ドラゴンな幼なじみがお節介やきで困っています

生コン樽

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第23話

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 自分ではとても良い案を思いついたと思っていたんだけど、辰子たちの反応はとっても微妙だった。思わず促音を溜めるほどである。
「えっと、詳しく説明するとね?」
 なんだか不穏な空気が漂いだしたのをなんとなく察知した僕は、急いで自分の考えた企画の説明、もとい弁明を開始する。これ以上の体罰は僕の許容量を越えている。
 多少頑丈かもしれないが所詮人間、異種族な彼女たちがその気になれば入院では済まない怪我だってしかねない。
「校舎裏に非常階段があるのは知ってるよね?」
「知ってますよ、人間の使用しか想定されてない造りのせいで結構な数の生徒が使えないアレですね?」
 そう、しかも踊場が何故か校舎内にあったり、防火シャッターが閉まると使えなくなったりで人間にも使えない、非常階段とは名ばかりの代物である。
「へぇ、そんなのがあるんだ。さっぱり知らなかったよ」
「避難訓練の経路からは当然外されてて、今は全員正面口から出てくるようになってる。辰子は校舎内から避難する事は無いわけだし、知らなくて当然だよ。」
 通常の人間社会に最も近い環境の再現を目指したとかで、あえてそうした建造物も校舎に組み込んだらしいけど、それで当の人間まで使えなくなってたら意味がないよなぁ……。
「話題修正。昇降機関係何?」
「あ、うん。非常階段もそうだけど、この学校バリアフリーとはいかない構造してるよね?辰子は力持ちだから、重い荷物とか階段を使うのが難しい人の移動を手伝ってあげれば、助かる人も多いんじゃないかなって思って。」
 あくまで科学世界の常識を学ぶ為の場所だということで、意図的にそうした配慮を減らした造りにしたらしい。エレベーターやエスカレーターは当然として、スロープも設置されてないし、通路もあまり広いとはいえない。
「うーん、人助けになることをする訳だし、良い案だと私は思うんだけど……危なくはないのかな?ただでさえ参加すると周りが危ないって言われてるのに許してもらえると思う?それに、もし誰かに怪我とかさせちゃったら、私……」
「落ち着いて、辰子。大丈夫だよ、僕が何とかしてみせるから」
「俊也、でも……」
「僕を信じてくれ、絶対誰も傷つくことなくやり遂げられるようにするから」
 辰子の大きな瞳をまっすぐに見上げて訴える。
 一応は幼なじみだから、辰子が自分の力がとても強いことを自覚していて、その力で他人を傷つけることを酷く恐れていることは知っている。
 とても優しい彼女の苦悩を知るからこそ、僕はこの文化祭に参加して欲しいと思っている。人と共に在る為の生き方を知ってもらう為に。
 僕の言葉を受け止めた辰子は少し不安気ではあったけど、確かに頷いてくれた。
「うん……わかった。俊也がそこまで言うなら、信じるよ」
 緊張していたのか自覚なく止めていた呼吸を大きく吐き出し、心の中で辰子の信頼を絶対に裏切らないと誓う。正直、あんまり学校生活には興味が抱けないのだが、辰子の為ならいくら働いても良いと思えるから不思議だ。
「辰子ちゃんが良いなら私は別に良いんですけど、企画は本当にそれで大丈夫なんですか?」
「同意。不安、鈴木思慮浅薄大概」
「信用ないなぁ、ちゃんと考えてあるって。落下防止の命綱はそこまで高価ってわけでもないし、万が一の時の為のマットも貸してくれそうな所に心当たりが……」
「そんな事はどうでもいいんです」
 一体何が気に入らなかったと言うのだろ、宇野さんは突然机を叩いて怒った顔で僕を睨み付けて、続けた。
「あなたは辰子ちゃんに向かって平然と便になれと言ったわけですが、それに関して何か言うことはありますかね?」
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