リアルBL!不安な俺の恋愛ハードルート

Kinon

文字の大きさ
163 / 246

39-4 お前は、俺が傷つくことはしない

しおりを挟む
 写真部での撮影を終えたあと。
 涼弥にメールして美術室で時間を潰し、一緒に帰った。

 予定通り、明日セックスするから……公園に寄ってイチャつくことなく、それぞれの家へ。
 前日に気分が高まり過ぎても困るし、早く寝て体力チャージしときたいからさ。



 そして。
 朝から落ち着かない木曜日が始まった。

 俺…何で今からこんな緊張気味?
 もちろん、涼弥とはじめてセックスするから、ドキドキもワクワクもしてるけど。フェラとかエロいことはしたじゃん? 挿れられるのははじめてだからか?

 あ……そうか。
 セックスしたことはあっても。恋愛感情で好きな相手とするのは、はじめてなんだ。
 だから、気負ってるのか。

 たとえば、1年後。
 涼弥とやることに慣れちゃったら、また別の感覚で。それはそれでいいものなんだろうけど……。



 今だけの、期待と不安ミックスのこのフワフワ感……これも悪くない。



 そんな感じで浮足立った感じの俺に、目ざとい友人が気づいた。

將梧そうご、変」

 昼休み。玲史れいじの的確なひと言が、学祭の仕掛け作りの詳細決めを中断させる。
 ゾンビ役の玲史と紫道しのみち、エスコート役の俺の3人が同じグループだ。

「そう……?」

「うん。浮ついてる。何かあった? それとも、何かあるの? 今日」

 俺をじっと見る玲史の目力に、ごまかせないことを一瞬で悟る俺。

「今日……涼弥とやる」

 一瞬の間。
 玲史が瞳を輝かせ、紫道が案をまとめてたノートから顔を上げた。

「へぇ! とうとう……いいな」

 意味ありげに、玲史がチラッと紫道を見やる。

「こっちは委員決定までお預けなのに」

「約束だろ」

 すげなく言って、紫道が俺を見る。

「涼弥のケガはいいのか?」

「ん……もう待てないから。俺も涼弥も」

 南海みなみとの一件は、言ってない。

「気をつけてやる」

「そうか。まぁ……しっかりな」

 励ますように笑みを浮かべる紫道は、エロトークは苦手なはず。最初がムリヤリなら、なおさらだ。

「そう。しっかり準備してから、挿れてもらいなよ」

 エロ話が進まないようにしなきゃって俺に対し、そんなのおかまいなしの玲史。

「痛いのが気持ちいいとか、ないんでしょ? 將梧は」

「ない。痛いのは嫌だ」

「じゃあ、杉原に焦らないでゆっくりしてって言わないとね。経験あるんだっけ?」

「ある。けど、慣れてはいないと思う……言っとく」

「裂けたら痛いよ。やってる最中は快感に逃げられても、あとでくるから」

 紫道とともに、玲史を見つめる。

「僕はバリタチだけど。最初の頃にネコも試したし、レイプされたことも何度かあるから。ヘタクソなバカどもにね」

「玲史……」

「やられるのは、ほんと屈辱。怖くも傷つきもしないけど、ムカつく。僕は自分が支配する側じゃなきゃ、満足出来ない」

 玲史のタフな思考に、何て言うべきかわからず。

「ネコの感覚がわかるから、僕はいいタチでサドなの。紫道のこと、ギリギリのとこで攻めてあげる。安心して支配されて」

 言葉とは裏腹なやさしい笑顔を向ける玲史に、紫道は笑った。

「俺は別にマゾのネコってわけじゃない。どうするんだ?」

「もちろん。僕好みに調教するよ」

「出来るならやってみるんだな」

 二人のやり取りは、和やか風味……邪魔しないよう、このままおとなしく……。

「楽しみだね。ま、とにかく」

 玲史の視線が俺に移る。

「將梧は思ったより従順じゃなさそうだし、杉原は攻めるの好きそうだし……どんなセックスするか興味あるな。見てみたい」

「ダメ。見せるもんじゃないだろ」

「興奮するよ?」

「おい。俺も嫌だぞ」

 俺に続き、NGを出す紫道。

「はいはい。今は嫌でも、先はわからないでしょ」

 紫道は、反論せずに溜息をついた。
 玲史とつき合うの……大変そうだ。



 こんな調子で。学祭の案を詰める作業は少ししか進まないまま、昼休みは終了。

 続く5、6限目は、芸術じゃなく学祭準備。
 実行委員会のあった火曜から、学祭は実行委員主導になり。クラス委員はその他大勢とともに、自分の担当の準備に集中出来る。
 この時間にそれぞれの仕掛け、装飾に必要な物をリストアップして提出。明日にはクラス予算が割り振られ、来週から材料を揃えて実作業に入るとのこと。

 バタバタしてて実感ないけど、学祭まであと1週間ちょっとだもんな。



 そして、SHL終了。

かい。ひと言、アドバイスして」

 最後に。
 凱からの助言がほしい。

 ガタガタと席を立つクラスメイトたちをよそに、隣を向いて唐突に頼んだ。

「んー何の?」

「今日、涼弥とやる。俺に何か言って」

 片方の眉と唇の端を上げた凱の瞳が笑う。

「快楽の入り口」

「そ……」

 れって、アナル……。

「涼弥が入ったら一緒に楽しめばいーの。気持ちよがるだけで、あいつ喜ぶぜ? お前、勘も感度もいーからさー。そのままで十分」

「そう……かな。うん……ありがと……」

 望み通り、気が楽になった……感謝。

「好きな男とだろ。溺れろよ、めいっぱい」

 凱と見つめ合って、微笑んだ。

「ん。わかった」

「明日、肩貸してあげるねー」

「助かるよ」

 朝よりもリラックスして、教室を出た。



 2-Aの前で涼弥と会い。
 学祭の話をしながら、学園を後にする。

 今日のビッグイベントについて触れたのは、電車に乗ってからだ。

「気……変わってないか?」

「うん。やる。お前は?」

 涼弥に聞かれて、答えて聞き返す。

「変わらない。ただ……あんま自信がねぇ」

「何の?」

「……暴走しそうだ」

「大丈夫。俺の声は聞こえるだろ」

 合わせた目で、涼弥を安心させる……そこのところを不安がる必要はないんだって。

「お前は、俺が傷つくことはしない。気持ちいいことだけ。だから、大丈夫だ」

 お互いの瞳に同じ熱が増すのを見て、俺と涼弥は期待を胸に電車を降りた。



 家に着き。自室に入るまで待って、俺たちはキスをした。

 この先を我慢しなくていいキスは、何故かゆっくりで。少しずつ気分を高めるように丁寧で。 
 わざと自分たちを焦らして楽しんでるみたいだ。



しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

男子寮のベットの軋む音

なる
BL
ある大学に男子寮が存在した。 そこでは、思春期の男達が住んでおり先輩と後輩からなる相部屋制度。 ある一室からは夜な夜なベットの軋む音が聞こえる。 女子禁制の禁断の場所。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

  【完結】 男達の性宴

蔵屋
BL
  僕が通う高校の学校医望月先生に  今夜8時に来るよう、青山のホテルに  誘われた。  ホテルに来れば会場に案内すると  言われ、会場案内図を渡された。  高三最後の夏休み。家業を継ぐ僕を  早くも社会人扱いする両親。  僕は嬉しくて夕食後、バイクに乗り、  東京へ飛ばして行った。

陰キャ系腐男子はキラキラ王子様とイケメン幼馴染に溺愛されています!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 まったり書いていきます。 2024.05.14 閲覧ありがとうございます。 午後4時に更新します。 よろしくお願いします。 栞、お気に入り嬉しいです。 いつもありがとうございます。 2024.05.29 閲覧ありがとうございます。 m(_ _)m 明日のおまけで完結します。 反応ありがとうございます。 とても嬉しいです。 明後日より新作が始まります。 良かったら覗いてみてください。 (^O^)

うちの前に落ちてたかわいい男の子を拾ってみました。 【完結】

まつも☆きらら
BL
ある日、弟の海斗とマンションの前にダンボールに入れられ放置されていた傷だらけの美少年『瑞希』を拾った優斗。『1ヵ月だけ置いて』と言われ一緒に暮らし始めるが、どこか危うい雰囲気を漂わせた瑞希に翻弄される海斗と優斗。自分のことは何も聞かないでと言われるが、瑞希のことが気になって仕方ない2人は休みの日に瑞希の後を尾けることに。そこで見たのは、中年の男から金を受け取る瑞希の姿だった・・・・。

借金のカタに同居したら、毎日甘く溺愛されてます

なの
BL
父親の残した借金を背負い、掛け持ちバイトで食いつなぐ毎日。 そんな俺の前に現れたのは──御曹司の男。 「借金は俺が肩代わりする。その代わり、今日からお前は俺のものだ」 脅すように言ってきたくせに、実際はやたらと優しいし、甘すぎる……! 高級スイーツを買ってきたり、風邪をひけば看病してくれたり、これって本当に借金返済のはずだったよな!? 借金から始まる強制同居は、いつしか恋へと変わっていく──。 冷酷な御曹司 × 借金持ち庶民の同居生活は、溺愛だらけで逃げ場なし!? 短編小説です。サクッと読んでいただけると嬉しいです。

処理中です...