39 / 167
第38話 魔族との和解と魔王の襲来
あの事件から5日後。
僕は今『念話』で呼ばれ魔族の里である集落、マヤイダを訪れていた。
「バルイルドさん、お久しぶりです。…リョダの様子はどうですか?」
「お久しぶりですライト様。リョダ殿は毎日訓練をなされている様子です。ついでにこの周辺の魔物、悉く狩ってくれますので…私どももご相伴にあずかっている状況です」
良かった。
違う星の生物でもあるリョダ。
かなり改造を施されており、この星で暮らすこと自体は問題がないのだけれど。
取り敢えず魔族の皆さんとは仲良くやっているようだ。
そんなことを話していると突然とんでもない魔力が猛スピードで近づいて来た。
今まさに話をしていたリョダだ。
そしてなぜか恍惚の表情を僕に向けてくる?!
「おお、ライト様…ご尊顔麗しく…バルイルド殿もいつも世話になっている」
「うあ、え、えっと。…リョダも問題なく元気そうだね」
「はっ。いまだあなた様の勅命、完了はしておりませんが…重ねて努力する事、改めて誓いを」
うーむ。
リョダ、真面目過ぎるんだよね。
だいたい僕が課したあの修練計画。
普通に数十年は必要なはずなのだけれど…
なんか数か月で終わらせそうな勢いだ。
もう少し肩の力抜けばいいのに…
「コホン。あまり無理はしないでね?なにより君ひとりが異常に強くなってもバランス困るからさ。それよりも森の暮らしは慣れたかな?」
「はっ。あまりにも快適でございます」
僕が用意したのはログハウス風の住宅と、数か月分の保存可能な食料のみなのだけれど…
どうやら彼はそれに対し非常に感動しているようだった。
確かにユニットバスとか暖房便座付きウオシュレットとか。
少しハッチャけてはいたけどね。
家にリョダを案内したとき、彼はあまりの感動に涙を流していたしね。
『かようなまさに神殿がごとく高貴な住居…おお、まさにあなた様は神だ』
とか言っていたし。
ふう。
「ハハ、ハ。それは良かったよ。えっと今日僕は用事でここに来たんだよね。リョダは何か用事あるの?」
「はっ?こ、これは失礼を…い、いえ、特には。…し、失礼いたします」
なぜか顔を赤らめ、言うが早く姿を消すリョダ。
思わず僕とバルイルドさんは顔を見合わせてしまう。
「…忙しい御仁ですな」
「うん」
何で顔を赤らめるの?
…僕、そういう趣味はないからねっ!!
※※※※※
何はともあれ僕はバルイルドさんに案内され、長老であるズゴイズードさんと打ち合わせを行った。
実は彼、僕のヒイヒイじいさん、つまり5代前の領主と交流をしていた数少ない生き残りだった。
だから実は彼は望んでいて。
僕たちヒューマン族との同盟、大賛成だったんだよね。
「また、あの愛おしい日々が訪れる…ああ、正に至福…ライト様、どうかよろしくお願いいたします」
「はい。それでは改めて領主である父上、お連れしますね。…今すぐでも問題ありませんか?」
「なんと…そうであったな。ライト様は伝説の転移魔術、習得されたまさに神。ええ。お願いいたします」
えっと。
なんか評価めちゃくちゃ高い?
コホン。
そうして正式に父上と魔族の長との間で、同盟の契約がなされた。
これでもう僕の領地では魔族との戦闘は終わりを告げたんだ。
※※※※※
「…全く。…お前が領主をやればよくないか?」
「何をおっしゃるんです?父上。…僕はまだ9歳です。子供です」
「むう」
なぜかジト目の父上だけれど。
でも僕にはわかる。
父上、本当に心の底から喜んでくれていたんだ。
自領の領民の事、そして魔族の事。
父上は既にいくつかの法案を国王に上奏していたんだ。
本当に尊敬できる父上だ。
いつか僕も。
だらからも尊敬される父上のような大人になりたい。
※※※※※
魔族との会談を終え、久しぶりに自宅へと戻った僕と父上。
父上は早速参謀長であるグラドールさんから留守の間の報告を受けているところだ。
時間の余裕ができた僕。
久しぶりに兵舎を訪れてみた。
「こんにちは」
「っ!?ラ、ライト様?!…いつお戻りに?」
「うん。いまさっきだね。またすぐに王都に行くけど…ん?」
なぜか体中軽傷を負っているマサルドさん。
そして聞こえてくる模擬戦の音。
…ん?
この魔力?!
「フハハハハハハハ!!その程度か?!…修練が足りぬのではないか?!!」
「くうっ、こ、この出鱈目魔王め!!コンチクショー!!!」
気合の籠った声と嘲る声。
声の主、魔王ルイだ。
あっという間に無力化される領兵。
勝ち誇りなぜか馬鹿笑いをするルイ。
「…何やってんの?」
「ふわっ?!ラ、ライト?!…ど、どうして?!」
勝ち誇るルイの後ろに転移して彼女の首根っこを掴む僕。
まるで借りてきた猫のようにおとなしくなるルイはいきなり僕に抱き着いて来た。
「うわーん。ライト、ライトおっ!!」
「うわっ?!あぶなっ!!…ちょ、ちょっと?!」
そして押し倒される僕。
体を押し付けながらも彼女から爆発的に色気が吹き上がる。
「…抱いて♡」
「はあっ?!」
そして力いっぱい抱き着いてくるルイ。
めっちゃいい匂いがする?!
なぜか領兵の皆さんはジト目を向けるし?
「うわっ、あの暴君が懐いている…さすがライトさま!」
「…ライト様、まだ9歳、だよな…恐るべし6股の貴公子」
うん?
――6股の貴公子?!
なにそれ?!!
どうやら領兵の皆さまには『説明』が必要なようだね。
僕はルイを軽く魔術で拘束し、すっと立ち上がった。
そして限りない愛情を込めた瞳で領兵の皆さんに視線を投げた。
「っ!?」
「ひぐうっ?!!」
固まり冷や汗を流す領兵の皆さん。
ん?
僕、別に怒っていないよ?
…ちょっと注意するだけ、だよ?!
「さあて…」
「ひいいいっっ!!!」
久しぶりに領兵の皆さんは僕の特別指導で、体中筋肉痛になりましたとさ。
僕は今『念話』で呼ばれ魔族の里である集落、マヤイダを訪れていた。
「バルイルドさん、お久しぶりです。…リョダの様子はどうですか?」
「お久しぶりですライト様。リョダ殿は毎日訓練をなされている様子です。ついでにこの周辺の魔物、悉く狩ってくれますので…私どももご相伴にあずかっている状況です」
良かった。
違う星の生物でもあるリョダ。
かなり改造を施されており、この星で暮らすこと自体は問題がないのだけれど。
取り敢えず魔族の皆さんとは仲良くやっているようだ。
そんなことを話していると突然とんでもない魔力が猛スピードで近づいて来た。
今まさに話をしていたリョダだ。
そしてなぜか恍惚の表情を僕に向けてくる?!
「おお、ライト様…ご尊顔麗しく…バルイルド殿もいつも世話になっている」
「うあ、え、えっと。…リョダも問題なく元気そうだね」
「はっ。いまだあなた様の勅命、完了はしておりませんが…重ねて努力する事、改めて誓いを」
うーむ。
リョダ、真面目過ぎるんだよね。
だいたい僕が課したあの修練計画。
普通に数十年は必要なはずなのだけれど…
なんか数か月で終わらせそうな勢いだ。
もう少し肩の力抜けばいいのに…
「コホン。あまり無理はしないでね?なにより君ひとりが異常に強くなってもバランス困るからさ。それよりも森の暮らしは慣れたかな?」
「はっ。あまりにも快適でございます」
僕が用意したのはログハウス風の住宅と、数か月分の保存可能な食料のみなのだけれど…
どうやら彼はそれに対し非常に感動しているようだった。
確かにユニットバスとか暖房便座付きウオシュレットとか。
少しハッチャけてはいたけどね。
家にリョダを案内したとき、彼はあまりの感動に涙を流していたしね。
『かようなまさに神殿がごとく高貴な住居…おお、まさにあなた様は神だ』
とか言っていたし。
ふう。
「ハハ、ハ。それは良かったよ。えっと今日僕は用事でここに来たんだよね。リョダは何か用事あるの?」
「はっ?こ、これは失礼を…い、いえ、特には。…し、失礼いたします」
なぜか顔を赤らめ、言うが早く姿を消すリョダ。
思わず僕とバルイルドさんは顔を見合わせてしまう。
「…忙しい御仁ですな」
「うん」
何で顔を赤らめるの?
…僕、そういう趣味はないからねっ!!
※※※※※
何はともあれ僕はバルイルドさんに案内され、長老であるズゴイズードさんと打ち合わせを行った。
実は彼、僕のヒイヒイじいさん、つまり5代前の領主と交流をしていた数少ない生き残りだった。
だから実は彼は望んでいて。
僕たちヒューマン族との同盟、大賛成だったんだよね。
「また、あの愛おしい日々が訪れる…ああ、正に至福…ライト様、どうかよろしくお願いいたします」
「はい。それでは改めて領主である父上、お連れしますね。…今すぐでも問題ありませんか?」
「なんと…そうであったな。ライト様は伝説の転移魔術、習得されたまさに神。ええ。お願いいたします」
えっと。
なんか評価めちゃくちゃ高い?
コホン。
そうして正式に父上と魔族の長との間で、同盟の契約がなされた。
これでもう僕の領地では魔族との戦闘は終わりを告げたんだ。
※※※※※
「…全く。…お前が領主をやればよくないか?」
「何をおっしゃるんです?父上。…僕はまだ9歳です。子供です」
「むう」
なぜかジト目の父上だけれど。
でも僕にはわかる。
父上、本当に心の底から喜んでくれていたんだ。
自領の領民の事、そして魔族の事。
父上は既にいくつかの法案を国王に上奏していたんだ。
本当に尊敬できる父上だ。
いつか僕も。
だらからも尊敬される父上のような大人になりたい。
※※※※※
魔族との会談を終え、久しぶりに自宅へと戻った僕と父上。
父上は早速参謀長であるグラドールさんから留守の間の報告を受けているところだ。
時間の余裕ができた僕。
久しぶりに兵舎を訪れてみた。
「こんにちは」
「っ!?ラ、ライト様?!…いつお戻りに?」
「うん。いまさっきだね。またすぐに王都に行くけど…ん?」
なぜか体中軽傷を負っているマサルドさん。
そして聞こえてくる模擬戦の音。
…ん?
この魔力?!
「フハハハハハハハ!!その程度か?!…修練が足りぬのではないか?!!」
「くうっ、こ、この出鱈目魔王め!!コンチクショー!!!」
気合の籠った声と嘲る声。
声の主、魔王ルイだ。
あっという間に無力化される領兵。
勝ち誇りなぜか馬鹿笑いをするルイ。
「…何やってんの?」
「ふわっ?!ラ、ライト?!…ど、どうして?!」
勝ち誇るルイの後ろに転移して彼女の首根っこを掴む僕。
まるで借りてきた猫のようにおとなしくなるルイはいきなり僕に抱き着いて来た。
「うわーん。ライト、ライトおっ!!」
「うわっ?!あぶなっ!!…ちょ、ちょっと?!」
そして押し倒される僕。
体を押し付けながらも彼女から爆発的に色気が吹き上がる。
「…抱いて♡」
「はあっ?!」
そして力いっぱい抱き着いてくるルイ。
めっちゃいい匂いがする?!
なぜか領兵の皆さんはジト目を向けるし?
「うわっ、あの暴君が懐いている…さすがライトさま!」
「…ライト様、まだ9歳、だよな…恐るべし6股の貴公子」
うん?
――6股の貴公子?!
なにそれ?!!
どうやら領兵の皆さまには『説明』が必要なようだね。
僕はルイを軽く魔術で拘束し、すっと立ち上がった。
そして限りない愛情を込めた瞳で領兵の皆さんに視線を投げた。
「っ!?」
「ひぐうっ?!!」
固まり冷や汗を流す領兵の皆さん。
ん?
僕、別に怒っていないよ?
…ちょっと注意するだけ、だよ?!
「さあて…」
「ひいいいっっ!!!」
久しぶりに領兵の皆さんは僕の特別指導で、体中筋肉痛になりましたとさ。
あなたにおすすめの小説
転生したら、伯爵家の嫡子で勝ち組!だけど脳内に神様ぽいのが囁いて、色々依頼する。これって異世界ブラック企業?それとも社畜?誰か助けて
ゆうた
ファンタジー
森の国編 ヴェルトゥール王国戦記
大学2年生の誠一は、大学生活をまったりと過ごしていた。
それが何の因果か、異世界に突然、転生してしまった。
生まれも育ちも恵まれた環境の伯爵家の嫡男に転生したから、
まったりのんびりライフを楽しもうとしていた。
しかし、なぜか脳に直接、神様ぽいのから、四六時中、依頼がくる。
無視すると、身体中がキリキリと痛むし、うるさいしで、依頼をこなす。
これって異世界ブラック企業?神様の社畜的な感じ?
依頼をこなしてると、いつの間か英雄扱いで、
いろんな所から依頼がひっきりなし舞い込む。
誰かこの悪循環、何とかして!
まったりどころか、ヘロヘロな毎日!誰か助けて
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
転生特典〈無限スキルポイント〉で無制限にスキルを取得して異世界無双!?
スピカ・メロディアス
ファンタジー
目が覚めたら展開にいた主人公・凸守優斗。
女神様に死後の案内をしてもらえるということで思春期男子高生夢のチートを貰って異世界転生!と思ったものの強すぎるチートはもらえない!?
ならば程々のチートをうまく使って夢にまで見た異世界ライフを楽しもうではないか!
これは、只人の少年が繰り広げる異世界物語である。
元剣聖のスケルトンが追放された最弱美少女テイマーのテイムモンスターになって成り上がる
ゆる弥
ファンタジー
転生した体はなんと骨だった。
モンスターに転生してしまった俺は、たまたま助けたテイマーにテイムされる。
実は前世が剣聖の俺。
剣を持てば最強だ。
最弱テイマーにテイムされた最強のスケルトンとの成り上がり物語。
悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業
ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。
趣味で人助けをしていたギルマス、気付いたら愛の重い最強メンバーに囲まれていた
歩く魚
ファンタジー
働きたくない元社畜、異世界で見つけた最適解は――「助成金で生きる」ことだった。
剣と魔法の世界に転生したシンは、冒険者として下積みを積み、ついに夢を叶える。
それは、国家公認の助成金付き制度――ギルド経営によって、働かずに暮らすこと。
そして、その傍で自らの歪んだ性癖を満たすため、誰に頼まれたわけでもない人助けを続けていたがーー
「ご命令と解釈しました、シン様」
「……あなたの命、私に預けてくれるんでしょ?」
次第にギルドには、主人公に執着するメンバーたちが集まり始め、気がつけばギルドは、愛の重い最強集団になっていた。
魔力0の貴族次男に転生しましたが、気功スキルで補った魔力で強い魔法を使い無双します
burazu
ファンタジー
事故で命を落とした青年はジュン・ラオールという貴族の次男として生まれ変わるが魔力0という鑑定を受け次男であるにもかかわらず継承権最下位へと降格してしまう。事実上継承権を失ったジュンは騎士団長メイルより剣の指導を受け、剣に気を込める気功スキルを学ぶ。
その気功スキルの才能が開花し、自然界より魔力を吸収し強力な魔法のような力を次から次へと使用し父達を驚愕させる。
スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する
カツラノエース
ファンタジー
ろくでもない人生を送っていた俺、海乃 哲也は、
23歳にして交通事故で死に、異世界転生をする。
急に異世界に飛ばされた俺、もちろん金は無い。何とか超初級クエストで金を集め武器を買ったが、俺に戦いの才能は無かったらしく、スライムすら倒せずに返り討ちにあってしまう。
完全に戦うということを諦めた俺は危険の無い薬草集めで、何とか金を稼ぎ、ひもじい思いをしながらも生き繋いでいた。
そんな日々を過ごしていると、突然ユニークスキル[レベルアップ]とやらを獲得する。
最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。
すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。
どうやら本当にレベルアップしている模様。
「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」
最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。
他サイトにも掲載しています。