嘘時々本当の占い師

いじめられた少年 昼ごはん

「さあ、りょうくん遠慮せずに食べて」
オムライスがテーブルに二つ並べられた。
プロ顔負けとかまでいかないまでも、綺麗にまとまっている。
正直いつもはこんなに手の混んだものを作らない。
光がまともな形の料理を作るのは始めてみた。

逃げるように帰ろうとしていた、りょうと言う少年を光は無理矢理連れてきていた。
「どうしたの？早く食べないと冷めちゃうよ」
「今日のことは黙っておいてくれますか」
りょうは心配そうに光にたずねた。
「今日のことって？」
光はからかったようにりょうに聞き返した。
りょうは黙ってしまった。

「ごめん。ごめん。誰にも言わないよ。
約束する。でもたぶん、りょうくんが知られたくない人はみんな感づいてるよ」
「どうしてそんなこと分かるんですか?」
「私占い師だから、なんでも分かるの。例えば●億円事件の犯人とか、芸能人NSの彼氏は誰なのかとか」
「なんで警察に言わないんですか」
「人の人生を悪くすることは言わないよ。例え悪い人でもね。りょうくんのこと誰にも言わないのと一緒だね」

信用してないという感じのりょうを無視して、
光はオムライスを食べ始めた。
りょうもそのあとすぐに食べ始めた。