21 / 246
9-2 俺も、慰められるかな?
改札を抜けて、深音の家を目指すその道中。
俺の心中を察してかどうか。
深音は黙って隣を歩く。
き……気マズいんですけど。とっても。
これからセックスするような雰囲気じゃないじゃん……!
いや。十分承知してるよ?
あの途切れた会話の続きは、俺が始めなきゃって。
深音はそれを待ってるって。
でも、自分でも実体を掴めてない涼弥に対する気持ちを、表す言葉が見つからない。
だから、話題を変えよう。
男らしくなくて結構。臆病者なの俺は。
そう思った矢先。深音が先に口を開く。
「將梧はまだ自覚してないのかもしれないけど……」
あー……変え損なったね。話題。
「あんな瞳で見てたら、私みたいにもしかしたらって考えの下地のある人がいたら……気づくと思う。涼弥くんのこと」
「いつから? 俺、そう思われるようなことしたか言った?」
涼弥をどう思ってるのか。追求しないでくれることに甘えて話を進める俺。
「決定的だったのは今日のだけど、夏くらいからかな? たまーにあの人の話が出た時の口調の変化とか。コミケ帰りにみんなでお宝読んで、紗羅がこのキャラ涼弥にそっくりーって騒いだ時とか」
そう……怒ったんだよね。全然似てないだろってムキになって。
「わかった。納得」
深音が問うように首を傾げる。
「たださ、俺自身まだハッキリわからないんだ。友達だからもともと好きだし、恋愛感情かって聞かれたら違う気もするしで」
「涼弥くんとセックスしたいって思う? 挿れたいとか挿れられたいとか」
う……ドストレートにきたね。さすが腐女子。
男同士のアレコレを恥ずかし気もなく話せるってスゴイよ。
「思わないから問題なんだ」
深音の家の前に到着。
「俺、自分が男と出来る気がしない」
中学の時。
同学年のヤツらや先輩たちに、何度か襲われたことがある。
だけど、全部未遂で済んで。
服剥ぎ取られて床に押さえつけられて、撫で回されたこともあったけどその程度。
でも。
男にムリヤリやられそうになった恐怖は、リアルに感じた。
男に欲情しない原因は、腐男子なことプラスこの恐怖感だって……薄々は気づいてたんだ。
そして、あの高1の終わり。
中等部の校舎の裏や校庭の隅や放課後の教室で複数人に襲われるのと違い、ひとりの信頼してた先輩の寮の部屋。ベッドの上で犯されかけた。
ご丁寧に両手両足を拘束され、口は塞がれ。用意周到にローションまで垂らされて。
尻の穴に挿入された指の感覚と、諦めと絶望の混じったあの恐怖がセットになって。
その結果。
突っ込まれる恐怖感は突っ込む嫌悪感へと繋がり、攻め受け両方にマイナスイメージを抱くことに。
それでもさ。
実践するのには怖気づいても、やりたくはなると思うんだよね。ムラッとして脳内で抱いたり抱かれたりを妄想するとか。
好きな相手がいればその相手とのセックスを想像するもんなんだろ? 普通は。
なのに。
たとえ恋愛感情で好きだとしても、涼弥と何かする妄想には歯止めがかかる。
そこには、ほかの理由もあるからだけど……本当は俺自身が認めたくないだけ。
往生際が悪いって、かなりやっかいな欠点だよな。
あー……なんか落ち込んできた。
男と出来る気がしないって言ったけど、深音とも今出来るかわからない。
家に入ってすぐシャワーを浴びて。カーテンの引かれた薄暗い深音の部屋で、ひとり待ってる俺。
腰にバスタオルを巻いただけの恰好で、ベッドに腰かけてジッとしてる。
引き受けたからには気持ちを切り替えて、最善を尽くさねば!
薄い本でも眺めながら、自分でちょっと扱いといたほうがいいかなー。
それやったら女のコに失礼かなー。
でも、勃たないほうが失礼だろうしなー。
俺がBLオカズに抜いてること深音は知ってるし、今さらオナニー現場見たからって気にしないと思うしなーたぶん。
軽く人格崩れかけてるね、俺も。
はぁー。いろんなこと忘れたい。
深音が言ったように。嫌な記憶も涼弥のことも、自分のこのグチャグチャした気持ちも。
凱が言ったみたいに、頭空っぽにしたい。
俺も……セックスで慰められるかな?
「お待たせ」
バスタオル1枚で深音が部屋に戻ってきた。
女の裸体に特別興奮しなくても、物理的な刺激でペニスはちゃんと反応してくれる。
さらに今は、セックスって行為に前向きな期待を抱く俺。
大丈夫。やれるよな?
俺の心中を察してかどうか。
深音は黙って隣を歩く。
き……気マズいんですけど。とっても。
これからセックスするような雰囲気じゃないじゃん……!
いや。十分承知してるよ?
あの途切れた会話の続きは、俺が始めなきゃって。
深音はそれを待ってるって。
でも、自分でも実体を掴めてない涼弥に対する気持ちを、表す言葉が見つからない。
だから、話題を変えよう。
男らしくなくて結構。臆病者なの俺は。
そう思った矢先。深音が先に口を開く。
「將梧はまだ自覚してないのかもしれないけど……」
あー……変え損なったね。話題。
「あんな瞳で見てたら、私みたいにもしかしたらって考えの下地のある人がいたら……気づくと思う。涼弥くんのこと」
「いつから? 俺、そう思われるようなことしたか言った?」
涼弥をどう思ってるのか。追求しないでくれることに甘えて話を進める俺。
「決定的だったのは今日のだけど、夏くらいからかな? たまーにあの人の話が出た時の口調の変化とか。コミケ帰りにみんなでお宝読んで、紗羅がこのキャラ涼弥にそっくりーって騒いだ時とか」
そう……怒ったんだよね。全然似てないだろってムキになって。
「わかった。納得」
深音が問うように首を傾げる。
「たださ、俺自身まだハッキリわからないんだ。友達だからもともと好きだし、恋愛感情かって聞かれたら違う気もするしで」
「涼弥くんとセックスしたいって思う? 挿れたいとか挿れられたいとか」
う……ドストレートにきたね。さすが腐女子。
男同士のアレコレを恥ずかし気もなく話せるってスゴイよ。
「思わないから問題なんだ」
深音の家の前に到着。
「俺、自分が男と出来る気がしない」
中学の時。
同学年のヤツらや先輩たちに、何度か襲われたことがある。
だけど、全部未遂で済んで。
服剥ぎ取られて床に押さえつけられて、撫で回されたこともあったけどその程度。
でも。
男にムリヤリやられそうになった恐怖は、リアルに感じた。
男に欲情しない原因は、腐男子なことプラスこの恐怖感だって……薄々は気づいてたんだ。
そして、あの高1の終わり。
中等部の校舎の裏や校庭の隅や放課後の教室で複数人に襲われるのと違い、ひとりの信頼してた先輩の寮の部屋。ベッドの上で犯されかけた。
ご丁寧に両手両足を拘束され、口は塞がれ。用意周到にローションまで垂らされて。
尻の穴に挿入された指の感覚と、諦めと絶望の混じったあの恐怖がセットになって。
その結果。
突っ込まれる恐怖感は突っ込む嫌悪感へと繋がり、攻め受け両方にマイナスイメージを抱くことに。
それでもさ。
実践するのには怖気づいても、やりたくはなると思うんだよね。ムラッとして脳内で抱いたり抱かれたりを妄想するとか。
好きな相手がいればその相手とのセックスを想像するもんなんだろ? 普通は。
なのに。
たとえ恋愛感情で好きだとしても、涼弥と何かする妄想には歯止めがかかる。
そこには、ほかの理由もあるからだけど……本当は俺自身が認めたくないだけ。
往生際が悪いって、かなりやっかいな欠点だよな。
あー……なんか落ち込んできた。
男と出来る気がしないって言ったけど、深音とも今出来るかわからない。
家に入ってすぐシャワーを浴びて。カーテンの引かれた薄暗い深音の部屋で、ひとり待ってる俺。
腰にバスタオルを巻いただけの恰好で、ベッドに腰かけてジッとしてる。
引き受けたからには気持ちを切り替えて、最善を尽くさねば!
薄い本でも眺めながら、自分でちょっと扱いといたほうがいいかなー。
それやったら女のコに失礼かなー。
でも、勃たないほうが失礼だろうしなー。
俺がBLオカズに抜いてること深音は知ってるし、今さらオナニー現場見たからって気にしないと思うしなーたぶん。
軽く人格崩れかけてるね、俺も。
はぁー。いろんなこと忘れたい。
深音が言ったように。嫌な記憶も涼弥のことも、自分のこのグチャグチャした気持ちも。
凱が言ったみたいに、頭空っぽにしたい。
俺も……セックスで慰められるかな?
「お待たせ」
バスタオル1枚で深音が部屋に戻ってきた。
女の裸体に特別興奮しなくても、物理的な刺激でペニスはちゃんと反応してくれる。
さらに今は、セックスって行為に前向きな期待を抱く俺。
大丈夫。やれるよな?
あなたにおすすめの小説
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する幼少中高大院までの一貫校だ。しかし学校の規模に見合わず生徒数は一学年300人程の少人数の学院で、他とは少し違う校風の学院でもある。
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
男子寮のベットの軋む音
なる
BL
ある大学に男子寮が存在した。
そこでは、思春期の男達が住んでおり先輩と後輩からなる相部屋制度。
ある一室からは夜な夜なベットの軋む音が聞こえる。
女子禁制の禁断の場所。
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。