人魚の涙

uni

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無垢なあの日

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咲坂 依 (さきさか より)23歳。


依は地元の私立女子大学を卒業し、新入社員として全国に支店がある会社に就職した。
なかなか就職が決まらなかった依にとっては
就職課から紹介され決まったこの会社しか就職先がなかったのだ。

そこでの出会いが全てを変えるとは知らずに。

______

「今日はもう帰る?」
「そうだな、また明日」

いつも通り、彼を玄関まで送る。

その後の一人の時間も最近では慣れつつある。




男性女性関係なく扱われる営業の会社

私はそんな厳しい世界で日々働く1年目の社員だった。


「咲坂、今日のアポどうなってる?」
毎日各チームを回って管理をする男

篝 祐二 (かがり ゆうじ)

「今日は午前中に一件ご成約と、午後の2件で提案に行ってきます」

返事をせずに他のチームに声をかけに行く祐二

(昨日はあんなにベタベタしといて勤務中は全く変わらないんだもんなぁ)

依は昨日の出来事を思い出していた


朝8時から出勤、新人として上司の机の拭き掃除をする。8時30分には課長も出揃い、1日の営業ミーティングが行われる。そして勤務終了は17時15分、サービス残業で一人暮らしの家に帰るのは19時頃だ。


ピンポーン


「遅い」

「ごめんな、なかなかみんなが帰らなくてさ」


当然のように家に上り込むこの男性

この男性こそ、篝 祐二 (35歳)

同じ職場の課長である。


「今日はハンバーグ作ったよ、食べよ」

「依のハンバーグ美味しいんだよな!」
ひとまわりも違うのに、少年のように笑う祐二

「知ってるよ、でも奥さんにはなんて言ってんの?」

「同期と飯食ってくるって言ったから大丈夫」
そういってソファに座ってくる祐二


そう。


祐二には奥さんがいる。

結婚3年目

同じ会社の違う部署にいる
篝 あかね (30)


噂では2人は不倫の末、結婚したらしい。


入社当時から祐二の噂は聞いていたし、特に特別な感情もなかった。

しかし、ある飲み会の帰りに営業目標達成のお祝い、ということで食事に誘われ、それを受け入れた後から親しげな態度をとられだした。

私もその頃ちょうど彼氏と別れ、落ち込んでいたこともあり祐二と出かけることで気が晴れていたのかもしれない。


悪いことをしている自覚はあった。


でも、同じ職場だしこれからの関係が崩れたら、、

そう思うと自分自身も楽しんでいることで断りづらくなっていった。


別に略奪したいとか、お互いにそういう気持ちはない付き合いだ。



「早く食べて、あっちでイチャイチャしよ」

なんでこんなヘラヘラできるんだろ。


不倫して結婚した奴なんて、、、

どうせ私とも軽い遊び

すぐに終わるか



この時の私は
この関係を甘く見すぎていたのかもしれない。
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