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+ 最 終 章 +
no.22
しおりを挟む王都へと入った馬車は街から離れた場所に立派な屋敷の並ぶ場所へとやってくると、ミヤをのせた馬車は、森に囲まれた屋敷へと到着した。
屋敷の門をくぐると白銀の狼の群れが馬車を出迎え、馬車の後を追い停車した馬車の前にお座りをしてアクトスとミヤを出迎えた。
「狼を飼っているんですか?」
「飼っているというより共存しているんだ。私の一族は人狼、満月の夜には彼らと同じ姿になる。彼らにとってリュシエ一族は特別な存在だと聞いている。」
「そうなんですね。」
ミヤはアクトスに手を引かれ屋敷に入ると、屋敷の使用人達とアクトスの家族が出迎えた。
「初めまして。アクトスさんの番になる、ミヤ・ルシファーと申します。どうぞ…よろしくお願いします。」
ミヤは、フードを外し彼らを前に深々と頭を下げた
のだった。
「ようこそミヤさん、今日から君はリュシエ一族の一員だよ。部屋が用意してあるからアクトス、案内して差し上げなさい。」
「はい、父上。」
出迎えるアクトスの家族の中心にいる白髭を蓄えた獣耳を立て尻尾を降る壮年は満面の笑みをアクトスに向けると、アクトスはミヤの手を取り2階へ繋がる階段へと向かった。
「アクトスさんのお父上もやっぱり耳と尻尾があるんですね、アクトスさんはご兄弟とか…」
「姉がいるけど、獣人の多く住む領地に嫁に行った…でも今日はミヤを迎えるために帰ってきてるはずだよ。さ、この部屋がミヤの部屋だよ。隣は私の部屋があってふた部屋を挟む壁に扉をつけたから、ミヤさえ良ければ自由に使って。」
ミヤはアクトスに自分の部屋を案内され、室内に入るとアクトスの部屋とを隔てた壁に扉が1つあった。
「アクトスさん…勝手に部屋に入るのは…」
アクトスはミヤを抱き寄せ尻尾もまたミヤの体に優しく巻き付くようにふわふわとミヤの体をなでた。
「今日から私達は番になったんだよ、ミヤがもしも…気にするなら、私が部屋に居る時でも、自由に会いに来てくれると嬉しいな。」
「わかりました。でしたらこの部屋も私が居るときは自由に入ってください。扉のノックは必ずしてくださいね。」
「わかったよ、」
アクトスは抱きしめる腕にわずかに力を込め、ミヤの頭に顔をうずめた。
アクトスの尻尾はミヤと一緒にいられる事が嬉しくて、勢いよく左右に揺れていたのだった。
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