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療養
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キャリーが、なんとか起きられるぐらいまで回復したのは、ちょうど2週間かかった。
その間、皇太子妃、体調不良により公務欠席など、新聞や、ネットニュースになっていたそう。
そして、隣国の皇太子から、お見舞いの花と、リラックス効果のあるラベンダーの石鹸やフレグランスが届いた。
キャリーは、とても嬉しかった。
自分のことを気にかけて、プレゼントを贈ってくれるなんて、初めて。
夫でさえ、花束の一つもなかったもの…
そんなことを思った。
そして、隣国の皇太子に、お礼の手紙と、キャリーが刺繍したハンカチを添えて送った。
それからさらに2週間経ち、通常の仕事を再開する事に。
王様、王妃様は、無理のないように、仕事を減らすよう手配してくれた。
夫をチラッとみると、一応心配はしたようで、「もういいのか?」と聞いてきた。
キャリーは、「ご不便をお掛けしてすみませんでした。少しずつ日常に戻していけたらと思っています」と無難に、答えた。
だって大丈夫かなんて、正直わからないもの。
そして、それから1ヶ月、なんとか日常の状態まで戻ってきた。というわけで、また自由時間はなくなった…
キャリーは、あと1年もないわね。と心の中でカウントしながら毎日を過ごしていた。
そして、現在、半年前に結婚した、皇太子の弟夫婦は、妻が懐妊し、お祝いムード。
このままそっとフェードアウトできるよう、そろそろ計画を立てないと。
セカンドライフこそ、私の目標!そして自由な時間しかない生活を、一日でも早く過ごしたい。
そう思った矢先、また、夜の共寝が再開された。
そうだったわ。この問題は、離婚するまでは、断れないんだったわ。
と、とても残念な気持ちを抱きながら、ただただ、行為中、時間が過ぎるのをひたすら待つ日々。
そしてあと、半年で約束の誕生日を迎える。
キャリーは、さらに淡々と公務や皇太子妃の仕事をこなすようになった。
ある日、夫から「最近、体調はどうなんだ?」と聞かれた。珍しいわね。夫から話しかけてくるなんて。
「おかげさまで、以前より、だいぶ良くなりました。ご心配おかけしました」と言うと、
「そうか。それは良かった。ではまた夜に」そう言って去って行った。
キャリーは、ゾッとした。今日もまた来るのですか…
はぁ、半年は長いわね…
とため息しかでない。そして、その日から毎日、月のものがある日以外は、ずっと共寝をする日々。
体を重ねれば重ねるほど、キャリーの心は離れて行く一方。
その様子に少なからず、気づいている夫。
以前より話しかけてくる事が増えた。
前までは、キャリーから話を振っていたのに、今は逆ね。そんなことを思いながら、聞かれた事に返事をする日々。
話の内容も、キャリーの一日のスケジュールや、何を食べたのかなど、付き合いたてのカップルのような内容。
まぁたしかに、キャリーは、今のところ趣味もないし、友達もいない。外に買い物に行けるわけでもないので、どんなお店やカフェができて、何が市民に人気なのかも知らないもの。
そうだわ。次の公務の帰りに、秘書にお願いして、市街地を少し散策出来ないか聞いてみよう。
そして、秘書にお願いを兼ねて、街散策を提案。皇太子妃として、市民の生活を見て回るのも勉強だしと、粘ってみた。
すると、オープン1時間前の、お店が準備中で、まだ市民が少ない時間帯でならとオッケーをもらえた。もちろん店主達にも了承を得て。
キャリーは、生まれて初めて、ウキウキした気持ちになった。セカンドライフを満喫する為の、はじめの一歩を踏み出せたわ。
公務を兼ねてといいつつ、自分の行きたい店や、街を歩く機会は、今まで一度もしたことがないから。
夫とも、デート?のつもりだったであろう散策は、薔薇の庭園(皇室内)しかしたことないし。
そして、初めての街散策の日を迎えた。
その間、皇太子妃、体調不良により公務欠席など、新聞や、ネットニュースになっていたそう。
そして、隣国の皇太子から、お見舞いの花と、リラックス効果のあるラベンダーの石鹸やフレグランスが届いた。
キャリーは、とても嬉しかった。
自分のことを気にかけて、プレゼントを贈ってくれるなんて、初めて。
夫でさえ、花束の一つもなかったもの…
そんなことを思った。
そして、隣国の皇太子に、お礼の手紙と、キャリーが刺繍したハンカチを添えて送った。
それからさらに2週間経ち、通常の仕事を再開する事に。
王様、王妃様は、無理のないように、仕事を減らすよう手配してくれた。
夫をチラッとみると、一応心配はしたようで、「もういいのか?」と聞いてきた。
キャリーは、「ご不便をお掛けしてすみませんでした。少しずつ日常に戻していけたらと思っています」と無難に、答えた。
だって大丈夫かなんて、正直わからないもの。
そして、それから1ヶ月、なんとか日常の状態まで戻ってきた。というわけで、また自由時間はなくなった…
キャリーは、あと1年もないわね。と心の中でカウントしながら毎日を過ごしていた。
そして、現在、半年前に結婚した、皇太子の弟夫婦は、妻が懐妊し、お祝いムード。
このままそっとフェードアウトできるよう、そろそろ計画を立てないと。
セカンドライフこそ、私の目標!そして自由な時間しかない生活を、一日でも早く過ごしたい。
そう思った矢先、また、夜の共寝が再開された。
そうだったわ。この問題は、離婚するまでは、断れないんだったわ。
と、とても残念な気持ちを抱きながら、ただただ、行為中、時間が過ぎるのをひたすら待つ日々。
そしてあと、半年で約束の誕生日を迎える。
キャリーは、さらに淡々と公務や皇太子妃の仕事をこなすようになった。
ある日、夫から「最近、体調はどうなんだ?」と聞かれた。珍しいわね。夫から話しかけてくるなんて。
「おかげさまで、以前より、だいぶ良くなりました。ご心配おかけしました」と言うと、
「そうか。それは良かった。ではまた夜に」そう言って去って行った。
キャリーは、ゾッとした。今日もまた来るのですか…
はぁ、半年は長いわね…
とため息しかでない。そして、その日から毎日、月のものがある日以外は、ずっと共寝をする日々。
体を重ねれば重ねるほど、キャリーの心は離れて行く一方。
その様子に少なからず、気づいている夫。
以前より話しかけてくる事が増えた。
前までは、キャリーから話を振っていたのに、今は逆ね。そんなことを思いながら、聞かれた事に返事をする日々。
話の内容も、キャリーの一日のスケジュールや、何を食べたのかなど、付き合いたてのカップルのような内容。
まぁたしかに、キャリーは、今のところ趣味もないし、友達もいない。外に買い物に行けるわけでもないので、どんなお店やカフェができて、何が市民に人気なのかも知らないもの。
そうだわ。次の公務の帰りに、秘書にお願いして、市街地を少し散策出来ないか聞いてみよう。
そして、秘書にお願いを兼ねて、街散策を提案。皇太子妃として、市民の生活を見て回るのも勉強だしと、粘ってみた。
すると、オープン1時間前の、お店が準備中で、まだ市民が少ない時間帯でならとオッケーをもらえた。もちろん店主達にも了承を得て。
キャリーは、生まれて初めて、ウキウキした気持ちになった。セカンドライフを満喫する為の、はじめの一歩を踏み出せたわ。
公務を兼ねてといいつつ、自分の行きたい店や、街を歩く機会は、今まで一度もしたことがないから。
夫とも、デート?のつもりだったであろう散策は、薔薇の庭園(皇室内)しかしたことないし。
そして、初めての街散策の日を迎えた。
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