消えない幻なら、堕ちるのもいい

Kinon

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「じゃあ、先に準備してきなよ」

 SHRが終わって寮へと直行し。俺の部屋に入るや否や、玲史が言った。

「は? 何のじゅん……」

 聞きかけて、思い当たり。

「アナルに決まって……」
「わかった言うな!」

 玲史を遮って、声を上げる。
 顔がほてる俺を見て、微笑む玲史。

「早くね。あんまり時間ないでしょ? 同室の後輩くん、誰だっけ?」

「坂本……」

「部活終わるの何時?」

「7時頃だが、寮生以外の出入りは夕飯の前まで……つか、わかったってのはそうじゃなくて……」

「やりたくないの?」

「それは……」

 聞かれれば、否定出来ず。

「僕はきみとやりたい。今。ここで」

 玲史に欲されれば。反応する。身体も。心も。
 はじめから、選択肢にノーはないのを思い知る。

「ここじゃ……前みたいに激しいの、は……無理だぞ」

 共有スペースにトイレとシャワーはあるが、寮の部屋だ。今はいないが、2時間半もすりゃ同室の坂本が帰ってくる。個室だが、壁の向こうにも部屋がある。廊下に人も歩く。
 心置きなくセックスするには不向きな場所でやるなら、玲史にセーブしてもらわなけりゃ……。

「うん。ちゃんと手加減するから。清崇きよたかの話、やってから話せるくらいにね」

 笑顔の玲史を見つめる。



 ここでゆっくり話をしたいってのは、口実じゃない。そう思ってオーケーした。沢渡さわたりに送られてきた写真のことが、昨日からずっと気にかかって。ひどく不安で。早く原因を聞いて、出来れば安心したい。
 だから、まずは話が先だろって……けど。
 あとにしたほうがいいか。そうすりゃ、玲史が俺の意識を保っとくはず。
 飛ぶまでやるとかしないだろう。



 そうと決めた途端。身体に燻り出した欲が増す。嫌な予感も心配も押しのけて、欲情がクローズアップされ。

「わかった。待ってろ」

 脱いだブレザーをハンガーにかけるのももどかしいほど、気が急いてくる。

紫道しのみち

 ドアに向かう俺を、玲史が呼び止めて。

「きみがほしい」

 かわいい笑顔はそのままに。瞳だけを獣みたいにギラつかせて、俺を乞う。

「俺も、お前がほしい」

 同じ言葉を返す。
 含む思いは同じじゃないかもしれないが、ほしいものが互いなことに変わりはない。

「待ってろ」

 もう一度言って、洗面所へと急いだ。



 手早くアナルの準備を済ませて戻ると。腰かけてたベッドから立ち上がった玲史は、既に全裸で。既に勃起状態で。
 それでも。軽くシャワーしてくると言って、渡したバスタオルを手に部屋を出た。

 俺もとっくにおっ勃ててるが、いつも余裕な感じの玲史がひとりでいる間からそうなのは……少し意外だ。
 時間に限りがあるから、効率よくスタンバイしといたのか。溜まってるのか。そんなにやりたい気分なのか。そんなに、俺とやりたいのか。
 俺と同じに、ほしいのか。



 玲史も、同じ気持ちで俺を好きなのか……?



 それを望んでる自覚はないが、恋愛なら……望むもんなんだろうな。

 好きな相手に好かれて。
 つき合って。
 セックスして。
 あとは……何だ?
 一緒に飯食って寝て遊んで……未来を約束とかか?

 自分の発想に笑った。

 昨日から、らしくねぇこと考えちまうのが続いてる。
 言動がおかしいのは直ったか?
 まだ不自然か?
 いや。
 らしくねぇのも不自然なのも、嫌な予感のせいだ。
 きっかけのあの写真。清崇の話をするためにここに……っつっても。

 こうなるのは、ハナからわかってた。

 俺の部屋じゃなくても、ゆっくり話せる場所はある。
 玲史が言った通り、期待してたんだ。
 快楽を。
 玲史に突っ込まれるのを。
 俺をほしがられるのを。



 寮でやるとか。バレたらマズいだろ。坂本が早く帰ってくるかもしれねぇ。声が、抑えられなかったら……とか。
 なのに。

 やりたい。



 玲史がほしくてたまらねぇ!



 熱をもって疼く身体はもう、やらずには収まらない。
 腰に巻いたタオルの下でちんぽギンギンにして、狭い部屋をウロウロする。

 そうだ。これ、どかしとかねぇと。あと、何か汚してもいいもんを……。
 畳んだフトンをベッドの足側のパイプにかけ、シーツの上にタオルを敷く。

 あ……ゴムがない。
 ローションは昨日買ったやつが……。

「何探してるの?」

「ぅわ……!」

 背後からの声に、素で驚いた。
 チェストの前に屈んだまま振り向くと、すぐ目の前に玲史の股間。タオル越しでもわかる準備万端のちんぽから目を逸らし、立ち上がる。

「ローション……ゴムはねぇが……」

「きみは使わないもんね。大丈夫。僕が持ってる」

 笑みを浮かべた玲史が、自分のバッグを漁り。

「温感タイプの携帯ローションもあるから、今日はこっちで」

 ゴムの箱と。カップヤキソバのソースみたいなパックと。四角いケースと何かが入った小さなビニール袋を取り出して、それらをベッドに放り。

「準備オッケー」

 俺の腕を引く。

「やろう」

 待てと言うつもりも必要もない。
 のしかかってくる玲史に合わせて、ベッドに倒れ込む。

「れい……っん……」

 開いた口を塞がれ、すぐに舌が入ってきて。熱いそれに口内を舐られ、全身がカッとなる。

「う……はぁっ、ん……うっ……ッ」

 舌を絡めて吸い合って。
 キスだけも気持ちがいいってのに、重ねた下半身からの刺激がたまらねぇ。いつの間にか、腰に巻いてたタオルはなくなってて。俺のちんぽに玲史が膝を擦りつけてて。カウパーで滑りがよくて……。

「もう挿れてほしい?」

「あ……ああ」

「僕も」

 身を起こした玲史が、俺の脚を広げる。

「ここに突っ込んで、ぐちゃぐちゃにしたい」

「玲史、今日は……」

「加減するよ」

「っく……」

 アナルに、冷たくないローションの感触。
 すかさず。玲史の指がズプッと入ってきた。

「っつッ!」

「すぐよくしてあげる」

「あッく、う……ッ!」

 性急に動く指が、あっという間にイイところを捉えて攻める。

「少し痛いのはガマンして」

「いッあっ……!」

 強引に入れられた2本めの指。痛みはあるが、それ以上の快感が身体を奔る。

「声も。今日はガマンでしょ」

「……ッ、ふ……ぅ、んんッ!」

 必死に抑えるも。
 さらに広げられたアナルの中を弄る強い刺激に、声が漏れる。

「泣かせてねだらせたいけど、僕もガマン。まだちょっとキツいかな……でも、時間ないし」

 指が抜かれ。

「余裕もないから……」

「っはッ……うッくッ……ッ!」

 ちんぽが捩じ込まれた。
 ものすごい圧迫感に、息が詰まる。

「れっ……い、まッ……!」

 待て……と言わずにいられないほど、ナカのモノが凶暴で……俺を射る瞳に透ける欲が強烈で……。

「ッひ、うッ! あ、あアッ! か、はッ……!」

 一気に奥まで挿れられたちんぽが腹の奥を突く。
 ズズッと抜かれ、またナカを抉る。

 痛い痛い気持ちいい。痛い痛い気持ちいい。痛い気持ちいい。痛い気持ちいい。気持ちいい痛い気持ちいい。気持ちいい痛い気持ちいい気持ちいい……。

「ごめんね、乱暴にして……でもっ……気持ちよく、なってきたっ……でしょ?」

 涙が出てたのか。俺の目尻を舐めて、玲史が軽くキスを落とす。
 俺に腰を打ちつける速度も落ちた。

「ッはぁ、れ……いじ、どうし……た?」

 お前らしくない、つうのは……おかしい、か。散々イッたが……やったのはこの前が最初で、まだ2回めだ。
 けど、今日の玲史は……どこか……。

「昨日から、きみを抱きたくてしかたないの。今日、どうしてもやりたくて……きみはトクベツだから」

「っう、あッそれ……ッ! くッ……!」

 前立腺をゴリゴリ擦られ、集まった快感が弾けそうになる。

「忘れるとこだった」

 動きを止めた玲史が、何かを手に取り。俺のちんぽを掴んだ。

「うッ何、を……」

 締めつけられるこの感触……。
 下げた視線の先。完勃ちのちんぽの根元が黒っぽい……。



 コックリングだ。



「何度でもイカせてあげるけど、出すのは1回ね」

 楽しげな玲史の声がして、アナルの中を快感が襲った。



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