【完結】眠れぬ異界の少年、祓魔師の愛に微睡む

丑三とき

文字の大きさ
146 / 176
続編その②〜魔力練習編〜

17.禁欲までのカウントダウン

しおりを挟む


珍しくのぼせそうになって目元や頬が若干赤らんだフレイヤさんの顔は色気ムンムンって感じで、胸元のちょっと開いたラフな寝巻き姿がさらに色気を引き立てていた。

そんな刺激の強い光景を見てしまっては当然物欲しくなってしまい、ベッドに正座をしてできるだけ礼儀正しく彼を誘った。

「フレイヤさん、僕、今日したいです……」

昨日と一昨日は二人ともそれぞれ体調を崩してしまったので二日分の欲が溜まっている。二日ごときで、とは思わないでほしい。
だって、今日しないと数日はできないのだ。

なぜかというと、もう少しで発情期だから。

予想通りフレイヤさんは僕の誘いに難色を示した。僕の隣に腰掛け、肩を抱き寄せながら慰めるようにこう言った。

「ありがとうハルオミ、だけどね、今日触れてしまったら発情するまでの期間が延びてしまうかもしれない。それは君にとって辛いだろう」

「でも……」

ちなみに、なぜ発情期なのに接触ができないかというと、僕が発情を起こすのが下手だからだ。

初めての発情期を迎えた時、中々発情せず倦怠感と情緒不安定だけがしばらく続いてしまっていた。無事発情できたからよかったものの、二度目も同じ調子で、発情のサイクルが見事にずれてしまったのだ。

これがずれるとまぁしんどくて、昼夜関係なしに眠たくて精神も崩れがち、でも発情しないから発情期が終わらない、みたいな「抜け出せない地獄」みたいなのが続くのである。

そこでヴィーホット家が誇る(誇ってるか分からないけど)研究者のクールベさんが発情を促す方法を研究してくれた。
それが「禁欲療法」だ。
性的接触を我慢することで発情を促すという荒療治だが、今のところこれが一番効くし、倦怠感と精神不安定だけが延々と続く時間よりはまだマシだった。

マシとは言っても、この禁欲期間はとてもとてもいやだ。
だって、ただの禁欲じゃなくて「発情を促す」禁欲なんだもの。つまりフレイヤさんの匂いを嗅いだり彼の肌に触れたり際どい部分を触られたりして、わざと欲情しそれを我慢しなければならないのだ。

すぐにエッチなことができる状況にありながら何もできないのがもどかしくて辛くて、無意識のうちに涙が出ることもある。

僕の表情があからさまに暗くなったのだろう、フレイヤさんは気を使って優しく声をかけてくれた。

「今日してしまうと、発情までの時間が長引いて苦しい思いをさせてしまう」

「それでもいい。明日からちゃんと我慢するから……僕、一昨日からずっとフレイヤさんに触れたかったんだよ」

わがままだとわかっているけど、腕に縋り付いてせがんでしまった。ゆったりとした服を着たら着痩せするフレイヤさんだが、その腕はやはり丸太のように鍛え上げられている。逞しい質感にすらゾクっとする。

…………ますます疼いてしまった。

こんな時こそ、イザベラに教えてもらった技を実行せねば。
僕はフレイヤさんの目をじぃっと見つめて、「欲しいです」という想いを込めて甘えてみた。

「フレイヤさん……だめ?」

これは手強い彼との勝負だ。この勝負、打ち勝たねば発情までしばらくおあずけ生活となってしまう。それはそれで辛すぎる。

「お願い……」


しおりを挟む
感想 17

あなたにおすすめの小説

【完結】ここで会ったが、十年目。

N2O
BL
帝国の第二皇子×不思議な力を持つ一族の長の息子(治癒術特化) 我が道を突き進む攻めに、ぶん回される受けのはなし。 (追記5/14 : お互いぶん回してますね。) Special thanks illustration by おのつく 様 X(旧Twitter) @__oc_t ※ご都合主義です。あしからず。 ※素人作品です。ゆっくりと、温かな目でご覧ください。 ※◎は視点が変わります。

2度目の異世界移転。あの時の少年がいい歳になっていて殺気立って睨んでくるんだけど。

ありま氷炎
BL
高校一年の時、道路陥没の事故に巻き込まれ、三日間記憶がない。 異世界転移した記憶はあるんだけど、夢だと思っていた。 二年後、どうやら異世界転移してしまったらしい。 しかもこれは二度目で、あれは夢ではなかったようだった。 再会した少年はすっかりいい歳になっていて、殺気立って睨んでくるんだけど。

拾った異世界の子どもがどタイプ男子に育つなんて聞いてない。

おまめ
BL
召喚に巻き込まれ異世界から来た少年、ハルを成り行きで引き取ることになった男、ソラ。立派に親代わりを務めようとしていたのに、一緒に暮らしていくうちに少年がどタイプ男子になっちゃって困ってます。 ✻✻✻ 2026/01/10 『1.出会い』を分割し、後半部分を『2.引き取ります。』として公開しました。

劣等アルファは最強王子から逃げられない

BL
リュシアン・ティレルはアルファだが、オメガのフェロモンに気持ち悪くなる欠陥品のアルファ。そのことを周囲に隠しながら生活しているため、異母弟のオメガであるライモントに手ひどい態度をとってしまい、世間からの評判は悪い。 ある日、気分の悪さに逃げ込んだ先で、ひとりの王子につかまる・・・という話です。

イケメンダブルセンターとアンチ>ファンな平凡な俺

ユッキー
BL
アイドルグループ【オーバーウェルミング】は圧倒的な歌唱力の深山影月、圧倒的なパフォーマンス力の漣陽太、そして圧倒的な平凡力な俺間桐真緒の3人で結成されている。  大人気の二人と違いアンチしかいない俺だが、メンバーからもファンからも愛される日が果たしてくるのか!?

【完結】気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件

白井のわ
BL
雄っぱいが大好きな俺は、気が付いたら大好きなblゲーの主人公になっていた。 最初から好感度MAXのマッチョな攻略対象達に迫られて正直心臓がもちそうもない。 いつも俺を第一に考えてくれる幼なじみ、優しいイケオジの先生、憧れの先輩、皆とのイチャイチャハーレムエンドを目指す俺の学園生活が今始まる。

中年冒険者、年下美青年騎士に番認定されたことで全てを告白するはめになったこと

mayo
BL
王宮騎士(24)×Cランク冒険者(36) 低ランク冒険者であるカイは18年前この世界にやって来た異邦人だ。 諸々あって、現在は雑用専門冒険者として貧乏ながら穏やかな生活を送っている。 冒険者ランクがDからCにあがり、隣国の公女様が街にやってきた日、突然現れた美青年騎士に声をかけられて、攫われた。 その後、カイを〝番〟だと主張する美青年騎士のせいで今まで何をしていたのかを文官の前で語ることを強要される。 語らなければ罪に問われると言われ、カイは渋々語ることにしたのだった、生まれてから36年間の出来事を。

過保護な父の歪んだ愛着。旅立ちを控えた俺の身体は、夜ごとに父の形で塗り潰される

中山(ほ)
BL
「パックの中、僕の形になっちゃったね」 夢か現か。耳元で囁かれる甘い声と、内側を執拗に掻き回す熱。翌朝、自室で目覚めたパックに、昨夜の記憶はない。ただ、疼くような下腹部の熱だけが残っていた。 相談しようと向かった相手こそが、自分を侵食している張本人だとも知らずに、パックは父の部屋の扉を開く。 このお話はムーンライトでも投稿してます〜

処理中です...