強面営業マンに恋してます。

yu-kie

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〔5章〕結婚へ。前編

おかん悶える。

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今日は坂津家ですき焼きだ。

大きな、足の短いテーブル2つくっつけて、膝だちでコンロに火を付け、鉄鍋に牛脂が菜箸でぐるぐると弧をかいている。

姉は肉を入れる準備に牛脂をまんべんなく鍋に塗り、母が刻んだ野菜、糸こんにゃくに小さく切った豆腐にかくふ、に牛肉、それぞれをトレーに盛ってテーブルにおいた。

お水に醤油に砂糖も用意し、鍋をしきるは姉と母。

姉の旦那は小さな息子君をだっこしあやしている。

父は新聞広げたりしてる。

そんな中、ど緊張の圭樹さんのてを握り私は彼に呪文を唱えてあげた。

「大丈夫、大丈夫、大丈夫…(エンドレス)」

一番効果があったのは呪文ではなく握る手な訳だけど…ははは。

出来上がったすき焼き鍋に皆が箸をつつき、肉の争奪戦。

圭樹さんもお肉で元気が出た模様。良かった。

そうこうして、食事も終わり女性陣で後片付けをして、私が母にもう一度話を聞いてほしいと母にいえば…険しい顔になる母がいた。

片付いたテーブルを囲んで皆が座り、私の後に彼が話始めた。

職場の現状、私が仕事を続けたいこと、圭樹さんはもともとこちらの営業所にいたわけで、今、異動の申請をしているのだと母に話した。

あくまでも母のためではなく、私のためであることが一番だった。
籍だけ入れて週末婚何て事はしたくなかったこともあるし

…勿論母の最初の心配する言葉から、考え始めたことだと話してくれた。

圭樹さんの一生懸命お互いよい方へ行けるよう努力していることがわかる母は、自分の心配していたことやら色々頭をめぐったようで悶え出した。

「圭樹くんはいい子よわかってるのよ、反対したい訳じゃないの心配で…うぉう。」

悶える母に、なだめる父。

「今日はこの話はここまでにしようか、母さんもゆっくり頭の中整理すればいいからね。」

父が母をよしよしと、頭を撫でる姿は未だラブラブであるなあ~と皆がおもった。

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