白薔薇騎士と小さな許嫁

yu-kie

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 スティアとライカを遮るように現れた小熊にスティアは大事なこの瞬間を邪魔され、不快に感じ、頬を膨らませて抗議した。

「あなたは、前世の知り合いね?姿は違いますが、感じ取ることができます。そう…確かシアン、でしたね。今の名は知りませんが私の名はスティア・メディアン。私とライカ様の貴重な時間を遮りなんの御用です?」

 スティアの抗議の最中、ライカは小熊の前に回り、スティアを守るように腰に下げた剣を抜いて小熊に構えた。

「人語を話ふ小熊、彼女にこれ以上近づくな、少しでも動けば斬る。」

ライカは小熊を見下ろし、剣の刃先を小熊の鼻先に突きつけた。

「ぼ、僕の話を聞いてよ!」
「なんだ?」

 両手をバタつかせる小熊は冷や汗をかき、ライカと後ろのスティアを交互に見ながら対話のチャンスを要求。スティアはため息を漏らし膨らませた頬を小さくさせた。

「私の知る人間の青年シアンがなぜ小熊になってここにいるか、教えてくださる?」
「うん!うん!」

 小熊は首を触れず顔を剣先からそむけながら手をバタつかせた。

「手短に話すことを許そう。」

 ライカは剣を鞘に収め、小熊は二人の前に正座して涙をホロホロと流しながら語り始めた。


 「僕には名前がないのでシアンとお呼びください。前世の僕は勇者でした。魔王を倒したあの勇者です。その後僕は民に崇拝されて、調子にのって、ハーレムをつくりました。そしてある日僕はあっけなく、複数いた彼女達に裁かる形で…うっうっうっ。」

「もういい、その先は怖すぎる。」

 教育状良くないと判断したライカはスティアの耳を塞いで小熊の話を終わらせた。

 スティアはライカの手からそっとはがし、シアンの前にしゃがむとシアンに笑顔を向けた。

「そのせいで現世は小熊になったのですね?それも見た感じ…女の子みたい。小型の魔獣なのかしら?」
「うん、僕はこう見えて大人なんだ。」

 小さいながらに2本足で立ち威張ってみせたシアンの手を(前足)とれば、スティアから放出された蒼白い光がシアンを包み込んだ。

「じゃあ、うちの従者にどうかしら?今の私はスティア・メディアン。人間の女の子なの。私の願いはもふもふに囲まれて平和な暮らしをすることよ。」
「本当?いいの?じゃ、じゃあスティアお嬢様と呼ばせていただきます!」

 どうやらシアンはスティアの獣使いの能力にあてられ、スティアに忠誠を誓った。

「さてと、シアンは少しおとなしく待ってくれるかしら。私は今ライカ様と大事なお話があるの。」
「はい!待ってます!」

 聞いてはいけないと判断したシアンは目をつむり両手で耳を塞いだ。

「ライカ様…」

 スティアは立ち上がるとライカと距離を縮めライカの手を取り、潤んだ瞳で見上げた。

「ライカ様をお慕いしております。こんな私ですが…末永くよろしくお願いします。」

「ああ。大切にするよ、スティア。」

 ライカは両手を広げスティアを抱きしめ、スティアはその腕におさまり、ライカの胸に顔をうずめた。

 その日のうちにライカは帰って来たリューイをスティアと一緒にメディアン邸で出迎え、プロポーズのことを報告した。そしてスティアはシアンを拾ったこと、従者に迎えたいとを話しなんとか許可を得たのだった。

 シアンの目の前で行われたライカのプロポーズを後から聞いたギメラとキラルはショックを受け、従者として迎えられたシアンに酷く嫉妬したのだった。
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