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6話。
しおりを挟む前に出たシュガーはリヤージュの右の空いている席に座るよう促された。
「シュガー、ようやく君を側に呼べた。さて、ハリギス殿、大蜥蜴の出没場所はここでよいですか?」
テーブルに広げられた地図を指差す先には塀の外の岩山だった。
「ええ、多数報告があがっています。我が領地の騎士も手に負えず…私の力不足です。面目ない。」
「ハリギス殿、そのための我等です。国きっての精鋭を集めた私の部隊を侮らないでいただきたい。」
「は…あ、まあ。はい。」
シルハスは自信に満ちた表情のリヤージュに眩しさを感じ、うつむくなか、リヤージュは反対側に座るシュガーの頭に一瞬ふわりと手をのせた。
「シュガー、この地域には何があるか教えてくれる?」
「は、はいっ!」
シュガーは一瞬何が起きたのか思わず固まってしまったが、リヤージュの声に我に返り、席をたち、岩山周辺の魔獣の生息を説明し、地形の細かな説明をした。
シュガーは毎日のように塀の外をキュンと走り回り、領地の地形も大体は把握しており、他の者が近づけないような魔獣の生息地は特に詳しかったため、リヤージュ含め騎士達も感心し、リヤージュのとなりで、シルハスはハンカチを顔にあて、すすり泣きしていた。
「会議はこれで終わる、出発は明日の朝、明日の準備と、今日は呑み歩かずに早く休むよう。」
部屋のすみにいた、役所の職員が手をあげ騎士たちを誘導し、今日の宿へと案内するなか、リヤージュはシルハスのたっての希望でシュガーの実家であるハリギス邸に一泊することになったのだった。
シュガーは勿論久々の我が家に帰れることを嬉しく思った。
(今夜はキュンをもふもふしながら休める!あ~早く帰りたあ~い。)
シュガーは顔に出すのをこらえながら、リヤージュと会話を楽しむシルハスの後ろに続き、迎えの馬車に乗り込んだ。
揺りかごのように揺れる馬車内では、シュガーがシルハスの隣でもたれるように眠りはじめ、リヤージュは、その穏やかな寝顔にほほを緩め、いとおしげにずっと見つめていたのだった。
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