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第2章命懸けの愛《終》
黒い大樹の娘③《2つの実》
しおりを挟むリーシャは暗い室内を…サーシャの匂いを辿り走り抜けた。
◆◆◆
世界に二人だけの姉妹。
大樹に実った紅の実。
いつも一緒に森を駆け回った幼少時代。
二人の絆は確かにあった。
まだ、可愛い悪戯をして人間を困らせていたサーシャは外の世界を飛び回る。
【闇の属性】【呪いの大樹の実】【闇黒の魔女】のステータスをもつ彼女は、人間の闇に深く関わるようになり…無知な少女は闇に染まった。
そして…リーシャの声はサーシャに届かなくなって行った。
【親殺し】のステータスが加わったサーシャはもう昔の少女ではない。
◆◆◆
「ここまでか…」
集会所に作られた地下。
灯される蝋燭は揺らめき、人の影を写し出す。
それは次第に体から蔦よりも太い鞭のような影が現れ妖しくうごめく。
「リーシャ、近くまで来ているのかな。鬼の黒騎士の何がいいのか…リーシャ、早く私を見つけて。そしてずっと一緒にいよう。」
影の囁き声が地下に響きわたる。
リーシャを誘うように、何度も呼ぶ声がした。
※
リーシャは薄暗い通路に灯る蝋燭の明かりを頼りに風を切るように走り抜ける。
「サーシャが呼んでる…彼女を止めなきゃ。私が何とかしないと。」
母様といた、森の匂いがする。もしかして…母親殺しの呪いが始まったの?
地面にヒビが入りどこからか木の根が現れ生き物の様に伸び…ヒュンと、風を切り鞭のように飛ぶそれは私の頬をかすめた。
「サーシャね、私への攻撃がこれ?ああ、私への挑戦状かしら?」
リーシャはくすりと笑う。
「人間のするような姉妹喧嘩始めようよ。」
そう、きっといいことがあるよ、だって私達は産まれたときから一緒だったんだから。
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