リアルBL!不安な俺の恋愛ハードルート

Kinon

文字の大きさ
244 / 246

56-2 愛してる

しおりを挟む
 真剣な眼差しを向けられて。
 問いの意図はハテナだけど。

 セックス中に崇高な言葉なんか口にしてないし、そもそも言葉になってない喘ぎ声が大半だ。

「う……ん、だいたいは……」

 その『だいたい』が、今思い出すと気マズい系なのはわかってる。

 イクとか。
 もっととか。
 イイとか。
 ほしいとか。
 そういう、求めてねだることばっか……。



 仕方ないよね?
 つーか。快楽の最中じゃ、それが自然!



「だって、気持ちよくて。お前がほしいからさ」

 つい、言いわけ気味になる。

「やってる時は欲望に忠実なの……やっぱ、ちょっと抑えたほうがいいか? お前に我慢させちゃってるみたいだし……」

「そうじゃねぇ……お前がほしがりゃ、そんだけ俺はイイからよ。もっとよがってほしがれ」

「なら、よかった……」

 けど、ハテナが解けない。

「お前、嫌だっつってもウワゴトだって言っただろ」

「うん……」

「……俺が言ったことも覚えてるか?」

「だいたいは……って。どうした? 何かマズいこと言ったとか?」

 俺が? 涼弥が?

 数秒後。

「風呂場でお前……」

 見つめ合った瞳を揺らさず、涼弥が口を開く。

「あ……愛してるって……言ったが……」

「う……ん。あ。ウワゴトじゃないからな」

 慌てて。
 でも、ちゃんと伝えないと。

「お前が好きで……誰より大切だ。これ以上の気持ち、ほかにない」

 まっすぐ。ハッキリ。

「愛してるよ。お前を、だ」

 今言うと照れる。

「俺もだ、將悟そうご。愛してる」

 今言われると照れる。

 照れなくなる頃にはもっと……深まってるんだろうな。この愛ってやつが。



 当然のごとく、抱きしめ合って。
 唇を喰むような軽いキスを交わし、微笑み合う。

「なぁ、お前もウワゴトじゃないなら……何も問題ないじゃん?」

 やっとリラックスした顔で、涼弥が息をつく。

「ずっと言いたかった。タイミング待ってたんだけどよ。お前に言われちまった」

「あー……だって、いっぱいでさ。出ちゃったんだよ。急にポッて湧いたんじゃなくて、もともとあったから」

 でも。
 よく考えたら。

「あんな喘ぎながら言っちゃ、軽いか」

「いや。すげー……きたぞ。あれで3分はイクの速まった」

「あと3分も長かったら、意識なかったな」

「服着てる時にちゃんと言わなけりゃ……ちんぽ挿れて突きまくってる時じゃ、覚えてなくても仕方ねぇと思ってよ」

 セックスに夢中になってる時は、理性より快楽で。
 身体も心も涼弥を求めてて。
 それ以外はどうでもよくなるのは確かだ。

「大事なことは覚えてる。さっきのも……お前イッてから愛してるって言ったよな?」

「ああ……」

 涼弥が照れくさそうにコーヒーをガブ飲みする。

「お前があんな……かわい過ぎてエロ過ぎて……俺がやってるせいでだぞ。幸せ過ぎて怖いんだマジで……」

「そんな過ぎてないって。つーか、まだこれから先もっと幸せになんの。俺たちは」

 俺もコーヒーをゴクッと飲んで、カップを置いて。
 ローブの胸元を掴んで、涼弥をこっちに向ける。

「奇跡じゃないからな」

 ふと。昼間、木谷に聞いたことを思い出した。

「俺がお前を好きなのは、奇跡じゃない。俺にとっては当然、必然。どっかのエライ何かのおかげじゃなくて俺が決めた。自分の意思だ」

 涼弥の瞳を見つめる。

「お前が俺を好きなのって、得体の知れない何かのパワーでそうされてるのか?」

「違う。俺は……俺が、そうしてる」

「ん。じゃあ同じ。出会えたのはラッキーだし、奇跡的だとしても。こうしてるのは奇跡じゃなくて俺たちの意思。幸せってのも、もっとなりたきゃなれる。決めるのは俺とお前だろ」

 涼弥が俺を見つめる。

「そうだ。もっと幸せに……なるぞ」

 好きな男の、幸せそうな顔を見て。



 キスしたい。
 セックスしたい。
 愛情と欲情が高まるのは、自然な現象だよね。



 素直に感情を表してるだろう俺を見つめたままフッと微笑み、涼弥が俺の額に唇をくっつけた。

 ここで、おでこにチュッて……萌えるなコレ!

「眠って身体休めねぇと……お前、痛いんだろ」

 やさしく言われ。

「平気。もう治った」

 ほんとは、今のキスで満足しちゃってるんだけど……つい、そうと。

「無理するな。お前の……アナル、腫れて赤くなってたぞ」

「え?」

 あ……!

「そうだお前、俺のこと拭いてくれて……ありがとな。ドロドロだったろ」

「ああ。俺に抱かれてイキ狂って、グチャグチャになって白目剥いてるお前……そのまま続けちまいたいくらいエロくてよ」

「え……」

「続けてねぇぞ。安心しろ」

 一瞬。
 意識飛ばして無反応な俺でもやれるのか!?……ってなったけど。

「ん。やめられてエラかったな」

 そんなことないらしい。
 てか……そうなったら俺、起きるはず。
 意地でも起きる!

 涼弥の浮かべる笑みが後ろ暗げに見えるのは、気のせいだ。

「あ……んーと。中の、も……」

「一応出しといた。完璧じゃねぇが……出来るだけな」

「サンキュ……」

 てことは。俺の、じっくり見ていじくった……のか。
 今さらだけど恥ずかしい……。

「ヴァセリンも塗っておいた。朝にはよくなってる」

「うん」

「今はなんか食って寝るぞ。起きたら風呂入って、よくなってるか見てやるからよ」

 涼弥の瞳にうっすらと欲がのる。

「ん……涼弥」

 目を合わせたまま、軽く唇を重ねて。

「愛してる」

 思いを告げて。

「ああ……愛してる」

 返されて。
 微笑み合う。



 体内に残る熱さと疼きに幸福を感じて泣きたくなる。

 脳ミソも。身体も。とけて固まって、またとけて……俺と涼弥の愛のカタチってのにピッタリハマるように、作り変えられてくのかもしれない。
 なんて、こっ恥ずかしいことを考える俺。

 幸せだな。



しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

男の娘と暮らす

守 秀斗
BL
ある日、会社から帰ると男の娘がアパートの前に寝てた。そして、そのまま、一緒に暮らすことになってしまう。でも、俺はその趣味はないし、あっても関係ないんだよなあ。

男子寮のベットの軋む音

なる
BL
ある大学に男子寮が存在した。 そこでは、思春期の男達が住んでおり先輩と後輩からなる相部屋制度。 ある一室からは夜な夜なベットの軋む音が聞こえる。 女子禁制の禁断の場所。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林
BL
『桜田門学院高等学校』 日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する幼少中高大院までの一貫校だ。しかし学校の規模に見合わず生徒数は一学年300人程の少人数の学院で、他とは少し違う校風の学院でもある。 そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語

陰キャ系腐男子はキラキラ王子様とイケメン幼馴染に溺愛されています!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 まったり書いていきます。 2024.05.14 閲覧ありがとうございます。 午後4時に更新します。 よろしくお願いします。 栞、お気に入り嬉しいです。 いつもありがとうございます。 2024.05.29 閲覧ありがとうございます。 m(_ _)m 明日のおまけで完結します。 反応ありがとうございます。 とても嬉しいです。 明後日より新作が始まります。 良かったら覗いてみてください。 (^O^)

借金のカタに同居したら、毎日甘く溺愛されてます

なの
BL
父親の残した借金を背負い、掛け持ちバイトで食いつなぐ毎日。 そんな俺の前に現れたのは──御曹司の男。 「借金は俺が肩代わりする。その代わり、今日からお前は俺のものだ」 脅すように言ってきたくせに、実際はやたらと優しいし、甘すぎる……! 高級スイーツを買ってきたり、風邪をひけば看病してくれたり、これって本当に借金返済のはずだったよな!? 借金から始まる強制同居は、いつしか恋へと変わっていく──。 冷酷な御曹司 × 借金持ち庶民の同居生活は、溺愛だらけで逃げ場なし!? 短編小説です。サクッと読んでいただけると嬉しいです。

処理中です...