37 / 246
15-1 ゲイ、バイ、ノンケ、不明の4人でランチ
2‐Bの教室に到着。
昼休みも残り30分を切り、昼飯を食べてる人間はもうほとんどいない。
凱と鈴屋に加わって、短めのランチタイムだ。
「委員長と御坂も助けに来てくれたんだってね。ありがとう」
俺と御坂に鈴屋が言った。
「助かったよ。斉木さん、一学期からしつこくて困ってたんだ。これで諦めてくれるといいんだけど」
「もとはゲームの対象にされたんだよね。結局、鈴屋は誰にも落ちなかったんだろ?」
「うん。僕はこの学園の生徒とつき合う気ないから」
御坂の質問の答えに、引っかかったのは俺。
「うちの生徒じゃなきゃいいのか? つまり……男でも?」
「そう……僕、女は苦手なんだ。男は平気。だけど、いろいろ面倒だから、僕がゲイだってことは内緒にしておいて」
クールな笑みを浮かべる鈴屋を、まじまじと見る。
鈴屋がゲイ……いや、全然いいんだよ? そこまで意外でもないし。
ただ、たださ。
男は平気って言い切れるってことは……自分が男とセックス出来るって知ってるんだよな。
つき合ったことがあるのか試したのか……どっちにしろ、判明してるのは羨ましい。
「わかった」
俺と同時に、御坂と凱も了承する。
そして、凱が続ける。
「俺もほんとは、男もオッケー」
「そうなの?」
すかさず御坂が口を開く。
「どっちもアリ?」
「うん。どうせ好きとかつき合うとかねぇからさ。必要ならどっちの相手も出来るほうが、便利だしねー。將梧には昨日言ったけど、色恋に巻き込まれんのは嫌なの。だから、ほかのヤツらにはノンケってことで」
御坂がチラリと俺を見やる。
言いたいことはわかるって意味を込めて、頷いて口角を上げた。
恋愛感情も関係もなく、女とも男ともセックスする……必要があれば。
御坂も。凱のこのスタンスに、何ソレ感があるんだよね。
たぶん、俺とポイントは違うだろうけど。
「でも、さっきみたいな状況で強姦されたら許せないよね? 凱も」
鋭い瞳で鈴屋が凱を見る。
「当然だろ」
「自分を、じゃなくてもでしょ?」
「誰でも。ムリヤリやるヤツには、二度とそーゆー気起きねぇくらいのダメージ与えてやる」
「その時は僕も参加させてね」
物騒な凱の言葉に、嬉しそうに微笑む鈴屋。
同質の視線を絡め合う二人を包む黒いオーラを感じる……まぁ、俺もムリヤリは許せない、最低な行為だと思うよ。
「ねぇ、凱。聞きたいんだけどさ。お前が自分からやりたくなるのは女? 男?」
「んー……どっちがいーとかねぇな。あったかくて気持ちよくなんのは変わんねぇじゃん? ちゃんと知ってるヤツで、向こうもやりたい気分ならどっちでもいーの」
「そっか……俺は、男は無理だ」
「僕も女とはしたくない」
御坂と鈴屋がコメントし、視線を俺に向ける。
「委員長は? 彼女いるんだよね。男も平気?」
「俺……は、試したことないから何とも言えない、かな……」
う……実は好きなヤツは男です、なんて言えない。
ましてや、男とセックス出来るか試す気がある……なんて。
「じゃあ、バイの可能性あるんだ」
「どう……だろうな」
鈴屋から外した視線を、つい凱に留めた。邪気のない瞳が俺を見つめる。
「試したくなったら相手するぜ?」
ヤバ……!
今俺、『ほんと? いいの?』って顔しちゃってなかったか……!?
本気でマズい。
黙ってたらさらにマズいだろ!
ここは冗談で流そう、うん。
「あー……じゃあ、その時はよろしく……」
あれ? なんか冗談になってないっぽい……!?
もしかしなくても、凱は普通に本気でオファーしてたとしたら……俺、受ける意思アリってことに……。
「うん。気が向いたらどーぞ」
凱の屈託のない笑み。
鈴屋の生あたたかい眼差し。
そして、微かに眉を寄せて俺に問う御坂の瞳。
お前、本当に男と試す気あるの? 凱と!?
その答えは俺の中で、もともと5.5割くらいイエスだった。
それが今。
凱が自分から口にしたことで、一気に9割まで上昇した……気がする。
「早く食っちゃわないとな。5限、集会だろ?」
今の会話が何でもないことみたいに残りの昼食を頬張って、お茶で流し込む俺。
「そうだ、鈴屋。お前、暫くはひとりにならないほうがいい。斉木たちがまた何かしてきたら危ないからさ」
「うん。わかった」
鈴屋は、俺の忠告に素直に頷いた。
「凱も気をつけろよ。水本のヤツ、江藤と仲いいらしいから逆恨みしてるかも」
「オッケー。あ、將梧。涼弥はお前が連れて来たの?」
「え? いや、あいつは先に来てた。A組のヤツらが、鈴屋とお前が水本と揉めていなくなったこと話してたら駆けてったって」
「ふうん……」
「鈴屋はA組の杉原、知り合い?」
何やら考え込む凱を横目に、御坂が鈴屋に尋ねる。
「ううん。あの背の高いポニテの人でしょ? 話したこともないと思う。心配して来てくれたのかな? 悪そうに見えて正義感の強い人だね」
「心配……か。うん。杉原も、さっきみたいなこと許せないタイプなんだろうな」
御坂が自分を納得させるように頷いた。
俺の中では、どこか解せないとこがある。
涼弥は確かに正義感が強い。
だけど、全てに誰に対してもじゃない。善良な自分に酔うナルシストでも偽善者でもないし、正義の定義も少しズレてるし。
少なくとも。
赤の他人や全く気にかけてない人間を、あやふやな情報でわざわざ助けに走るなんて稀だ。
もちろん、目の前で誰かが助けを求めてたら、迷わず手を貸すだろうけどさ。
今回の場合、鈴屋は同じ学園の同級生なだけ。昨日の女子部でのやり取りを思い出すと、凱とは良好な友人関係を築き始めたっていうには微妙な感じだったような……。
涼弥はどっちを助けたかったんだ? どっちもか? 純粋な正義感で?
あ。忘れてた。
水本だ!
二人を連れてったのが水本と江藤だって聞いたから……それはあり得る。
高1の終わり。俺がレイプされかけた件でぎこちない関係になる直前、涼弥から水本との衝突の顛末を聞かされた。それを考えると頷ける。
滅多なことで自分からケンカは売らない涼弥だけど。水本のことは、チャンスがあればぶちのめしたい相手のはずだから……悪事の現場に居合わせるのはうってつけだ。
涼弥はわりと執念深い。
諦めるとか、可能性がゼロになるまでしないだろ。
それって、プラスにもマイナスにもなる性格だよな。
昼休みも残り30分を切り、昼飯を食べてる人間はもうほとんどいない。
凱と鈴屋に加わって、短めのランチタイムだ。
「委員長と御坂も助けに来てくれたんだってね。ありがとう」
俺と御坂に鈴屋が言った。
「助かったよ。斉木さん、一学期からしつこくて困ってたんだ。これで諦めてくれるといいんだけど」
「もとはゲームの対象にされたんだよね。結局、鈴屋は誰にも落ちなかったんだろ?」
「うん。僕はこの学園の生徒とつき合う気ないから」
御坂の質問の答えに、引っかかったのは俺。
「うちの生徒じゃなきゃいいのか? つまり……男でも?」
「そう……僕、女は苦手なんだ。男は平気。だけど、いろいろ面倒だから、僕がゲイだってことは内緒にしておいて」
クールな笑みを浮かべる鈴屋を、まじまじと見る。
鈴屋がゲイ……いや、全然いいんだよ? そこまで意外でもないし。
ただ、たださ。
男は平気って言い切れるってことは……自分が男とセックス出来るって知ってるんだよな。
つき合ったことがあるのか試したのか……どっちにしろ、判明してるのは羨ましい。
「わかった」
俺と同時に、御坂と凱も了承する。
そして、凱が続ける。
「俺もほんとは、男もオッケー」
「そうなの?」
すかさず御坂が口を開く。
「どっちもアリ?」
「うん。どうせ好きとかつき合うとかねぇからさ。必要ならどっちの相手も出来るほうが、便利だしねー。將梧には昨日言ったけど、色恋に巻き込まれんのは嫌なの。だから、ほかのヤツらにはノンケってことで」
御坂がチラリと俺を見やる。
言いたいことはわかるって意味を込めて、頷いて口角を上げた。
恋愛感情も関係もなく、女とも男ともセックスする……必要があれば。
御坂も。凱のこのスタンスに、何ソレ感があるんだよね。
たぶん、俺とポイントは違うだろうけど。
「でも、さっきみたいな状況で強姦されたら許せないよね? 凱も」
鋭い瞳で鈴屋が凱を見る。
「当然だろ」
「自分を、じゃなくてもでしょ?」
「誰でも。ムリヤリやるヤツには、二度とそーゆー気起きねぇくらいのダメージ与えてやる」
「その時は僕も参加させてね」
物騒な凱の言葉に、嬉しそうに微笑む鈴屋。
同質の視線を絡め合う二人を包む黒いオーラを感じる……まぁ、俺もムリヤリは許せない、最低な行為だと思うよ。
「ねぇ、凱。聞きたいんだけどさ。お前が自分からやりたくなるのは女? 男?」
「んー……どっちがいーとかねぇな。あったかくて気持ちよくなんのは変わんねぇじゃん? ちゃんと知ってるヤツで、向こうもやりたい気分ならどっちでもいーの」
「そっか……俺は、男は無理だ」
「僕も女とはしたくない」
御坂と鈴屋がコメントし、視線を俺に向ける。
「委員長は? 彼女いるんだよね。男も平気?」
「俺……は、試したことないから何とも言えない、かな……」
う……実は好きなヤツは男です、なんて言えない。
ましてや、男とセックス出来るか試す気がある……なんて。
「じゃあ、バイの可能性あるんだ」
「どう……だろうな」
鈴屋から外した視線を、つい凱に留めた。邪気のない瞳が俺を見つめる。
「試したくなったら相手するぜ?」
ヤバ……!
今俺、『ほんと? いいの?』って顔しちゃってなかったか……!?
本気でマズい。
黙ってたらさらにマズいだろ!
ここは冗談で流そう、うん。
「あー……じゃあ、その時はよろしく……」
あれ? なんか冗談になってないっぽい……!?
もしかしなくても、凱は普通に本気でオファーしてたとしたら……俺、受ける意思アリってことに……。
「うん。気が向いたらどーぞ」
凱の屈託のない笑み。
鈴屋の生あたたかい眼差し。
そして、微かに眉を寄せて俺に問う御坂の瞳。
お前、本当に男と試す気あるの? 凱と!?
その答えは俺の中で、もともと5.5割くらいイエスだった。
それが今。
凱が自分から口にしたことで、一気に9割まで上昇した……気がする。
「早く食っちゃわないとな。5限、集会だろ?」
今の会話が何でもないことみたいに残りの昼食を頬張って、お茶で流し込む俺。
「そうだ、鈴屋。お前、暫くはひとりにならないほうがいい。斉木たちがまた何かしてきたら危ないからさ」
「うん。わかった」
鈴屋は、俺の忠告に素直に頷いた。
「凱も気をつけろよ。水本のヤツ、江藤と仲いいらしいから逆恨みしてるかも」
「オッケー。あ、將梧。涼弥はお前が連れて来たの?」
「え? いや、あいつは先に来てた。A組のヤツらが、鈴屋とお前が水本と揉めていなくなったこと話してたら駆けてったって」
「ふうん……」
「鈴屋はA組の杉原、知り合い?」
何やら考え込む凱を横目に、御坂が鈴屋に尋ねる。
「ううん。あの背の高いポニテの人でしょ? 話したこともないと思う。心配して来てくれたのかな? 悪そうに見えて正義感の強い人だね」
「心配……か。うん。杉原も、さっきみたいなこと許せないタイプなんだろうな」
御坂が自分を納得させるように頷いた。
俺の中では、どこか解せないとこがある。
涼弥は確かに正義感が強い。
だけど、全てに誰に対してもじゃない。善良な自分に酔うナルシストでも偽善者でもないし、正義の定義も少しズレてるし。
少なくとも。
赤の他人や全く気にかけてない人間を、あやふやな情報でわざわざ助けに走るなんて稀だ。
もちろん、目の前で誰かが助けを求めてたら、迷わず手を貸すだろうけどさ。
今回の場合、鈴屋は同じ学園の同級生なだけ。昨日の女子部でのやり取りを思い出すと、凱とは良好な友人関係を築き始めたっていうには微妙な感じだったような……。
涼弥はどっちを助けたかったんだ? どっちもか? 純粋な正義感で?
あ。忘れてた。
水本だ!
二人を連れてったのが水本と江藤だって聞いたから……それはあり得る。
高1の終わり。俺がレイプされかけた件でぎこちない関係になる直前、涼弥から水本との衝突の顛末を聞かされた。それを考えると頷ける。
滅多なことで自分からケンカは売らない涼弥だけど。水本のことは、チャンスがあればぶちのめしたい相手のはずだから……悪事の現場に居合わせるのはうってつけだ。
涼弥はわりと執念深い。
諦めるとか、可能性がゼロになるまでしないだろ。
それって、プラスにもマイナスにもなる性格だよな。
あなたにおすすめの小説
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する幼少中高大院までの一貫校だ。しかし学校の規模に見合わず生徒数は一学年300人程の少人数の学院で、他とは少し違う校風の学院でもある。
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
男子寮のベットの軋む音
なる
BL
ある大学に男子寮が存在した。
そこでは、思春期の男達が住んでおり先輩と後輩からなる相部屋制度。
ある一室からは夜な夜なベットの軋む音が聞こえる。
女子禁制の禁断の場所。
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。