青色ドラゴン娘は夢を見る

2章《旅・立》

《8》通知。

今日の一件で、皆疲れていた。

この領地も主の健在と娘の呪いが解け、感謝された。

経緯はどうであれ、領地は守られた。

外も暗くなり、今日はもてなされたが、浮かれることなく明日に備えて体を休めた。

アイは外の空気を吸いに庭に出た。

屋敷の外は、しばらく魔女の支配で、手入れもされず、この先に見える村も所々壊れていた。

『領地の皆も今日まで大変だったんだよね。』

僕はルーちゃんのお父さんの守る領地に両手を広げ祈った。

『癒しの風』

人間の姿の小さな僕のからだの中心から放出された光の粒はしぶきのようにふきでて領地を包んだ。

『これできっと村の皆も今日はぐっすり眠れるかな。』

僕はそのあと、外の空気を吸って吐いてを繰り返した。

ペンダントが独りでに輝き、目の前にゼイヤさんの幻が現れた。

『姫、お伝えしたい事があります。この度、討伐隊の追加要員に私が呼ばれました。』

『え？』

僕は頭が真っ白になった。

そりゃ、父様がドラゴン兵を率いていればいいだろうけど…。

『姫あなたの御姉様、ヒカリ様がムラサキ様とドラゴン兵を率いることになりました。』

『なぜ？？』

『…恋人が亡くなられたのです。ヒカリ様が、以前兵を率いて空を守って見えましたから…しばらくはそちらにつかれます。』

『そうなんだ。』

『またお会いしたときに詳しく話します。今日は報告だけです。』


そう言うと、ゼイヤさんの幻は消えた。

『言うだけ言って消えちゃったよ。どゆこと？』

僕は呆然とただ呆然とその場にたちつくしたのだった。