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小兎な許嫁編(1)
6.
しおりを挟む婚約が決まってすぐ、ハミン国には同盟国から惜しむ声がいくつも飛んできていた。
クランが親睦を深めるためのお茶会を開催し友好関係を深める努力を惜しまない姿勢に誰もが好感をもち、縁談話を出すタイミングを探っていた。そんなときに出てきた、婚約発表。獅子騎士ラパスの敵は増えたといっても良い状況に…ナクシス国女王ルイヴはご機嫌。ハミン国王は婚約を惜しむ書簡の多さに頭を抱えた。
「私ははやまったかもしれない…。」
そんなことを手紙の山を前に呟いていたとか…。
《数日後》
クアーズは大国ではないが、ハミン国より一回りほど広い国土を所有している。 今回は一角ウサギのペンの礼にクアーズの温室栽培している特産の花が満開の時期を迎えるためそこでお茶会をしようと、クアーズ国の王女の誘いでクランは同盟国であるクアーズ国に来ていた。
温室のハウスには木や花が育てられ、特産の花はドームのような温室内のほとんどを独占していた。
そのドーム内の噴水のある広場にテーブルが置かれクランの他にも他国の王女たちも招待され席についており…周りには各々の従者が使え、使用人達がお茶を運んだりお菓子を運んだりと動き回り、テーブルをかこんで座る歳の近い王女達は和やかにこの時を過ごした。
優雅な時間である。
しかし一時間程で外が騒がしくなり解散となった。
現在クアーズ国は非常に不安定な時代を迎えており、反乱も度々あり、ここ最近鎮まっていたため、安全だろうと、客人を招待したのだが…この日、反乱の軍の動きがあったのだった。
各国の王女達を乗せた馬車は次々に国を後にし…クランの馬車も走り出す。
クアーズ国の城側の温室前で見送るクアーズの王女に向けクランは馬車の窓から手をふり別れた。
馬車は都を抜け村を越え…やがて国境へとたどり着いた。すると滅びた国の兵が集まって生まれた軍が待ち構えていた。
馬車は止まり従者が拘束され、馬車の扉は開かれた。
「ハミン国の王女様ですね?これから我々の城に来ていただきます。」
野蛮な黒い鎧の男が 馬車の中を覗き身を乗り出すと、動揺する少女のクランの手をつかむとヒッパリだした。
(な、何があったの?)
クランは愛用の兎の縫いぐるみを抱き締めたまま外に引きずり出され、縫いぐるみは地面に落ち、クランは物のように抱えられ、馬に乗せられ… 黒い鎧の男達の軍はハミン国側の国境を越えることなく森の奥へと 走り抜けた。
残された馬車と従者はその後救出され、姫をさらった軍の手紙を持たされた従者が救助の兵にそれを渡した。そこには…
「獅子騎士への果たし状」
…と書かれており、ハミン国に伝えられ…あっと言うまにナクシス国へも伝わったのだった。
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