル・ハヴェーニジアの息子である、ステラ・レイザレル・ハヴェーニジアと申します。今後ともよろしくお願いいたします!!師匠!!」
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