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第40話 学園生活のスタート
あの事件からおよそ1か月、そして突然の里帰りから約3週間が経過していた。
もちろん政治的な事とか国同士の話し合いなど、僕は関与していないよ?
まあ魔王との会談については僕が連絡することにはなっているけど…
もうしばらくかかりそうだってロキラス殿下が教えてくれていた。
まあ段取りだけ済ませたら僕は関与するつもりはないけどね。
だって僕まだ9歳だし?
当然ながら父上には恨めしそうな目で見られたけどね。
コホン。
という訳で今僕は学園の寮へと引っ越してきたところだ。
思ったよりも広い、僕にあてがわれた寮の部屋。
まあ色々な事情で家族ごと来る家もあるようで。
僕にはそういうような部屋、と言うか“一軒家”をあてがわれていた。
「ふわー。これが寮なのですか?…孤児院よりもおっきい様な…」
玄関の前でココナが感嘆の声をあげた。
一応貴族の邸宅を模したような寮。
小さいとはいえ、日本だったら『どこの大臣だ?!』というくらいには立派なお屋敷だ。
「ほらほら、荷物運ばないと。…ココナは生徒でもあるけど、一応ライト様とキャルン様の専属のメイド。…呆けている暇はないよ?」
「あうっ。そ、そうですよね。分かりました。サルツ様」
大きなお屋敷。
今日から僕たち5人はここで暮らしていく。
もちろんハウスキーパーを頼むことはできるのだけれど。
何故かサルツさんとココナに猛反対されてしまっていた。
「赤の他人が同居することは希望しません。何よりライト様には多くの秘匿事項があります。私とココナで対応いたします」
「わ、私、力いっぱいお世話します!!」
ハハハ。
まあね。
実はあれからも『影の騎士ノワール』と『美しすぎる従者アラタイト』は何度かその力を振るっていた。
それもあってサルツさんはかなり神経をとがらせていたんだ。
「…ライト様。あなたの目的は世直しではありません。学業です。…分かってますよね?」
そう詰め寄ってきたときのサルツさん。
うん。
マジで怖かった。
暫くはおとなしくしていよう。
※※※※※
「特待生だと?」
「はっ」
高級な家具に囲まれた部屋。
そこの主である少年、ベイルード・イザナークは執事長であるロコッナに問いかけていた。
ベイルードはイザナーク伯爵家の長男。
『神童』と呼ばれる才能あふれる少年だ。
「僕ですら特待生にはなれなかったというのに…その辺境伯の息子、ライトと言うのはそんなに優秀なのか?」
「はっ。秘匿事項のようです。情報はありません」
「秘匿事項?…ふん。良いだろう。誰が真に高貴なるものか、分からせてやろう」
拳を握りしめ、思わず魔力を揺蕩らす少年。
9歳児にしてはかなり優秀な彼、そしてやっぱりプライドの高い人物だった。
「ミャルナ第4殿下も通われるのだな?」
「はっ。さようでございます」
「殿下すら抑えての特待生…」
つぶやくベイルード。
まもなく始まる学園生活。
どうやら前途多難になりそうな気配。
ライトの受難は続くのであった。
※※※※※
数日後。
さわやかに晴れ渡る、小春日和。
道すがら植えられた花々が鮮やかに咲き誇る。
おそろいの学園の服に身を包み、僕とココナ、それからキャルン姉さまの3人は後ろにサルツさんと変装したティアリーナを従え、学園の入学式に訪れていた。
「ふわー。人がいっぱいです。…わ、私、大丈夫でしょうか?」
「うん?大丈夫だよ?…まあ、ココナは可愛いから…男の子たちが寄ってくるかもだけど?」
「ひうっ?そ、そんな…キャ、キャルン様の方が心配です」
まあね。
弟の僕が言うのも何だけど。
確かにキャルン姉さま、めっちゃ可愛い。
11歳にしては成長している肢体に、美しい顔。
何より剣術を修めている姉さま。
立ち居振る舞いが非常に美しい。
「ふふっ♡でも私はライト一筋よ?心配はいらないわ」
「う、うん」
そう言い僕の腕をとる姉さま。
うあ、皆の注目が集まる?
「コホン。キャルン様?ここは公の場。少し控えてください」
「むう。サルツさんはイジワルだよね。…分かりました」
一応僕とココナは幼少部、キャルン姉さまは正式に中等部へと決まっていた。
まあ事前のテスト?
僕と同じ幼少部の3年を希望していた姉さまなんだけれど。
キャルン姉さまは皆よりも1歳幼いのに、なんと試験は満点をたたき出しており、すでに注目を浴びているんだ。
いわゆる“飛び級”だね。
「じゃあライト。私はこっちだから。…オリエンテーション終わったら一緒に帰りましょ」
「うん。じゃあね」
颯爽と歩を進める姉さま。
わが姉ながらマジで美しい。
「よし。じゃあココナ?行こうか」
「は、はい」
うーん。
なんか探るような気配?
…姉さまとココナに、だよね?
うん?
…うあ、何か女の子たちの視線…
獲物を狙うような…
僕は軽く頭を振る。
『…ねえライト?学園には女の子がたくさんいるの。心配だわ』
よぎるお母様の言葉。
僕は改めて、こぶしを握り締めていた。
(絶対に…目立たないようにしよう。…僕の望みはスローライフ…すでに破綻していそうだけど…これ以上女の子、増やさないようにしなくちゃ!!)
一人誓いを立てるライト。
しかしその誓い。
すぐに音を立て崩れることになる。
『学園』と言うまるで乙女ゲームのような舞台。
異常な力を保有し、とんでもない経験を持つライト。
彼が放っておかれることなど。
あり得ない事だった。
※※※※※
(みいーつけた♡…学生服のライト♡…はあはあはあはあ♡…ちょー可愛い♡)
(ルイちゃん、見えない!ちょっとどいてよ!)
陰から熱いまなざしを向ける二人の女生徒。
すでにライトの安息。
もう終わっていたのだった。
もちろん政治的な事とか国同士の話し合いなど、僕は関与していないよ?
まあ魔王との会談については僕が連絡することにはなっているけど…
もうしばらくかかりそうだってロキラス殿下が教えてくれていた。
まあ段取りだけ済ませたら僕は関与するつもりはないけどね。
だって僕まだ9歳だし?
当然ながら父上には恨めしそうな目で見られたけどね。
コホン。
という訳で今僕は学園の寮へと引っ越してきたところだ。
思ったよりも広い、僕にあてがわれた寮の部屋。
まあ色々な事情で家族ごと来る家もあるようで。
僕にはそういうような部屋、と言うか“一軒家”をあてがわれていた。
「ふわー。これが寮なのですか?…孤児院よりもおっきい様な…」
玄関の前でココナが感嘆の声をあげた。
一応貴族の邸宅を模したような寮。
小さいとはいえ、日本だったら『どこの大臣だ?!』というくらいには立派なお屋敷だ。
「ほらほら、荷物運ばないと。…ココナは生徒でもあるけど、一応ライト様とキャルン様の専属のメイド。…呆けている暇はないよ?」
「あうっ。そ、そうですよね。分かりました。サルツ様」
大きなお屋敷。
今日から僕たち5人はここで暮らしていく。
もちろんハウスキーパーを頼むことはできるのだけれど。
何故かサルツさんとココナに猛反対されてしまっていた。
「赤の他人が同居することは希望しません。何よりライト様には多くの秘匿事項があります。私とココナで対応いたします」
「わ、私、力いっぱいお世話します!!」
ハハハ。
まあね。
実はあれからも『影の騎士ノワール』と『美しすぎる従者アラタイト』は何度かその力を振るっていた。
それもあってサルツさんはかなり神経をとがらせていたんだ。
「…ライト様。あなたの目的は世直しではありません。学業です。…分かってますよね?」
そう詰め寄ってきたときのサルツさん。
うん。
マジで怖かった。
暫くはおとなしくしていよう。
※※※※※
「特待生だと?」
「はっ」
高級な家具に囲まれた部屋。
そこの主である少年、ベイルード・イザナークは執事長であるロコッナに問いかけていた。
ベイルードはイザナーク伯爵家の長男。
『神童』と呼ばれる才能あふれる少年だ。
「僕ですら特待生にはなれなかったというのに…その辺境伯の息子、ライトと言うのはそんなに優秀なのか?」
「はっ。秘匿事項のようです。情報はありません」
「秘匿事項?…ふん。良いだろう。誰が真に高貴なるものか、分からせてやろう」
拳を握りしめ、思わず魔力を揺蕩らす少年。
9歳児にしてはかなり優秀な彼、そしてやっぱりプライドの高い人物だった。
「ミャルナ第4殿下も通われるのだな?」
「はっ。さようでございます」
「殿下すら抑えての特待生…」
つぶやくベイルード。
まもなく始まる学園生活。
どうやら前途多難になりそうな気配。
ライトの受難は続くのであった。
※※※※※
数日後。
さわやかに晴れ渡る、小春日和。
道すがら植えられた花々が鮮やかに咲き誇る。
おそろいの学園の服に身を包み、僕とココナ、それからキャルン姉さまの3人は後ろにサルツさんと変装したティアリーナを従え、学園の入学式に訪れていた。
「ふわー。人がいっぱいです。…わ、私、大丈夫でしょうか?」
「うん?大丈夫だよ?…まあ、ココナは可愛いから…男の子たちが寄ってくるかもだけど?」
「ひうっ?そ、そんな…キャ、キャルン様の方が心配です」
まあね。
弟の僕が言うのも何だけど。
確かにキャルン姉さま、めっちゃ可愛い。
11歳にしては成長している肢体に、美しい顔。
何より剣術を修めている姉さま。
立ち居振る舞いが非常に美しい。
「ふふっ♡でも私はライト一筋よ?心配はいらないわ」
「う、うん」
そう言い僕の腕をとる姉さま。
うあ、皆の注目が集まる?
「コホン。キャルン様?ここは公の場。少し控えてください」
「むう。サルツさんはイジワルだよね。…分かりました」
一応僕とココナは幼少部、キャルン姉さまは正式に中等部へと決まっていた。
まあ事前のテスト?
僕と同じ幼少部の3年を希望していた姉さまなんだけれど。
キャルン姉さまは皆よりも1歳幼いのに、なんと試験は満点をたたき出しており、すでに注目を浴びているんだ。
いわゆる“飛び級”だね。
「じゃあライト。私はこっちだから。…オリエンテーション終わったら一緒に帰りましょ」
「うん。じゃあね」
颯爽と歩を進める姉さま。
わが姉ながらマジで美しい。
「よし。じゃあココナ?行こうか」
「は、はい」
うーん。
なんか探るような気配?
…姉さまとココナに、だよね?
うん?
…うあ、何か女の子たちの視線…
獲物を狙うような…
僕は軽く頭を振る。
『…ねえライト?学園には女の子がたくさんいるの。心配だわ』
よぎるお母様の言葉。
僕は改めて、こぶしを握り締めていた。
(絶対に…目立たないようにしよう。…僕の望みはスローライフ…すでに破綻していそうだけど…これ以上女の子、増やさないようにしなくちゃ!!)
一人誓いを立てるライト。
しかしその誓い。
すぐに音を立て崩れることになる。
『学園』と言うまるで乙女ゲームのような舞台。
異常な力を保有し、とんでもない経験を持つライト。
彼が放っておかれることなど。
あり得ない事だった。
※※※※※
(みいーつけた♡…学生服のライト♡…はあはあはあはあ♡…ちょー可愛い♡)
(ルイちゃん、見えない!ちょっとどいてよ!)
陰から熱いまなざしを向ける二人の女生徒。
すでにライトの安息。
もう終わっていたのだった。
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