幸せのλ

#001 突然

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それは突然だった。空を駆け抜ける者が、何機か居た。それは空に数日前から出現し浮いていた、巨大な機体。政府はそれに攻撃命令を出したのだろう。その戦闘機は巨大な機体にミサイルを撃ち込んだ。衝撃は凄まじく、街の看板はガシャガシャと大きな音を立て、風で揺れる。風が収まり、その場に居た者は一斉に巨大不明浮遊物体に目を向けた。浮遊物体の一部から黒煙が発生していた。
「いえぇぇい！」
「そのままやれぇ！」
「気を抜くなー！」
歓声やら何かが響き、戦闘機を応援した。戦闘機が、2回目のミサイル狙撃を開始しようとした瞬間だった。巨大不明浮遊物体の一部が開き、何かの狙撃砲の一部が出て来た。すると、狙撃砲の先端が光り始め、ギィィィという轟音を鳴らし始めた。
「なんだなんだ？」
人生が変わったかの様に思えた。狙撃砲から何かのビームの様な物が、戦闘機に向けて放たれた。戦闘機は見る見る内に破壊され、街に墜落していく。その場の者達は、絶望した。戦闘機は全て墜落されてしまった。巨大不明浮遊物体は、ビーム放出を止めると、機体の一部が更に開き、中から人間の様で、人間ではない様な物体が、街に降ってきた。其れは、殺意剥き出しの狂気の塊の様だった。その場に居た者達は一斉に、気が狂ったかの様に逃げ出した。
「うわぁぁぁ！殺されるー！」
「あははは！死ねる！死ねる！」
中には逃げずに、その場に留まり死のうとする者まで現れた。人間の様な物体は、街に降り立った。降り立つなり其れは、留まった者達を襲い始めた。其れの右手には、棒の様な物が握られており、其れはその棒で、留まった者達を次々と刺して殺していき、一瞬にして全滅させた。

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私は小菅殺子こすげあやこ。14歳で、中3。特徴は、特にない、普通な人。私は友人の、切橋四津波きりばしよつはと一緒に、大きな国道沿いにある、喫茶店でコーヒーを飲んでいた。四津波は、紅茶だった。飲み終わって私達は、喫茶店を出た。出た時、其れが降り立った。私達は国道を走って逃げた。殺されない様に。だが、転んでしまった。
「殺子！」
「逃げて！」
四津波は、私を助けようとした。だが、私の後ろには、其れが居た。私はゆっくりと後ろを向いて、其れを見た。怖い顔。一度見ると忘れられない顔。其れは、右手に握られている棒を私に刺そうとした。私は目を閉じた。死んだ、そう思った。だが、其れは止まって私の顔をめちゃくちゃ見てきた。私は目を開いて、其れを見た。すると、其れは標的を変えて、四津波を襲ったのだ。
「うわぁぁぁ！たずげてー！あああ！」
「四津波！」
止めに掛かろうとしたが、四津波の頭には既に、棒が刺さっていた。
『幸せね』
其れから発せられた。すると其れは、棒を抜き取り、標的を変えて、また違う者を襲いに行った。私は四津波の身体を揺らした。だが、動かず、、、。四津波は、死んでしまった。何故私は死ななかったのか、、、。