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第4章・叔父と姪
距離感①
しおりを挟む引ったくりから鞄が返ってきたと蒼介からメールをうけとったその日の夜、仕事を終えた魅音が店のそばに駐停車する蒼介の車に乗り込み警察署へむかった。
荷物の確認をして…魅音は財布のお金だけ抜かれたことにホッとした。鞄はブランド物だったため、財布からお金を抜いたあと、鞄は売ろうと保管していたのだと言う。
帰りの車、運転する蒼介は魅音が落ち込んでいないか心配していた。
「お金は抜かれてたけど…キャッシュカードいれてなくてよかったあ…それに…」
魅音は鞄をぎゅっと抱き締めた。
「高校卒業したとき、はじめて蒼介さんからもらたったプレゼントなんだよ、売られてなくて…良かった。」
「結構使ってるよな?親からもらったのとかあるだろ?」
「蒼介さんだからいいの!」
「…ん、そうか。」
社内はやがて静になり、助手席からはスヤスヤと穏やかな寝息が聞こえ始めていた。
しばらくすると車はマンションの地下駐車場に到着した。
「着いたぞ?」
蒼介の声に反応なく眠っている魅音に蒼介は小さくため息をつくと車からでて助手席に周りドアを開け、魅音を抱き上げようと腕を伸ばした。
魅音は急に中に浮いた感覚になり慌てて起き上がろうとして…至近距離となった蒼介の唇と魅音のが重なった。このアクシデントがきっかけになり…蒼介は伸ばした腕を回し抱き締めるように深いキスをした。
「…ぷはあ!蒼介さん…」
魅音は思わず抱きつき、蒼介はそのまま抱き上げ車からおろした。
「歩けるから降ろして?」
お姫様抱っこ状態の魅音は恥ずかしそうに訴えれば、魅音は降ろされ床に足を着地させた。
その顔はとても満足そうで、足取り軽く一足先にマンションの通路へとかけていくのを目にし…蒼介は…どうしたものかと…悩みながら帰路についたのだった。
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