『スローライフどこ行った?!』追放された最強凡人は望まぬハーレムに困惑する?!

たらふくごん

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第90話 あれから数か月

僕の物語。
全宇宙を股にかける壮大なファンタジーだったはずだ。

そして迫りくる宇宙の帝王を激戦の末殲滅し、すべてをつかみ取る自由。
遂にたどり着くスローライフ。

なのに…

どうしてまるでラブコメのような展開になっているのでしょうか?

僕の『男になった』あの日から早5か月。
僕とココナは幼少部の2年に、キャルン姉さまは中等部の2年にそれぞれ進学していた。

実はルイとルザーラナはあの事件がきっかけで学園を去りました。

胸糞悪いけど。
まあしょうがないよね。


※※※※※


「諸君。進学おめでとう」

朝のホームルーム。
冬季の長期休暇を終え、僕たちは新しい教室で相変わらず担任してくれるウェレッタ先生の祝福の言葉を聞いているところだ。

「…ライト様?私ここにいてもいいのでしょうか?」
「うん?あたり前でしょ?ココナは僕の次に優秀なんだ。やめる選択肢なんてないよ?」
「はあ。ですけど…なんで私とライト様。皆さんの方を向いているのですか?」

実は学園、特に幼少部はいくつかの施策を行うための実験的な意味合いをも兼ねている。
今回導入されたのは、『成績優秀者による授業の補足』だった。

もちろん今まで通り、カリキュラムはこなしていく。
その中でいわゆる生徒視点での補足、かなり効果が高い事が分かっていたんだ。

「…という訳でこのふたりだ。みんなも異論はない事だろう」
「ふん。異論などない。…何しろライトは僕の大親友なんだ。鼻が高いというものよ」

えっと?
ベイルード?

いつの間に僕たち大親友になったの?
ハハハ、ハ。

「いいアイディアだと思います。何よりココナはみんなのアイドル。誰も彼女には逆らいませんよ。ねっ、ココナ」
「あう…み、皆のアイドル?…は、恥ずかしい」

相変わらずミャルナは恥ずかしい事を平気で言う。

でも。
本当に心が躍る。

僕は今の現実、心から楽しんでいたんだ。


※※※※※


「あー、因みに明日は新入生の入学式が行われる。幼少部代表はライト、お前だ。挨拶、考えておけよ?」

「あー。そうでしたね…欠席しても…」
「却下だ」

ですよね。

一応僕はこの学園でトップの成績だ。
特待生でもあるしそれはいいのだけれど…

あまり積極的にイベントには参加したくないんだよね。

「さすがはライト様です。ティアは、ティアは…」

なぜか母親目線みたいに感動しているティア。
ハハハ、ハ。

「よし。じゃあ今日はこれまでだ。新しい授業、選択があるから選んでおけよ。では解散」

新2年生初日はホームルームだけだ。
この後入学式の準備が行われる運びとなっていた。

そんなタイミングで開かれる教室のドア。

「ライト、ライトはおるか?」
「ルシェード殿下?」

あれ?
ルシェード殿下は高等部の3年だったはず?
卒業したのでは?

「こんにちはルシェード殿下。あれ?卒業されたのでは?」
「む?うむ。単位を落としたのだ。これでもう一年、ライトの近くにいられるというもの」

「はあ…」

「む?なんだその反応。寂しいではないか。…それよりもお前、商売上手にもほどがあるのではないか?」

実はあの後。
擬似ダンジョンを彼の祖国にもつなげたのだけれども。

この学園都市、いわゆる『擬似ダンジョン城下町』には新たな仕掛けを構築していたんだよね。

ズバリ『ボッタクル商店外部出張所』の新設。

噂話になっていたものの、実際ダンジョン産のお宝には値段がつけられない状況。
なので現実世界に対応して出張所を設置したんだよね。

もちろん限定は多いし縛りもきつい。
でもダンジョン産のお宝を、適正価格で買い取るサービスを始めたんだ。
もちろん支払いはこの世界で使えるもの。

実はお金が集まり過ぎで…
新たな流通を陛下に依頼されていたんだ。

「お前が新たに設置した買取所…それを我が国に…」
「却下で」

にっこり微笑み即拒絶。
殿下は面白い顔をし、天を見あげた。

「…結局そういう事なのだ。我が国ではダンジョン産のお宝、適正に運用できん。…結局はここで潜るのが最適解、という訳だ」
「…毎度ありがとうございます?」

大きくかぶりを振る殿下。
そして諦めたように柔らかい笑みを浮かべた。

「何はともあれ僕はしばらくここで暮らす。よろしく頼むぞ?ライト」
「こちらこそ」


※※※※※


そんなわけで僕の生活。

順調に過ぎていったのだけれど。
既に新たな“災難”が襲い掛かってくること。


僕は失念していたんだ。
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