223 / 246
53-2 もうしません
ここじゃダメだって、言うヒマはなく。
言ってもキスしてきたとして、突き放せる自信もなかったけど。
久しぶりの熱い感覚に、抗えるはずもなく。
「ん……はぁ……ッ……んっ……」
舌を絡め合う快感をほしがる自分を止められない。
口内のどこを舐められても、気持ちいい。
涼弥の唇も舌も歯も歯茎も喉も。届くとこ全部、舐めて俺のものにしたい。
唾液の音を立てながら、息荒く。キスに没頭する俺は、涼弥より先に理性を飛ばした。
「將悟……んっ……もう……やめねぇと……っ……」
離れないように、キスを終わろうとする涼弥の胸元を掴んだ。
「まだ……はぁっ……も……すこし、いいだろ……もっと……続けて……」
「……けど、高畑が……」
そんなのどうでも……今はこうしてたい……もうちょっと……。
高畑……って玲史か!?
閉じてた目を開けた。
「玲史、が……?」
「……ここにいる」
涼弥が熱の残る瞳を右に向ける。
その視線を追う俺の目に映ったのは……。
超楽しげな、肉食獣の目つきで俺を見てる玲史と。その横で居心地悪そうに顔を赤らめる、体格のいい1年だ。
思ったより近い……!
2メートルもないだろ。
この距離で見られてた……のか!?
「来期の生徒会長がこんなとこでふしだらな行為に耽ってるって、どうなの? 風紀委員としては困るんだよね。示しがつかなくて」
「……すみません」
心にもなさげな正論をかざす玲史に……謝るしかないよね。
「恥ずかしくないの? 誰が見てるかもわからない公共の場で」
そりゃ、恥ずかしいよ?
だけども。
キミに言われたくないソレ。
「僕のはちゃんと暗がりだったでしょ。おひさまの下じゃなく」
顔に出てたのか、玲史がニヤリとして先回り。
「それに。將悟と凱だってわかってたから、わざとだし。ガチで盛ってないし」
紫道にあんな声出させてたくせに……ズルいぞ。
「でも。イイモノ見ちゃった。將悟、セックスの時も積極的にほしがるの?」
あーうー……もうしません。だから、もうヤメテ!
「高畑。將悟をいじめるな」
涼弥が立ち上がった。
「俺のせいだ。お前に見せる気はなかったが……」
「見られて興奮しちゃった? 今度一緒にどう? 燃えるよ」
「断る。仕事戻れ。俺たちも、もう行く」
素っ気なく拒否し、涼弥が俺の手を引いて立たせる。
「岡部、悪かった」
「……いえ、その……こっちも笛吹かずに近づいて、すみませんでした」
1年の岡部が、俺をチラリと見て視線を逸した。
「キミはいいの。せっかくだから見ときなって、僕が言ったんだからさ。エロかったよね。男同士もなかなかでしょ? 世界広げてみるといいよ」
「はい……じゃなくて、え……と……」
いたたまれない。
純情そうな1年に、鬼畜な先輩がホモをすすめる口実を与えて……申し訳ない。
「あ、そうだ。坂口さんたちのライブ、行くの?」
まだ顔の赤い岡部から涼弥に視線を移し、玲史が聞いた。
「行ってみる。そろそろ始まるだろ」
「これ終わったら僕も見ようかな。時間潰しに。あと4、5時間? 我慢出来る? 將悟」
人を淫乱みたいに……そりゃ今のは、早々に理性放棄したけどさ。
「……大丈夫。もう、人目のないとこいかないから」
「そうだね。今日は人目のあるとこで注目浴びるの楽しんで」
注目?
何で……あ……。
当選したんだった俺。
でもさ。
みんな、そこまで選挙なんかに興味ないはず。浴びるほどの注目要素は俺にないだろ。
にしても。
目立つの嫌いだって……知ってるくせに。
楽しんで……って!
「玲史。お前、自分が我慢出来ないんだろ」
「してるよ。なのに、將悟たちのフライング見せられたから。ちょっとくらい嫌味言ってもいいでしょ?」
それは、ほんと……悪かった。
「……ごめん」
半分本当、半分演技でしゅんとすると。気が済んだのか、玲史がやさしげに微笑んだ。
「ま、いいや。將悟が会長で紫道が風紀委員長……今夜はお祝い。夜が明けるまで延々とね。杉原もがんばるつもりでしょ?」
え……。
涼弥を見る。
「お祝いじゃないが……」
涼弥が俺を見やり。
「將悟を満足させるまでは……な」
そう言って、玲史と二人……黒い笑みを浮かべた。
嘘。
黒くない。
黒く見えた気がしただけ……うん。気のせいだ。
「じゃ、またね」
去り際はアッサリと。岡部を伴って、玲史が中庭側へと消えた。
「体育館行くか」
何事もなかったように言い、涼弥が非常口のドアを開ける。
「ライブ、順番はどうなってる?」
「最初にお笑い。そのあと、なんかパフォーマンスするヤツがいればそれやって。最後に軽音……のはず」
校舎に入り、渡り廊下へと向かう。
「坂口が出るのか? お笑い?」
「いや。バンドで歌うみたいだ」
「へぇ……去年は午後しかライブなかったから俺たち店番で見てないけど、出てたのかな」
「学祭は初だが、ライブハウスでやってて女に人気あるらしい」
坂口ってチャラい感じだったし、女ウケ十分しそうだ……てことは、ノンケか?
「藤村も、午後のライブ出るからよろしくっつってたな」
「え、あいつも? バンドで?」
「わからねぇが……ステージ立ってなんかやるっての、俺には無理だ」
「俺も無理。人に見られて演奏とかお笑いトークとか……」
そうだ!
「涼弥。さっき、玲史が見てるの気づいてたんなら……何ですぐやめなかったんだよ?」
俺が見られるのはダメっつってたじゃん?
「そりゃ……久しぶりだったしよ。お前が……夢中になってんのに、パッとやめらんねぇだろ」
笑顔で言いわけされ。
小さく溜息をつく。
「わかった。これからは気をつける」
渡り廊下には体育館に行く客がかなりいて、走ってる子も数人。
3時半からのライブはもう始まってるみたいだ。
「あといっこ」
忘れないうちに。
「今日、夜。少しは眠るぞ」
夜が明けるまで延々と……は、無理だ。
「帰れなくなるだろ」
「……もったいねぇな」
残念そうに、涼弥が呟いた。
言ってもキスしてきたとして、突き放せる自信もなかったけど。
久しぶりの熱い感覚に、抗えるはずもなく。
「ん……はぁ……ッ……んっ……」
舌を絡め合う快感をほしがる自分を止められない。
口内のどこを舐められても、気持ちいい。
涼弥の唇も舌も歯も歯茎も喉も。届くとこ全部、舐めて俺のものにしたい。
唾液の音を立てながら、息荒く。キスに没頭する俺は、涼弥より先に理性を飛ばした。
「將悟……んっ……もう……やめねぇと……っ……」
離れないように、キスを終わろうとする涼弥の胸元を掴んだ。
「まだ……はぁっ……も……すこし、いいだろ……もっと……続けて……」
「……けど、高畑が……」
そんなのどうでも……今はこうしてたい……もうちょっと……。
高畑……って玲史か!?
閉じてた目を開けた。
「玲史、が……?」
「……ここにいる」
涼弥が熱の残る瞳を右に向ける。
その視線を追う俺の目に映ったのは……。
超楽しげな、肉食獣の目つきで俺を見てる玲史と。その横で居心地悪そうに顔を赤らめる、体格のいい1年だ。
思ったより近い……!
2メートルもないだろ。
この距離で見られてた……のか!?
「来期の生徒会長がこんなとこでふしだらな行為に耽ってるって、どうなの? 風紀委員としては困るんだよね。示しがつかなくて」
「……すみません」
心にもなさげな正論をかざす玲史に……謝るしかないよね。
「恥ずかしくないの? 誰が見てるかもわからない公共の場で」
そりゃ、恥ずかしいよ?
だけども。
キミに言われたくないソレ。
「僕のはちゃんと暗がりだったでしょ。おひさまの下じゃなく」
顔に出てたのか、玲史がニヤリとして先回り。
「それに。將悟と凱だってわかってたから、わざとだし。ガチで盛ってないし」
紫道にあんな声出させてたくせに……ズルいぞ。
「でも。イイモノ見ちゃった。將悟、セックスの時も積極的にほしがるの?」
あーうー……もうしません。だから、もうヤメテ!
「高畑。將悟をいじめるな」
涼弥が立ち上がった。
「俺のせいだ。お前に見せる気はなかったが……」
「見られて興奮しちゃった? 今度一緒にどう? 燃えるよ」
「断る。仕事戻れ。俺たちも、もう行く」
素っ気なく拒否し、涼弥が俺の手を引いて立たせる。
「岡部、悪かった」
「……いえ、その……こっちも笛吹かずに近づいて、すみませんでした」
1年の岡部が、俺をチラリと見て視線を逸した。
「キミはいいの。せっかくだから見ときなって、僕が言ったんだからさ。エロかったよね。男同士もなかなかでしょ? 世界広げてみるといいよ」
「はい……じゃなくて、え……と……」
いたたまれない。
純情そうな1年に、鬼畜な先輩がホモをすすめる口実を与えて……申し訳ない。
「あ、そうだ。坂口さんたちのライブ、行くの?」
まだ顔の赤い岡部から涼弥に視線を移し、玲史が聞いた。
「行ってみる。そろそろ始まるだろ」
「これ終わったら僕も見ようかな。時間潰しに。あと4、5時間? 我慢出来る? 將悟」
人を淫乱みたいに……そりゃ今のは、早々に理性放棄したけどさ。
「……大丈夫。もう、人目のないとこいかないから」
「そうだね。今日は人目のあるとこで注目浴びるの楽しんで」
注目?
何で……あ……。
当選したんだった俺。
でもさ。
みんな、そこまで選挙なんかに興味ないはず。浴びるほどの注目要素は俺にないだろ。
にしても。
目立つの嫌いだって……知ってるくせに。
楽しんで……って!
「玲史。お前、自分が我慢出来ないんだろ」
「してるよ。なのに、將悟たちのフライング見せられたから。ちょっとくらい嫌味言ってもいいでしょ?」
それは、ほんと……悪かった。
「……ごめん」
半分本当、半分演技でしゅんとすると。気が済んだのか、玲史がやさしげに微笑んだ。
「ま、いいや。將悟が会長で紫道が風紀委員長……今夜はお祝い。夜が明けるまで延々とね。杉原もがんばるつもりでしょ?」
え……。
涼弥を見る。
「お祝いじゃないが……」
涼弥が俺を見やり。
「將悟を満足させるまでは……な」
そう言って、玲史と二人……黒い笑みを浮かべた。
嘘。
黒くない。
黒く見えた気がしただけ……うん。気のせいだ。
「じゃ、またね」
去り際はアッサリと。岡部を伴って、玲史が中庭側へと消えた。
「体育館行くか」
何事もなかったように言い、涼弥が非常口のドアを開ける。
「ライブ、順番はどうなってる?」
「最初にお笑い。そのあと、なんかパフォーマンスするヤツがいればそれやって。最後に軽音……のはず」
校舎に入り、渡り廊下へと向かう。
「坂口が出るのか? お笑い?」
「いや。バンドで歌うみたいだ」
「へぇ……去年は午後しかライブなかったから俺たち店番で見てないけど、出てたのかな」
「学祭は初だが、ライブハウスでやってて女に人気あるらしい」
坂口ってチャラい感じだったし、女ウケ十分しそうだ……てことは、ノンケか?
「藤村も、午後のライブ出るからよろしくっつってたな」
「え、あいつも? バンドで?」
「わからねぇが……ステージ立ってなんかやるっての、俺には無理だ」
「俺も無理。人に見られて演奏とかお笑いトークとか……」
そうだ!
「涼弥。さっき、玲史が見てるの気づいてたんなら……何ですぐやめなかったんだよ?」
俺が見られるのはダメっつってたじゃん?
「そりゃ……久しぶりだったしよ。お前が……夢中になってんのに、パッとやめらんねぇだろ」
笑顔で言いわけされ。
小さく溜息をつく。
「わかった。これからは気をつける」
渡り廊下には体育館に行く客がかなりいて、走ってる子も数人。
3時半からのライブはもう始まってるみたいだ。
「あといっこ」
忘れないうちに。
「今日、夜。少しは眠るぞ」
夜が明けるまで延々と……は、無理だ。
「帰れなくなるだろ」
「……もったいねぇな」
残念そうに、涼弥が呟いた。
あなたにおすすめの小説
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する幼少中高大院までの一貫校だ。しかし学校の規模に見合わず生徒数は一学年300人程の少人数の学院で、他とは少し違う校風の学院でもある。
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
男子寮のベットの軋む音
なる
BL
ある大学に男子寮が存在した。
そこでは、思春期の男達が住んでおり先輩と後輩からなる相部屋制度。
ある一室からは夜な夜なベットの軋む音が聞こえる。
女子禁制の禁断の場所。
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。