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2-2 まったりタイム終了
目を瞬いた。
何でいきなり名字呼び?
仲良くなりましょうって言われてるはずなのに、脅されてるような気がするのは何故。
「柏葉……何で……」
「凱だよ」
「は……!?」
「凱って呼んで。柏葉って慣れねぇの。他人みたいに聞こえるからさ」
「ああ……そ……なんだ。じゃあ、凱……」
「ん?」
「何でそう思った? 俺が……素の自分を見せてないって」
ためらいがちな俺の問いに、柏葉……じゃなくて凱が笑う。
「んー……ただの勘?」
はい?
アナタ今、勘って言いました……!?
勘って……ほぼ根拠なしで、俺の委員長仮面を剥ぐつもりかよ!
「俺にはねー、勘が鋭くなる遺伝子が入ってんの」
「遺伝子ってお前……」
凱の瞳から頭髪を見やる。
「お前、日本以外の血が混じってる?」
「そーみたい。親父のほうのじーさんかなんかが、フィンランドかどっかの国の人」
だしぬけな質問に。雑ながらも、素直に答える凱。
「俺はこんなもんだけど、弟は瞳がグレーでかわいいよ」
「へぇ……いいな。会ってみたい。ここに一緒に来てないのか? 来年入学する予定とか」
コイツがかわいがってる弟を見てみたい。
凱につられて、素直に思ったことを口にした。
「来るかもしんねぇけど、ずっと先だぜ。まだ9歳だから」
「年の離れた兄弟なんだな」
「まーね。お前のねえちゃんは近いんだろ? 俺と弟が1、2歳しか違わねぇって発想になんのは」
うっ……鋭いな。
でも、なんかもういいや。
今の自分は、すでに委員長よりも素の俺に近くなっちゃってるし。
「紗羅は……姉は、俺と同い年。双子なんだ」
「へぇ……いーな。俺も会ってみたい」
「真似すんな。それに、紗羅には会わせたくない」
凱がちょっと眉をひそめる。
「お前の大事なねえちゃんに手は出さねぇよ」
「いや。そういう意味じゃなくて……」
会わせたら最後、凱も紗羅の妄想ワールドの餌食になる。
過去に俺のクラスメイトが何人、紗羅の妄想の中でエグいことをさせられたか……。
別にいいんだよ? 自分ひとりで楽しむなら。
紗羅の場合。その妄想を事細かく俺に話して、一緒に萌えることを強要してくるからさ。
次の日学校で本人たちを見て、数々の卑猥なシーンを思い出さざるを得ない俺の身にもなれと言いたい。
いや。何度も言ってはいるんだけど、まともに取り合ってくれないんだなーこれが。
「お前に悪影響があるから」
ちょっと厳しい言い訳だけど、これで納得してくれ。
「機会があれば紹介するよ」
「んじゃ、楽しみにしとく。お前と双子ならいー女だろうしねー。その仲良しねえちゃんといる時のお前と、学校でのお前。同じじゃねぇだろ?」
あ。やっぱりそこに戻るのね。紗羅からうまく話繋げてきたな。
「あのさぁ、誰だって学校では見せないプライベートの顔があって当然じゃん? お前だって、いっつもそれじゃないだろうが」
「そーね。これは素だけど、ほかにも二つ三つあるかなー」
「じゃあ別にいいだろ。俺がクラスで委員長の皮被ってるからって、お前にケチつけられる謂れはないよな」
「早瀬」
凱が真摯な眼差しを俺に向ける。
「……何だよ」
「俺は、お前が委員長としてここでうまくやってることに何の文句もねぇよ。顔を使い分けんのには利点っつーか、理由があんだろ? 俺もそーしたいの。だから、教えて」
うわ……コイツ、なんかヤバい!
うっかり言うこと聞いちゃいそう。
どうやってその無垢な表情を作ってるのか、俺のほうこそ教えて?
「先にこの学校のこと教えるよ。それが前提にないと、理由も何もないからな」
「うん。サンキュ」
ここで素直に感謝。
そして、笑む。
お前それ、ほんとに素なの? 極上のフェイク?
わざとやってるのも怖いけど、ただただ無自覚だとしたらもっと怖いんだけど。
面倒見の良い委員長が転校生の質問に快く回答するべく、凱の笑顔に軽く頷いた。
学校についての説明をするだけなのに。なんだか落ち着かない気分になるのはどうしてか。
先にある何かにためらうような、期待するような…変な感じ。
でもさ。
さしたる要因もなく。なんとなくだけで起きることなんて、誰も予想出来ないだろ。
抗う術もなく流れに身を任せるしかない時もある。それを思い出した俺。
逆らわないってのも、たまには必要だよな。
何でいきなり名字呼び?
仲良くなりましょうって言われてるはずなのに、脅されてるような気がするのは何故。
「柏葉……何で……」
「凱だよ」
「は……!?」
「凱って呼んで。柏葉って慣れねぇの。他人みたいに聞こえるからさ」
「ああ……そ……なんだ。じゃあ、凱……」
「ん?」
「何でそう思った? 俺が……素の自分を見せてないって」
ためらいがちな俺の問いに、柏葉……じゃなくて凱が笑う。
「んー……ただの勘?」
はい?
アナタ今、勘って言いました……!?
勘って……ほぼ根拠なしで、俺の委員長仮面を剥ぐつもりかよ!
「俺にはねー、勘が鋭くなる遺伝子が入ってんの」
「遺伝子ってお前……」
凱の瞳から頭髪を見やる。
「お前、日本以外の血が混じってる?」
「そーみたい。親父のほうのじーさんかなんかが、フィンランドかどっかの国の人」
だしぬけな質問に。雑ながらも、素直に答える凱。
「俺はこんなもんだけど、弟は瞳がグレーでかわいいよ」
「へぇ……いいな。会ってみたい。ここに一緒に来てないのか? 来年入学する予定とか」
コイツがかわいがってる弟を見てみたい。
凱につられて、素直に思ったことを口にした。
「来るかもしんねぇけど、ずっと先だぜ。まだ9歳だから」
「年の離れた兄弟なんだな」
「まーね。お前のねえちゃんは近いんだろ? 俺と弟が1、2歳しか違わねぇって発想になんのは」
うっ……鋭いな。
でも、なんかもういいや。
今の自分は、すでに委員長よりも素の俺に近くなっちゃってるし。
「紗羅は……姉は、俺と同い年。双子なんだ」
「へぇ……いーな。俺も会ってみたい」
「真似すんな。それに、紗羅には会わせたくない」
凱がちょっと眉をひそめる。
「お前の大事なねえちゃんに手は出さねぇよ」
「いや。そういう意味じゃなくて……」
会わせたら最後、凱も紗羅の妄想ワールドの餌食になる。
過去に俺のクラスメイトが何人、紗羅の妄想の中でエグいことをさせられたか……。
別にいいんだよ? 自分ひとりで楽しむなら。
紗羅の場合。その妄想を事細かく俺に話して、一緒に萌えることを強要してくるからさ。
次の日学校で本人たちを見て、数々の卑猥なシーンを思い出さざるを得ない俺の身にもなれと言いたい。
いや。何度も言ってはいるんだけど、まともに取り合ってくれないんだなーこれが。
「お前に悪影響があるから」
ちょっと厳しい言い訳だけど、これで納得してくれ。
「機会があれば紹介するよ」
「んじゃ、楽しみにしとく。お前と双子ならいー女だろうしねー。その仲良しねえちゃんといる時のお前と、学校でのお前。同じじゃねぇだろ?」
あ。やっぱりそこに戻るのね。紗羅からうまく話繋げてきたな。
「あのさぁ、誰だって学校では見せないプライベートの顔があって当然じゃん? お前だって、いっつもそれじゃないだろうが」
「そーね。これは素だけど、ほかにも二つ三つあるかなー」
「じゃあ別にいいだろ。俺がクラスで委員長の皮被ってるからって、お前にケチつけられる謂れはないよな」
「早瀬」
凱が真摯な眼差しを俺に向ける。
「……何だよ」
「俺は、お前が委員長としてここでうまくやってることに何の文句もねぇよ。顔を使い分けんのには利点っつーか、理由があんだろ? 俺もそーしたいの。だから、教えて」
うわ……コイツ、なんかヤバい!
うっかり言うこと聞いちゃいそう。
どうやってその無垢な表情を作ってるのか、俺のほうこそ教えて?
「先にこの学校のこと教えるよ。それが前提にないと、理由も何もないからな」
「うん。サンキュ」
ここで素直に感謝。
そして、笑む。
お前それ、ほんとに素なの? 極上のフェイク?
わざとやってるのも怖いけど、ただただ無自覚だとしたらもっと怖いんだけど。
面倒見の良い委員長が転校生の質問に快く回答するべく、凱の笑顔に軽く頷いた。
学校についての説明をするだけなのに。なんだか落ち着かない気分になるのはどうしてか。
先にある何かにためらうような、期待するような…変な感じ。
でもさ。
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逆らわないってのも、たまには必要だよな。
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