ママは男の娘

狐猫(キツネコ)

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#07-17

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 その後、アストロギーは製造方法が世間に公表され、源蔵の会社は倒産した。

 恐らく、そっくりさんが公表したのだろう。

 そのために、一時は大量の廃棄物として問題になっていた電化製品が再び脚光を浴びることとなった。

 おかげでジャンクさんのお店なんかは大繁盛している。

 私も、今まで以上に休む暇がないほど忙しくなってしまった。

 それでも以前より寂しくはなくなった。

「パパ~!」

 電化製品を修理する私の足元に、ぬーちゃんが駆け寄ってきた。

「パパ、遊ぼ♪ 遊ぼ♪」

「もうちょっと待って下さい。まだお仕事の時間ですから……」

 ぬーちゃんはしかめっ面を浮かべ、私の足を掴んで揺さぶる。

 あの日以来、ぬーちゃんは私のことをパパと呼ぶようになった。この子にとっては信頼の証なのだろう。

「ぬーちゃん、パパの邪魔しないの!」

 そう言いながら、外から電化製品を持ってきたのはサキだ。

 あの日からすっかり元気を取り戻した彼は、私とともに電化製品の修理を手伝ってくれている。

「やだ! 遊ぶ!」

「もうちょっとで休憩だからね~、それまでママと遊ぼ?」

「やだ、パパがいい!」

「だ~め、ママだってパパと遊びたいもん!」

 そう言ってサキまで抱きついてきた。

「二人共、うるさいです」

「「だって、遊んでくれないんだもん!」」

 相変わらずうるさい人達だ。

 それでも今はこのうるさい感じが、心地よい。

 やっていることは前と変わらないのに、今はとても充実している。

 今なら、はっきり言える。

 私は、幸せだ。



……end.
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