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喫茶あんどno.5
しおりを挟む学校帰り、喫茶あんどにバイトにやって来た瑠花は学制服の姿。従業員用の入り口からはいり、更衣室へと入る。
ロッカー前にたち、着替え始めた瑠花は…高校2年に入り、担任やクラスメイトの口からよく聞くようになった進学についての話を思い出していた。
(『夢はなにか。』『好きなことは?』『偏差値は?』ウエイトレスは好き。だけど、バイトだから楽しいかもしれないし、弁護士や、検事、秘書、なんかちがうきがする。医者?看護士?思いつくまま色々考えてはみたものの、頭はパンクしそうで、苦しくなる。)
「やっぱり今の仕事が一番いいのかも。」
脳内で完結させた瑠花は店の制服へと着替え終え、室内の時計はシフトに入る時間の5分前、慌てて店の厨房へと駆け出した。
今日も瑠花の仕事がはじまる。
+ + +
今日も武田さんは現れた。今日は武田さんと歳が近く見える綺麗な女性を連れてテーブル席に座り私に手招きをした。
「今日は飲み物だけにするよ。」
「はい!ご注文どうぞ?」
「アイスコーヒー二つお願いします。」
「はい、アイスコーヒー二つ!受け承りました。」
私はペコリと頭を下げ、厨房の方へと入った。
コーヒーを席へ届けたあと、親しげに会話する二人をカウンターからちらりと目を向けてしまう自分に違和感を感じた。
( なんだろう、このもやっとした気持ち・・・はぁ。)
私は少し苦しくなる気持ちに、小さなため息を思わず溢した。
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